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若手弁護士「ホンネ調査」Vol.3:準大手法律事務所からの移籍組が語る「移籍前の不安、女性弁護士の働き方、移籍して驚いたこと」(前編)

2019年創業の三浦法律事務所は2020年、新人弁護士採用を開始します。設立当初は3人しかいなかったアソシエイト弁護士も現在は9人まで増えました。当事務所に興味がある方や、ファーストキャリアの候補の1つとして当事務所を考えている方に少しでも事務所の雰囲気や若手弁護士としての働き方のイメージを持ってもらえるよう、アソシエイト弁護士にインタビューを敢行しました。それぞれが何を考え、何を求めて三浦法律事務所の門を叩いたのかを探ります。

第3回は、2019年10月に参画した小林智洋弁護士と2020年4月に参画した大滝晴香弁護士のインタビューです。所属弁護士数が約100~150名規模の準大手法律事務所から三浦法律事務所に移籍した二人が「参画前に抱えていた不安」や「移籍して驚いたこと」など、それぞれの“ホンネ”をお届けします。

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(左から)大滝 晴香(おおたき・はるか)PROFILE:2017年弁護士登録(70期)。16年早稲田大学大学院法務研究科修了。17~20年3月北浜法律事務所。20年4月から三浦法律事務所に参画

小林 智洋(こばやし・ともひろ)PROFILE:2017年弁護士登録(70期)。14年早稲田大学法学部卒業。17~19年9月渥美坂井法律事務所・外国法共同事業。19年10月に三浦法律事務所参画 

――大滝弁護士も小林弁護士も、約100~150名規模の準大手法律事務所出身ですよね。そこから三浦法律事務所に移籍した理由は?

小林 智洋弁護士(以下、小林):去年、転職を考えていたころに三浦法律事務所設立のニュースを耳にしました。設立したばかりでこれからどうなるか分からないという不安がなかったわけでもないですが、不安よりも設立間もない事務所に参加することで貴重な経験ができるのではないかという思いが強かったので移籍を決めました。

大滝 晴香弁護士(以下、大滝):私は、実は三浦法律事務所の存在を知らなくて転職エージェントに教えてもらいました。設立したばかりではあるけれど、約1年で40人以上の弁護士が所属しているということに驚きましたし、楽しそうな事務所だなと感じました。

――不安はなかったですか?

大滝:正直なところ、結構不安でした。

――「気になるけど内情はどうなんだろう」と思っている方は多いと思いますし、情報が少なすぎて参画にあたり不安に思う気持ちもわかります。決断の決め手は?

大滝:大手法律事務所からもお誘いいただいていたので、実はどちらに移籍するかかなり迷いました。両事務所のお話を聞いて、案件の規模や内容にそこまでの差はないと感じましたが、違いがあるとすれば事務所の創業年数や、所属弁護士の人数。それ以上に大手法律事務所と大きく異なるのが現状の安定性だと思い、かなり迷いました。でも、設立されたばかりだからこそ、自分のやりたい案件を幅広くやらせてもらえると期待して、この事務所に移籍することを決めました。

――実際入ってみてどうですか?不安だった点は解消されましたか?

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大滝:入所して4カ月程ですが、独禁案件、知財案件、M&A、不正調査、ベンチャー支援などなど、やりたい案件に関与させてもらっています。この短期間でこんなにやらせてもらえるのか!というくらい、さまざまな経験を積めているので転職して良かったなと思います。

――小林弁護士は入る前のイメージ通りでしたか?

小林:はい。三浦弁護士と面談した際の「楽しく働く」という言葉に刺激を受けてこの事務所を選びましたが、入所後もイメージ通りでした。三浦法律事務所の弁護士は全員が「楽しく働くこと」を大切にしており、「やりたいことは自信をもって手を挙げていいんだよ」という空気感を感じます。

――両名が在籍していたような、いわゆる「準大手法律事務所」と三浦法律事務所の違いはどこにあると考えますか?

小林:弁護士の人数が100人を超えるような法律事務所は、あらゆる面でシステムが完成しているので効率的にノウハウを得られるのが良いところです。その点については、三浦法律事務所はまだまだこれからだと思います。例えば、雛形一つとっても蓄積数が足りないので、アソシエイトは自分で雛形を一から作るくらいの気持ちで主体的に動いて、学んでいく姿勢が必要だと感じます。

大滝:アソシエイトも事務所の運営に関わっているという実感を持てることが大きな違いだと感じました。一定規模以上の法律事務所に所属する弁護士の場合、パートナーになってはじめて事務所をどうしていくべきかについてきちんと意識し始めると思いますが、三浦法律事務所では、アソシエイトのうちから「自分たちはどういう事務所にしたいのか」というのを常に考えさせられます。パートナーはアソシエイトの意見にきちんと耳を傾けてくれるので、こうした点は、前職に限らず他のどの法律事務所とも違うのかなと思います。

――三浦法律事務所では、月に1回、事務所の全弁護士が参加する“FFM(Friday Firm Meeting)”という会議が開かれて、そこで事務所運営に関して幅広く議論されていますよね。パートナーだけの会議はよく聞きますが、カウンセルもアソシエイトも外国法弁護士も参加する全体会議が定期的に開催される例はあまりないかもしれませんね。しかもこの規模の事務所で。議題によってはスタッフが参加して発言することもありますし。

大滝:ほとんどないでしょうね。気付くと事務所の方針が変わっていて、変わったことは噂で知る、とかどの事務所でもよくあることだと思います(笑)。

――事務所運営に関わっていきたいという気持ちはありますか?

大滝:「強く関わっていきたい」という気持ちが前からあったわけではないですが、実際に関わってみて、すごく楽しいなと思いました。

小林:財務情報がFFMで開示される点にはかなり驚きました(笑)。

大滝:「知っていいんだ!」って(笑)。でも、それはアソシエイトの不安を払拭するためでもあるのかなと思いますし、業績が好調だという説明を聞くと事務所の一員としてとてもうれしいですし、また頑張ろうって思えます。

――これは全員に聞いていますが、「三浦法律事務所のいいとこ・わるいとこ」は?

大滝:良いところは、案件の最初から最後まで全て関わることができるところですね。クライアントから案件をご依頼いただくと、クライアントとの最初の打合せがあって、その打合せが終わったあとに具体的な進め方についてパートナーとミーティングをします。案件の進め方や方針そのものを先輩であるパートナーと協議しながら決めていける点は、本当に勉強になります。これを経ることで、アソシエイトとして大きな成長につながるのだと感じます。

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小林:若手でも裁量が広いというのは、うちの事務所の良いところですよね。大手の法律事務所だと規模の大きな案件には若手アソシエイトとパートナーの間に中堅のシニアアソシエイトが入ることが多いと思いますが、うちは直接パートナーから学ぶことができます。

――それは若手にとって良い修行の場になっていると捉えますか?それともシニアアソシエイトがいないとやりづらいと思っていますか?

大滝:感じ方は人それぞれだと思います。私はパートナーから直接学ぶことができる今の環境は良いと思っています。

小林:私もうちの事務所の良いところだと考えています。ただ、「こんなことまで聞いていいのかな」とパートナーの繁忙状況を気にしながら質問するときもあるのは事実です。三浦法律事務所の弁護士は、質問しやすい方ばかりですが、職位が同じで“ちょっと上の兄貴”くらいの感覚で気軽に質問できるシニアアソシエイトがいてくれたらうれしいなと思うこともあります。これから入ってくる74期以降の弁護士については、われわれがいるのでパートナーに聞くのをためらうようなことも聞いてほしいと思います(笑)。

大滝:たしかに、私たちは聞きやすい先輩にならないといけないですね(笑)。

PHOTO : SHUHEI SHINE

(後編につづく)


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