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これからの国際協力とは?→途上国が先進国を支援する逆転現象はきっと起こる。

昨日の続きです。

『これからの国際協力とは?→今とあまり変わらないかもしれません。』という記事を書きましたが、もう一つ別の可能性を信じています。

《途上国の若者たちが、先進国の課題を解決していく》

昨日の記事と矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、私の中では一つの世界地図上の未来予想図であり、今日はそのことについてお話しできたらと思います。

イノベーションは辺境・弱者・素人から生まれる

これは人間の歴史に基づく仮説です。

屈強な肉体を持っていたネアンデルタール人が滅んで、貧弱だったホモ・サピエンスが狩猟具を開発して生き残った原始時代。資源に恵まれず近隣国への脅威を感じていたポルトガルが海に飛び出したことによって世界が繋がり始めた大航海時代。歴史を変えた大きな出来事は、世界の果てから、弱い者たちの手によって生まれたのです。

これは人に限った話ではありません。法人でも同じことが言えます。マイクロソフトも、Facebookも、アメリカの学生が立ち上げた会社です。ビジネスについて全く素人だった若者たちが世界を、私たちの日常を変えたことは、決して偶然ではないでしょう。

「辺境・弱者・素人」

この3つに共通するのは「変化を恐れないこと」です。もっと言えば、変化しなければ生き残れない、そんな過酷な環境にいるからこそ、今までになかった新しい発想や技術、イノベーションが生まれると私は信じています。

そして、これは国際協力の現場でも起こりつつあります。

インドで3000円の義足を開発したNGOJaipur foot。ルワンダの医療現場で活躍しているドローンベンチャーZipline。こういったイノベーティブな事業が世界の辺境で生まれつつあるのは、そこに緊急度の高い課題があり、変化を恐れない人たちがいるからです。

繰り返しますが、決して偶然ではなく、歴史にもとづいた分かりやすい未来予想図の一つです。

双方向ではなく、逆方向の国際協力へ

そしてもう一つ。

国際協力の現場では「双方向」という言葉がよく囁かれますが、やはり出発点は今だに先進国側であり、先進国からの「技術移転」という考えは、今も国際協力の中心にある考えです。

でも、いつまで「技術移転」は必要なのでしょうか?

インターネットで誰でも無限に近い情報にアクセスできるようになった現代において、途上国の若者たちが先進国の若者たちを超える時代はやってくる、いや、もう来ているのではないでしょうか?

こちらは『ファクトフルネス』の翻訳者・上杉さんが以前ツイートされていたTOEFLのアジア国別平均点ですが、日本のスコアが低いことよりも、パキスタンやバングラデシュといった途上国の名前が上位に並ぶことに驚いたのは、きっと私だけではないでしょう。

確かに受験人数は日本と比べて少ないかもしれません。でも、大事なことは、受験者の大半が日本の平均を大幅に上回っていることであり、このデータを見ても途上国の若者たちが秘める可能性はお分かりいただけるでしょう。

そして時代の流れも追い風となっています。高齢化が進み、労働者人口が相対的に減っていく日本に対して、こういったアジア近隣国は人口増加に労働環境が追いついておらず、互いの課題を解決し合う未来はもう夢物語ではありません。

ただ、私たち先進国側がいつまでも上からの「技術移転」という視点を持っていては、途上国の若者たちの可能性を引き出しきれない危険性もあります。「双方向」ではなく「逆方向」の国際協力を、私たちが出発点ではなく途上国の若者たちが主人公となる国際協力の物語を作っていくことが、これからの国際協力において大きな意味があると強く思っています。

最後に

こちらの記事を書いたのは2年前。あの時はぼんやりとした未来予想でしたが、当時描いた未来は現実になりつつあります。

《途上国の若者たちが、先進国の課題を解決していく》

この流れはきっと来ます。ただ、もし私たちが「技術移転」を中心とした国際協力に縛られていたら、来るべき未来が遠のいてしまうかもしれません。

このことを忘れずに、これからも新しい国際協力の可能性を探していきたいと思います。

よかったら、ぜひご一緒に。





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