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JICAとNPOの違いは?会社とNPOの違いは?【質問にお答えします!】

先日、宮城県の高校生からTwitterのDMで質問をいただきました。

なんでも課題研究で途上国の支援の仕組みを調べているとのことで(私の高校生活とは大違いです…)、ぜひともお役に立てたらと思います。

全ての質問に答えられるわけではないですが、これを機に質問を受け付けたいと思いますので、国際協力や私たちe-Educationの活動に興味関心のある皆さん、ぜひ質問お待ちしております!

さて、それではメッセージでもらった3つの質問に、1つ1つ回答していきます。

【質問1】ODAやJICAなどの公的機関でなく、NPO法人として支援を行うことのメリット・デメリットは?

NPO法人として支援することのメリットは、なんといっても自分たちのペースで、自分たちの解決したい課題を解決できることです。JICAや他国際機関の場合、途上国の政府関係者としっかり議論して、どの課題を優先的に解決するか皆の合意の元で事業を進めるので、自分の希望が必ずしも通るわけではありません。

でも、JICAや国際機関しかできないこともあります。それは国の法律や政策を変えてしまうような大きな仕事を作れることであり、私も以前JICAで働いてた時に事業の大きさに驚き、これが「国を作る仕事」なのかと実感しました。

素早く草の根の活動ができるNPO、時間はかかるけど国を変える仕事ができるJICA。どちらにもメリット・デメリットがあり、お互いが手を取り合って途上国の支援を進めていくのがベストだと私は考えます。

【質問2】NPO法人として支援をすること、現地で会社を起こして支援することに違いはあるのか?

どんな課題を解決したいか、で役割は変わってきます。

例えば、大学受験に合格したい高校生をサポートしたい場合、生徒がお金を支払うことができるようであれば、現地で会社を起こしてサポートするのも一つの手でしょう。実際、私たちが活動しているバングラデシュの首都ダッカには100を超える予備校があり、十分なビジネスチャンスもあります。

でも、予備校のない貧しい村の高校生を応援したい場合、そう上手くはいきません。予備校に通うお金がない家もたくさんあり、そういった村の高校生をサポートしたいのであれば、寄付によって無償で教育を届けるNPOで支援する方法があり、私たちもこのような理由でNPOとして活動を始めました。

また、学校の先生をサポートしたい、という場合にもNPOにはメリットがあります。例えば、今通っている学校に突然外国の企業の人が「あなたの学校サポートします」といってきても、信頼できるでしょうか?...難しいですよね。一方で、「これまで10カ国で教育支援の活動をしてきたNPOです。私たちがお役に立てることはありますか?」とNPOの人がやってきたら、少し話をしてみようという気持ちになるのではないでしょうか。

私たちe-EducationNPOだからこそ、生徒だけでなく学校の先生や教育省の人たちをサポートすることができており、これは会社にはできないことだと思います。

【質問3】活動(資金)調達はどのようにされているのか?

私たちの活動は《寄付》《事業収益》の2つによって成り立っています。

《寄付》はイメージしやすいでしょう。「子どもたちに継続的な支援を!」という想いを持って私たちの活動を毎月1000円〜の寄付で応援してくれている人が数百人います。また、「現地に会社のあるフィリピンの子どもたちをサポートしたい」という企業の方から寄付いただくこともあり、たくさんの人たちに応援してもらって私たちは挑戦することができます。

また、《事業収益》も私たちの活動財源の大きな柱です。具体的には、「途上国の教育課題をビジネスの力で解決したい」という企業の人たちへアドバイスをする、いわゆるコンサルテーションをすることで、その報酬をいただいています。

よく誤解されるのですが、NPOは「お金儲けをしてはいけない」わけではなく、会社と同じようにビジネスをすることもできます。会社との違いは「儲かったお金を、課題解決のためにしっかり使うこと」であり、株式会社のように「利益を株主へ分配する」ことはありません。

だから、NPOの職員も、普通に給料をもらうことができますし、お休みだってしっかりあります。「途上国の人のために、たくさんの犠牲をはらって活動するボランティア」のようなイメージがあるかもしれませんが、そうではなく、「解決するべき課題(私たちで言えば途上国の教育課題)を解決する専門家」として働いており、「ビジネスを作る専門家」である企業の人たちと、大きな違いはないと思っています。

最後に

いかがでしたでしょうか?

これからも高校生や大学生の皆さんをはじめ、国際協力や私たちe-Educationの活動に興味・関心のある方の質問へぜひお答えしていけたらと思っています。

実験的に、Peingという匿名質問箱サービスでも質問を募集しますので、聞いてみたいことがあれば、ぜひご質問ください(TwitterやFacebookでメッセージいただいても大丈夫です)。

良かったらぜひご質問を!

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