映画ノート⑩ エンタメ系社会派映画『パラサイト 半地下の家族』
『パラサイト 半地下の家族』は、観る前は韓国の格差社会を真正面から告発した映画だと思っていましたが、少し違っていましたね。正攻法の告発調リアリズムではなく、コメディなどのエンタメ系手法をうまく使い分けることで韓国社会の絶望的な貧富の差を浮かび上がらせていくなかなか斬新な構造の映画でした。
主人公の家族全員が次々と調子よく金持ち家族に取り入っていく前半は痛快コメディ、豪邸の地下シェルターで鉢合わせした二組のパラサイト家族が貧民同士いがみ合う中盤ではサスペンス調が加味され、流血