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MIURA流 登山塾「ippo」

ミウラ・ドルフィンズでは鹿屋体育大学の山本正嘉教授をはじめ三浦雄一郎・豪太親子とともに、より快適に、より安全な登山を行うためのデータを測定し、登山者のための実践的なトレーニング方… もっと読む
毎週月・水・金曜日の12時に更新!このippoマガジンでは、科学的な根拠のあるMIURA流のトレー… もっと詳しく
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MIURA塾「ippo」が新しくなります

約1年続けてまいりました本定期購読マガジンは、今月末の3月31日をもちまして廃止させていただくこととなりました。note版 MIURA塾「ippo」をご購読いただきまして、誠にありがとうございました。 なお、2021年4月からはより多くの皆様に情報をお伝えできるような内容で、以下のページにてスタートさせていただきます。今後とも、MIURA流 outdoor塾「ippo」をよろしくお願い致します。 ※今までご購入いただいた皆様には、本マガジン内の記事は引き続きご覧いただけま

Let's バーナークッキング

皆さんはガスバーナーを使って料理をしたことはありますか?きっとご自宅などで、カセットコンロを使用して鍋などの料理をした経験はあるかと思います。では山でお湯を沸かしたり、料理を作ったことってありますか?先日、「Let's バーナークッキング」という講習を行いました。 バーナーやガスの種類の説明、使い方、片付け方、そして実際に料理をしてみて食べてみる、という内容です。山では材料(鍋や皿、水や食材など全て)が限られています。そのため、手順などいろいろ工夫することが求められます。

登山中に消費するエネルギー

1.登山中は上手なエネルギー補給が大事登山中にエネルギー不足になると、行動が続けられなくなったり、低体温症などの危険性も高まります。そのような状況にならないためにも、エネルギー補給を上手に行うことが必要です。「上手に行う」ということは、①計画している登山ルートで消費するエネルギーを予め知っておくこと(以下2)、そして②それに見合うだけの食事計画を立てること(次回公開予定)、です。 2.登山で使われるエネルギー量を知る登山を計画する際に、そのコースを歩いた際に消費するエネルギ

登高テスト〜みろく山の会の10年間の実践〜

登山での最適なペースを知るための「登高テスト」の方法を以下のnoteでお伝えいたしました。 今回は、「登高テスト」を独自の経験から作り上げ、その結果から参加者の体力度をレベル分けし、実際の山行が無理なく安全に行えるような取り組みをされている「みろく山の会」の紹介をさせていただきます。(原文は以下をご覧ください) みろく山の会 1983年に40歳以上の中高年を対象とした山の会として創立。当時は会員数150名、1999年にはNPO法人格を取得、2019年11月には760名の会

海外の高所登山・トレッキングってどんな人が行ってるのだろう?

例年であれば、この夏の時期はモンブラン・マッターホルンなどのヨーロッパアルプスやキリマンジャロに出発される方が多い時期でした。今年、計画されていた方々も多かったと思います。「海外登山」と聞くとハードルが少し高く感じますよね?!しかし、海外登山・トレッキングに行った方は虜になってしまう方も多いです。日本では味わうことのできない文化の違いや自然の景色など、海外ならではのものがたくさんあります。 では、海外の登山・トレッキングの人気コースやそこに行かれる方の年齢ってご存知でしょう

体の左右差を改めて実感した

私は右利きなので、必然的に右手の筋力(握力など)が強いです。左右の力の差については、きっと誰もが感じることだと思います。しかし、運動をする上で、その左右差をできるだけ無くした方がいい場面はあります。例えば、右投げ、右打ち、右足踏切り、右こぎなど、片方の動き特化したスポーツを行う場合は、左右差が必然的に出てくることもありますが、左右対称の動きをする運動の場合は左右差が小さい方が高いパフォーマンスを発揮できます。 先日、クライミング中に、また自分自身の左側の筋力の弱さを実感しま

低山ハイクと熱中症対策

先日、東京都の気温が36度だった日に、神奈川県の三浦アルプスの縦走に行きました。ほとんどが樹に覆われた日影で、海からの風もほどよくありましたが、標高約200m以下の低山ハイクはとても暑いものでした。 登山は長時間の運動で、特に登りでは体は大きな熱を作ってしまいます。そのためその熱を冷やさなければ体温が上昇し続け、運動を継続できなくなるだけではなく、命の危険性にも繋がります。 熱中症「高温下で、体液の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温が上昇したりして起こる様々な異常の総称

三浦敬三のトレーニングルーティーン②

今回は三浦敬三のトレーニング方法の続きをお伝えします。前回の④以降の部分です。 ④体操 ☆目的:本格的なトレーニングの前に体を温め、怪我を防ぐ ・万歳20回 思いっきり伸びをしてストンと両手を落とす ・体側20回 右に倒すのを20回、左に倒すのを20回行う ・円盤投げ20回 両腕を左右に振り、体幹をひねる。左右で1回として20回行う。 ・前屈20回 床に向かって20回前屈する ※どの運動も始めは弱い力で行うこと ⑤スクワット ☆目的:健脚を保つ ・足は肩幅より広く ・背筋

三浦敬三のトレーニングルーティーン

自分なりのレシピを持っていた三浦敬三は、トレーニングに関しても自分なりを持っていました。それは毎朝決められた内容を行うことから始まります。101歳になっても元気でスキーを続けるためには、毎日トレーニングを行なっていたとのことです。そしてトレーニング方法も食事と同じように、自分で考え、自分で試していく中で自分に合った形を見つけていきました。 敬三流 健康トレーニング3箇条 1. 「鍛えてからが本当の体力」と知る 2. トレーニングはできるだけ毎日する 3. 「脈拍チェック」を

沢登り〜奥多摩坊主谷〜

奥多摩坊主谷に沢登りに行ってきました!少し前の天気予報だと晴れだったのに、徐々に悪い方向に変わり、当日は朝から雨。沢の予定決行の判断は難しいです。一般道での登山だったら行くかもしれない、外岩でのクライミングだったら中止にするかもしれない、そんな天気の状態の時、沢登りだとどうするか。 当日の雨の降り方だけではなく、前日までの雨の様子、沢の水の濁り方などの天気全般、エスケープしやすいのか、地面の状態はどうなのか、という沢自体の地形。あらゆる事柄を考慮してリスクを減らすことが求め

三浦敬三のスペシャルレシピ

三浦敬三は、少量ながらも栄養価の高い食べ物を数種類食べるように心がけていました。それでも、さらに足りない栄養価を補給するための方法が「特製ドリンク」でした。飲料の飲み方にも工夫がたくさんありました。今回はそれらの方法を紹介します。 お茶は「葉っぱごと」飲む 食事の後などに飲む緑茶ですが、これは葉っぱごとミキサーで粉末にしてお湯に溶かして飲んでいました。葉が大きいまま残ってしまうと飲みにくいため、2回ほどミキサーにかけていたとのことです。こうやって、お茶の葉に含まれている良い

三浦敬三の時短レシピ

三浦敬三は、102歳目前まで自分自身で食事のメニューを考えて作り続ける生活をしていました。スキーを続けるためにトレーニングも行なっていたことから、食事は栄養価が高く、なおかつ短時間で作れる工夫をしていました。そのために愛用していたのが「圧力鍋」です。玄米+胚芽米の主食も圧力鍋で炊いていましたが、おかずにも圧力鍋が大活躍でした。 圧力鍋を使った三浦敬三の食事 カルシウムの摂取が重要だと考えていた三浦敬三は、効率よくカルシウムを摂取できる食事として、「アラや鮭の煮付け」「鳥の砂

登山の歩き方

ウォーキングはエネルギーを使い、体力アップを目的とすることが多いですが、登山ではできる限りエネルギーを使わない省エネ歩行で歩くことが大事です。(※登山とウォーキングの違いは以下のnoteをご覧ください) では、実際に登山の歩き方はどのような歩き方がいいのでしょうか。今回は「登山の歩き方」をお伝えします。 1. 歩き方の基本 ウォーキングの場合はかかとから着地して、つま先で蹴って歩くことが理想だと言われることがあります。しかし、登山の場合はウォーキングと違い、足の裏全体で着

トレッキングポールの秘密

登山者の不安材料の一つ“膝痛”(>_<) 今回は、トレッキングポール(ストック)の使用による、脚への負担軽減効果について紹介します。 1. トレッキングポールの効果下の図は、トレッキングポールを使用した実験結果です。これによると、上手く体重移動を行いながら段差30cmの階段を下る際、ポールを使うと、脚にかかる衝撃力は約半分になるということです。それは、段差を半分の15cmに変えたのと同じくらいの衝撃力になるのです。