「天気から広がるコミュニティ」、ウェザーニュースのマーケティング戦略とは？

weathernewsの#マーケティングトレース

会社名：株式会社ウェザーニューズ
業界：天気についての情報を、顧客に最適化した形で提供。
理念・ビジョン：
「いざというとき人の役に立ちたい」
「船乗りの命を守りたい」
代表者名：草開　千仁さん
売上高・営業利益：179億5300万円・22億8000万円
1株あたり当期純利益：149.01円
従業員数：1,049人(2020年5月31日現在)
トレース目的：単なる天気予報と思いがちな情報に、どのような方法で価値を生み出しているかを学びたい。

マーケティングトレース参考URL

・株式会社ウェザーニュース
　https://jp.weathernews.com/
・ウェザーニュース(YouTube)
　https://www.youtube.com/user/weathernews/videos

ウェザーニュースとは？

「海・空・陸・環境・スポーツ・モバイル」のラインナップを、
以下の4つの流れでサービスを提供しています。
① お客様のリスク分析と対応策コンテンツの提案・開発
② 気象予測に取り組む観測データを収集
③ 独自AI気象予測システムで高精度の予報を作成
④ リスクコミュニケーションサービスを提供
私がウェザーニュースを知ったきっかけは、
キャスターと視聴者の方がオンラインチャットでコミュニケーションを取っている動画でした。

固いイメージのある天気情報番組ですが、天気をハブとしたコミュニケーションが楽しく参加している感のある天気番組です。

コロナウイルスによるウェザーニュースへの影響について

“旅客・貨物輸送を主要事業とする顧客の経営状況が悪化し、航海気象・航空気象の売上へのマイナス影響が発生しています。”とのことでした。

STP分析

まず、セグメンテーションとターゲティングの分析を行っていきます。

昔は天気を知る手段は新聞とテレビだけでしたが、
パソコンとスマホの普及でリアルタイムに把握することが出来るようになりました。
そして、異常気象による天災の頻発がウェザーニュースだけでなく、
天気予報へのニーズが高まる一因になっていると仮説を立てました。
セグメンテーションとターゲティングをもとにしたターゲットとして、
「スマホ×位置情報×コミュニティ」と設定しました。
その理由は、ゲリラ豪雨や強烈な台風など気候変動による災害が多発し、
正確な情報を知る必要が出てきたからです。
この画像を見て欲しいのですが、

身の回りの気温やドローンを活用した物流など
位置情報を基にした精度の高い情報を提供するサービスを多く展開していることが分かります。
ここまでの分析を基に作成した
ウェザーニュースのポジショニングマップは以下の通りです。

注目する点は、
Yahoo!天気・災害でウェザーニュースの情報を掲載していることです。
外部サービスだからと分けるのではなく、お互いの利点を補い合うポジション作りをしていると考えました。

マーケティングミックス4P分析

Product(商品)
・変えることの出来ない天気による影響を最小限する情報などを提供。
・ウェザーニュースLiVEをYouTubeでライブ配信
・スマホアプリとして、位置情報を基にリアルタイムな天気情報を提供。
・企業が事業をする上で必要な天気×人の行動(需要)をリンクさせた情報を提供
Price(価格)
・無料のお天気アプリ「ウェザーニュース」を有料にする=通常会員360円/月額
・企業向け事業用の天気情報の価格は不明。
Place(流通)
iOS&Androidアプリとしてネットで簡単にインストールできる。
Promotion(広告)
Yahoo!天気などでウェザーニュースからの情報を発信し、認知させる。

ウェザーニュースのマーケティング戦略とは？

一番の特徴は、コミュニティ性だと仮説を立てています。
ウェザーニュースLIVEに設定されているライブチャット機能によって、
視聴者の方からのコメントを受けてキャスターの方が番組を進行していきます。
コミュニティの必須条件でもある双方向性を、
YouTubeのライブ配信×チャットによって満たしていることがコミュニティ性の根拠です。

自分がCMOだったら？

・「地域イベント×ウェザーニュース」のポジションを作ります。
イベントの成功の陰には天気の影響は無視できません。
地域の情報発信の場としてウェザーニュースで地域イベントを取り上げることで、
「イベント開催地の天気を知るなら、ウェザーニュース」と認知させます。
そして、イベント開催地に住む有料会員の方の協力のもと、
地域とネット、天気とコミュニティを網羅したポジションにしていきます。
有料会員向けコンテンツとして、天候を踏まえたイベント情報を発信することで
飽きの来ない参加している感の出るコミュニティ作りを目指します。