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生涯現役で働きたい②

美容師が生涯現役としてサロンワーカーを続けていくために必要なことって一体どう言ったことなのだろうか。

まずはスキルの視点で考えてみる。

当然、キャリアが長くなるとスキルは向上していくものだと思う。
経験がスキルを伸ばしていくならば、今日が今までの美容師人生の中で最もスキルが高い状態とも言える。もちろん、明日の方が高く、そのまた明日の方が高まる。

果たして本当にそうなのであろうか。

以前、会社員として勤めていた時に、当時60歳くらいの現役サロンワーカーの女性スタイリストがおられた。一線からは引かれていて、1週間に1日だけ出勤なさっていた。
週に1日しかサロンに立たないので、その日はその方のお客様で溢れていたんです。60歳を超えて1日10〜15名の予約をこなしていく姿はめちゃくちゃ格好良かった。立ち振る舞いや掃除といった当たり前のことに凄く厳しく指導していただき、今もものすごく感謝している。

当時私はアシスタントだったので、よくその方のヘルプに入っていたんですね。

カットの手捌きは流石の一言では言い表せないほどの腕前をお持ちだった。
ベーシックを勉強中だった私になどは全く理解できない独創的な切り方、ゆっくり動いているのに仕事がとても早い。驚くほどの正確さ。それを身近で見て感じることができたことは、本当に素晴らしい経験になっている。

しかし、私がアシスタントとしてパーマを巻いている時、何度か切り残してしまっている箇所を見つけてしまうことがあった。
決して奢らず、ひょうきんな方だったので「ごめんごめーん!松田くん、切っといてー!!」なんて笑いながら言われて戸惑ったりもした。

その方がいつも口癖のようにこんなことをおっしゃっていたんです。

「老眼で見えへんねん!!」って。


スキルは間違いなく経験に比例して向上していく。
私も年々、上手くなっていることを自覚している。
あれ?これ苦手やったのに、めっちゃ簡単にできるようになってるやん。
なーんだ、こんなにシンプルなことやったんやな、難しく考え過ぎてたわーって。
これ、一年に一回くらい感じるんですよね。
このままいけば、果てしなく上手くなるやん!!って。

でも、経験を積むということは同時に年齢を重ねるということだ。
身体の変化は否応なしに必ず起こる。

老眼で近くが見えづらくなる。
カラダが痛い。
疲れが取れない。
反応が鈍る。

それでいてサロンワークを今と同じようにやっていくには無理が出てくるかもしれない。

その時、支えてくれるのは共に働く仲間なのかもしれない。
ただ、経験を積んでいくと、大体の人間がアシスタントをまるでモノのように扱ったり、横柄になったり、頑固になったりする。

上記した大先輩には一切、そう言ったことがなかった。
いつも笑顔で、周りを笑顔でいっぱいに満たしておられた。
きっとそれはただただ長くこの仕事を続けてきて経験を積んできたってだけでは成らないことですよね。

腕は経験に比例してますが、人間性は反比例させていつまでも謙虚でいることが大切なのだろう。これってすごく負荷をかけないとできませんよ。

生涯現場で働くためには、スキルだけではいけないんだ。
いつまでも身体も心も健康な状態で仕事ができるように心がけることが必要なのだと思う。謙虚な人間性という精神的に健康な状態は、健康な肉体にしか宿らない。

そういえば、大先輩スタイリストさんは19時を過ぎるとヘトヘトになっておられた。一日中立ちっぱなしで、昼食もロクに取れないほどだったから疲れんでしょう。

だけど、ノンストップで働くその格好いい背中は私の瞼の裏側に焼き付いている。


生涯現役って、簡単なもんじゃない。




今日はここまでにします。


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最後まで読んでくださり、ありがとうございます!本業(美容師)でちゃんと稼いでますが、サポートいただければ、そりゃもう、すっごい励みになります

フォースと共に在らんことを
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2018.8〜大阪の心斎橋でmixer(ミクサー)という美容室を経営しています✂︎趣味は読書で、ネコ派です。(ワンコも好き)ここでは、主に「こんな想いで美容師してますよ」や、たまに「こうやったら髪の毛キレイになりますよ」といったことを書きます。たまにモデル撮影の写真を投下します。

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