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夏の雑記

「暑い」しか無い。「芋の水割りください」と「ハツ、カシラを塩で二本ずつ」のみ、週末発した言葉を覚えています。それ以外、頭の中にはずっと「暑い」がへばり付いていて、それこそ汗で身体に引っ付くTシャツの一枚みたいで気持ち悪かった。 今もそう。朝も昼も夜も全部「暑い」の思想に依って生きてる。

夏になったんです。誰がなんと言おうが、もう夏だ。「最高気温 32℃」の表示に恐れおののき、クーラーの無い部屋で一人ただ汗が流れるのを認知し生を実感するなどして過ごした。生を実感。嘘。そんなことは無い。むしろ生とは程遠いところで、灼熱地獄の偶像がゴリゴリとカービングされ、煎餅布団に押し押され汗だく。困った。

雑多に丸めて捨てられた着用後の汗臭いTシャツが目障りで、それでも、洗濯機を回すことにはれっきと辟易するので生きづらいなぁ。同じTシャツを何日も連続して着ていたら、身体から犬のような匂いがしました。綺麗に身を整られた犬の方がよっぽど良い暮らしをしているんじゃなかろうか。勝ち誇る視線が怖い。散歩の犬は嫌いだ。犬。鳩も怖いから嫌い。

途轍も無い暑さが思考を強制ストップするので、いよいよ苦しくなり、どこだかで4,000円程出して買った雪駄を履き外へぬるっと飛び出しました。どうも「夏の匂い」というのがわからん。セミも鳴かない。汗臭い空気じゃ風流な心も湧かず。季節の匂いに敏感な人間はすごいな。『春の匂いがする』と言うのがしつこくうるさかった友達とは最近疎遠で、きっと見限られちゃったんでしょうね。春も夏も秋も冬も、全部匂いじゃ何も知られない。スカートずるずる長い新入生、緑の茂る公園に捨てられたちっさいTシャツとグローブ、焼き芋を移動販売する車の掠れた売り文句、自販機に掲げられる「あったか〜い」の文字列。鼻一つで季節を感知するほどオモムキ豊かな人格は作られませんでした。

なんも考えてませんです。「暑い」しか。スーパー、行ったは良いがなんも買わずただ涼んでまた地獄。地獄天国地獄、地獄地獄地獄。なんすか。「体温、20℃ぐらいで生きられねえかなぁ」と冷蔵ラックのサバ切り身を思い出し、また古臭い汗の匂い漂う部屋へ。今年もまた新たな地獄が到来しました。芋の水割り、氷多めでがぶっと飲みたい。

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頂いたお金で、酒と本を買いに行きます。ありがとうございます。

ありがとうございます。頑張って書いた甲斐がありました。
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