
【UiPath】2022−2024のアップデートまとめ(前編)
この投稿は「UiPath Advent Calendar 2024」の24日目のエントリです。
今回は、UiPath の「Studio」および「CloudOrchestrator」の直近3年のリリースを眺めながら、リリース内容を振り返ります。
製品ライフサイクル
UiPathでは毎年「4月と10月」に製品版として機能リリースされます。
現時点を2024/12とすると、ちょうど「v2024.10」がリリースされた直後になります。企業または団体で、ビジネス利用しているStudioバージョンは「v2022.x または v2023.x 」だと思いますが、「v2024.10」へのアップデートを検討している方もいるでしょう。

このリリースサイクルですが、どうやら変わるようで、
LTSは毎年10月のみ(=4月は無くなる)
2ヶ月おきにCommunity版リリース(=今まで通り)
Community版リリースの1週間後にEnterprise版リリース
となり、最終的には「2週おきにリリース」という状態を目指すとの事。
ただ、エンタープライズ版の利用としては、10月のLTSをターゲットにしてバージョンを上げていくという方針は変わらないでしょう。
「どうしてもこの新機能が使いたい!」という時に、例外的にLTS以外のリリースを採用していく、のかと思います。
Studioリリース
Studioリリース「2022」(2年前)
まず、Studioのリリースについて見ていきます。まず2年前の「2022」年のリリースについて。

2021年に発表されたIE終了に続き、2022年は「ChromeManifestV3対応」が大きなハードル・開発者を苦しめるイベントのはずでしたが、蓋を開ければ影響は局所的で、あまりトラブルは起きずでした。
その裏で「Studio Xの変数」登場や「グローバル変数」登場など、今までの考え方が覆るようなリリースがありました。
モダンデザインに関しても「範囲読込の高速化」などがリリースされ、モダン&Windowsという選択が現実的になりつつある年でした。
個人的には「モダンを使い始めるならv2022以降かな」という印象のリリースでした。
Studioリリース「2023」(1年前)
続いて2023年です。

2023年は要素認識にCVが加わったり、コード自動化など今までに無い機能が登場してきました。アクティビティデザインの変更や地味にアシスタントの実行中タブなどの見た目も少し変わっています。
Windowsプロジェクトの機能追加や不具合(フロー呼び出しのファイル名で引数で変数使用できない)など改善がされて、いよいよWindowsプロジェクトを使おうという傾向になっています。
モダンの2022に続いて「Windowsプロジェクトにするならv2023以降で」というリリースでした。
Studioリリース「2024」(今年)
そして2024年です。

2024年はAutopilot元年です。Autopilotは「v2024.10」以降で使用できます。
注意点として「Autopilotの機能は無制限に利用できる訳ではない」です。
各ライセンスに一定回数付与された分はフリーで、以降はAIユニットを購入する必要があります。(正確には忘れましたが大体、ひとり当たり平日1日で数回の呼び出しがOK?位のボリュームだったかな?)
あと、次の「v2025.xx」からは「レガシープロジェクトの参照編集が不可(Windowsプロジェクトへの変換は可能)」になるので、「v2024.10」は「レガシーが閲覧編集できる最後のStudio」になります。
そして「v2024.10」の製品サポートは2027年までなので、レガシー撲滅の猶予はあと3年位です。3年あると言っても「猶予期間=アップデートを諦めている期間」になるので、その間はStudio/Robotの新機能を使用できません。
回避策として
レガシー閲覧編集用にv2024.10以前のStudioマシンを別途用意しておく
という方法もありますが、余計なライセンス消費になりそう。
なので「なる早でレガシープロジェクトは無くすほうが良い」と思います。
2025年12月までに対応を終えておき、年末にリリースされる「v2025.10」へのバージョンアップに支障を出さないようにするのが理想的かもしれません。(その頃になればAutopilotの機能も拡充しているでしょうし、早くバージョンアップして試したくなるでしょう)
Autopilot以外のアップデートですが、フローチャートのデザイン変更があって、今まで作ってきたフローチャートは、v2024.10に上げると崩れます(頑張ってキレイにしたフローチャートが崩れるのは、残念ですが)
新しいフローチャートには縦横整列機能(右クリックメニュー)もついていますので、整列させてやり直しても良いかも。
あと、実行時にフロー修正ができるようになっています。
注目のヒーリングエージェント(要素タイムアウトの回避やセレクタ修正を自動でやってくれる)はこの機能を使ってると思いますが、その延長線上で、ヒーリングエージェントはRobot24.10以降である必要があります。
ヒーリングエージェントは、他にも「UiAutomationアクティビティが24.12以降が必要」だったりするので、計画を立てて、実装を色々と新しくしていかないと使用できません。
HealingAgentがPublicPreviewになったから試そうと思ったら、
— みやぎ (@miya_gis) December 19, 2024
・モダンアクティビティで実装の場合のみ
・UIAutomation.Activitiesがver24.12.3-preview 以上
・Robotバージョンは 24.10 以上
・Windowsレガシはダメ
という制約あり。
実務で使えるのは春先か。まずRobotを24.10にしないと。#UiPath pic.twitter.com/WcAqW5UDSV
終わりに
本当は機能リリースを全部語りたいところですが、抜粋して話をしました。
後編では「Cloud Orchestrator」の話をする予定です。
以上、ありがとうございました。