《聖魔の大賢者エンディミオン》でできるようになったこと

お久しぶりです。僕です。
【未界域】使用時からの付き合いの方はイメージがないかもしれませんが、元々【エンディミオン】というペンデュラムテーマを好んで使っていた時期があり、今期はそれを再度使用しています。
しかし【竜輝巧】の強化・流行に伴いサイドデッキに《ドロール&ロックバード》の採用が目立つようになり、本格的に使う理由がなくなってしまいました。

そんな逆風の中でも1/23・24の朝霞CSで比較的良い戦績を残すことができたので、自身の構築に色を付けているカードを紹介します。

件のカードはこちら。ジェネシス・インパクターズに収録された新規カードです。
エンディミオンネームを持つので《魔力統轄》でサーチできますが、序盤の統轄でサーチする機会はほぼなく運用は素引き前提。
はじめに言ってしまうと、驚くようなカードパワーはありません。既存の構築(何しろ固定枠の多いデッキでほぼ構築が動かない)が十分完成されたものだと感じますが、その上で既存カードにはない固有の強みもあると判断し、採用に至りました。
※エクストラに入るカードも含めて全てマギストスモンスターであるため、これ以降本文中では《聖魔の大賢者エンディミオン》のことを『マギストス』と記すことにします。


①の効果について

エクストラからマギストスモンスターを装備します。最初にテキストを見た時には、装備先のカードプールの把握を怠ったために価値を見出せませんでした。

選択肢①《聖魔の乙女アルテミス》
勝手にアレイスターの愛人と呼んでます。怒られそう。

装備状態の時マギストスモンスターをサーチします。この効果で2枚目のマギストスを手札に加えられます。

選択肢②《結晶の女神ニンアルル》
なんでもかんでもマギストスってルビ振ればいいと思ってんじゃねえぞコラァ

相手の魔法罠を破壊する効果です。マギストスもニンアルルも起動効果のため、まともに通ることは少ないですが相手に何かしらのアクションを強いることができます。
また、本記事を公開した後に気が付いたのですがニンアルルの②の効果。《鉄獣の邂逅》により破壊耐性の付いた《烈風の結界像》を突破できますね。え、結界像に回答5枚もあっていいんですか?

選択肢③《結晶の魔女サンドリヨン》
こちらはライトニング・オーバードライブで登場。
最初シークレットにしようと思っていましたが、前述2種との統一感重視でスーパーを使ってます。

相手のモンスターの効果を無効にします。ついにメインギミック内に《超雷龍―サンダー・ドラゴン》に対抗できるカードが出ました。大抵超雷の横には雷神なり天球なりがいるので回答になっているかは正直怪しいところ。
ニンアルルと色合いがよく似ていて、ニューロン上での見分けが付きづらいのだけ、どうにかならんのかと思ってます。

②の効果について

表側表示の魔法カードを「割って」、「マリガン」できる効果です。そのどちらもがこのデッキには大事。一つずついきましょう。

魔法カードを割れることの効能
エンディミオンユーザーの方が「見慣れないカードのことが書いてある、読んでみよう」となってくれている。ありがとうございます。
そうではない方が読んでくださっている。こんなマイナーデッキに興味を持っていただきありがとうございます。そしてお時間をいただいたお返しができればと思います。使用者側がやられて嫌なことをお話します

①マスターケルベロスを割れる

このデッキの弁慶の泣き所はずばり《魔導獣 マスターケルベロス》のスケール効果への《灰流うらら》。
ここに当たるのがきつい背景はエンディミオンのスケール効果の発動条件にあります。

ペンデュラムスケールの発動も含めて魔力カウンターを稼ぎたいですが、うららを受けたマスターケルベロスが邪魔になりそれができません。Pモンスター以外の魔法も多く積まれているのでそれを駆使して貯め切ることはできますが、やはりハードルは高いです。
マスターケルベロスにうららを当てて尚貫通して盤面を作られたら、それはエンディミオン側の手札が強かったという結果論。諦めて良いと思います。

話を戻します。
マギストスでスケールを割ることは展開を阻害する邪魔なスケールを退かしていることにもなり、これが魔法カードを割れる一番の利点だと感じています。

②エンディミオンスケールのカウンターを貯められる

エンディミオンスケールに魔力を3つ貯めるためには最低で「スケール×1、普通の魔法×2」の発動が必要です(統轄の例外あり)。
この「普通の魔法2枚」のハードルが意外と高いことが多いのですが、「隣に置いたスケールを割る」→「もう1枚スケールを発動」とすることで魔力をスケール発動だけで2個稼げており、加えてドローが伴っているとくれば少なくとも弱くは感じないと思います。

③チキンレースを残さず処理できる

場には残したくないカードですね。破壊対象の候補としては当然上位。

これは効能という言葉とは違うので番号を振りませんが、特に割るカードがない時も大丈夫。最低限①の効果で装備したアルテミスを割ればよし。
細かい話ですが、アルテミスを装備したマギストスを残したまま《神聖魔皇后セレーネ》まで漕ぎ着けることができれば、アルテミスが装備魔法扱いのため乗るカウンターが1つ増えます



戻すカードの候補
もちろんただ引くことができればそれが一番ですが、贅沢は言うまい。戻せることにも意味はあります。

①マギストス

①の効果を説明する際に既に言及しましたが、マギストスをプレイすれば必然的に2枚目のマギストスが手札に加わります。
それをそのまま戻すだけで「盤面にはモンスターが1体追加され、手札には枚数を減らすことなく新しいカードが加わった」という状況を作ることができます。

②ターン1制限のあるカード

また、このデッキを使っていて一番嫌な事象が《魔力統轄》の被りです。破りたくなる。
似たカードに《強欲で貪欲な壺》もありますが、あちらは手札を差し引きで1枚増やせているので結果的にプラマイゼロと考えることも出来ます。成金打ったらデッキが10枚飛んでいった、みたいな発想。
パワーカードである分重複のリスクが怖いですが、それを多少軽減してくれているということ。

③《アストログラフ・マジシャン》のサーチ先

こんなのは狙ってやるものではありませんが、引き切った《魔導獣 キングジャッカル》を戻して後にアストロで回収、なんてことがあったにはありました。

④場魔法

場魔法を戻すことで打てなくなった《盆回し》を打てるようにしたり、盆回しの制約のせいで新しく置けない場魔法を戻したり。

オマケ:深淵立ちます

マギストスより優先して戻したいカードがあった場合、2体目はペンデュラム召喚に混ぜ込むかセレーネ効果で吐き出すかすると打点2200の深淵になります。元々妨害を厚く構えられるので深淵がなくても勝てる、や、負けパターンの一滴の回答になっていない等、問題点は多々ありますがGの止まりどころとして優秀だったりします。



その他に考えていたこと

①《希望の魔術師》の採用

かなりの下振れ想定ですが、場が「ペンデュラムモンスター1体とマギストス2体」となった時、エクストラに希望の魔術師があるとマギストス2体をペンデュラムモンスターに変えて《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》に繋げられます。
微妙に使う機会が来そうな効果をしていますが、基本的には上記の使い方想定で候補には挙がりました。


②《閉ザサレシ世界ノ冥神》の採用

《I:Pマスカレーナ》が立ったが手札がないために《トロイメア・ユニコーン》が機能しないというシーン。マギストスを採用した場合に限られる事象ではありませんが、不要牌をデッキに戻せる=無駄なく手札を使い切れるようになった分、直面しやすくなったと感じました。
マスカレーナが物理的な除去能力を持たないのは勿体ないので選択肢に。

③《バハムートシャーク》《餅カエル》の採用
韓国の方からアイデアをいただきました。
バハシャ餅してバハシャはマスカレーナの素材に。餅カエルの墓地回収からはマギストスが手札に返ってくるためユニコーンのコストも確保。枠の問題さえクリアされれば理にかなってるのかもしれません。

④《エンプレス・オブ・エンディミオン》の最大枚数投入
マギストスをペンデュラムできる2スケール、強貪で全部飛ぶことがやたら多い、後手からペンデュラムした際の強さ等、理由はたくさんあります。
デッキ枚数自体の肥大化、元々下スケール過多の比率であること、モンスター比率を上げたくない、といった「不採用の理由」と常に天秤にかけるべき枠。

マギストスに関する所感、締め

ここまでありがとうございました。《聖魔の大賢者エンディミオン》の使い方、一旦以上になります。欲を言えば魔力カウンターを乗せる効果を内包していて欲しかった。《魔導研究所》でサーチしたかった…。どうして…

【エンディミオン】は召喚権を浮かせやすいデッキです。バテルでドローしにいったり、サイドに十二獣、エクストラにアーゼウスまでを仕込んで返し札にしたり、センスの光る部分だと思います。
色々使い方を考えてみると楽しいですし、良いのがあったら教えてほしいとも思います。

試す前に死んだ。


【エンディミオン】を使うメリット

少し視点を変え、現環境で敢えてこのデッキを使うメリットがあるとするならそれはなんなのか。考えてみたいと思います。

①VFDに回答を持っている
【電脳堺】全盛期を通り過ぎ、ちょい下火くらいになってきたでしょうか。それでもまあ、VFDは強し。

《創聖魔導王 エンディミオン》のスケール効果が、実はVFDの縛りをすり抜けて盤面解決を可能にします。
非常に高いハードルですが、
1.朱雀を《魔導獣 ガルーダ》で処理する、もしくは朱雀が置かれていない
2.創聖魔導王で盤面を返す
3.返しのターンを凌げるだけの蓋を構える
これらを遂行できれば逆転できます。僕も二度経験しました。
展開ミラーは盤面を成立させた方の勝ちになりやすいですが、それを覆せる可能性があるのは大きな利点と言えるのではないでしょうか。

②《無限泡影》の採用率低下
罠カードながら手札誘発のような性質のこのカード。【電脳堺】の盤面を増やす動きに打てず、新規の登場で【竜輝巧】に対しては打っても貫通される始末。環境に適しているとはいえず、採用率は以前と比べると地の底。
エレクトラムに当たる誘発をキングジャッカルや創聖魔導王でケアするのが強いパターンですが、泡影が環境で使われていると事前に出すべきカードが二択になってしまいエレクトラムが通りづらいのが難点でした。
現環境はキングジャッカルさえ立てておけばエレクトラムの通りが良い環境だと考えられ、サイドにドロールが多いことと合わせてやりやすさ、やりづらさはトントンくらいだと思っています。
また、セットから発動された場合それと同列の魔法罠の効果を無効にする効果がありますので、両端の列で打たれるだけでそのターン中片方のスケールの効果が封じられてしまうのも厄介な点でした(ペンデュラムゾーンって復活させてもいいと思いませんか?)。ここの余計なやり取りがなくなったのもGOOD。

③コンパクトなワンキル性能
誘発を入れることができない=後手が弱いと思われがちなデッキですが、展開系以外にはそうでもありません。
・マスターケルベロスの盤面処理&打点上昇
・創聖魔導王の盤面処理
・《エンプレス・オブ・エンディミオン》の盤面処理
メインデッキだけでもこれだけ強い要素があり、特殊召喚回数、体数共に少ないため《増殖するG》から《原始生命態ニビル》を引かれる前にゲームを決着させられます(ニビルを打てるようになる前に打点が足りることの方が多い気も)。
他のデッキが特殊召喚を繰り返した末にエクストラのカードを使ってようやく高打点を作っているのを見ると、このデッキを使っていて良かったと思います。

④サイドデッキのパワーカード

《電光ー雪花ー》に《天岩戸》、環境にいるデッキの中でこのデッキにしか扱えないピーキーなカードです(雪花ならギリギリ他のデッキでも…)。
マスターケルベロス1枚で2800の打点を作り、創聖魔導王で盤面を返す。魔法を媒体とした黄金パターンがあるからこそできる採択。
特に天岩戸は今をときめく【竜輝巧】の主妨害をまとめて殺すことができます。決まったら気持ちいいぞ〜。

④会心の一勝が存在する
神罠含む伏せ5、システムモンスター+誘発複数枚など、どのデッキを使っていても今のは仕方ない、みたいな負け方が存在しますね。ところがこのデッキのスケールの効果からモンスターを増やすという特殊な展開方法、手数の多さはそれらを捲る可能性を十二分に秘めています。
展開に至るための要求枚数、誘発が積めない欠点、致命的なメタカードの存在など常勝するにはスペックが足りないデッキです。
しかし困ったことにこの手の気持ちいい勝ち方が定期的に発生するのが、なかなかこのデッキを手放せない要因になっていることは間違いありません。

まとめ

使うメリットと銘打って羅列してみましたが、創聖魔導王が強い。ここに全部帰着します。

おめーが最強だ(まとめもへったくれもない)。

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