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ビジネスパーソンのためのヘルスケア  睡眠&メンタルケア ver


テーマ
 
17 「睡眠1」
18 「睡眠2」
19 「睡眠3」
20 「睡眠4」
21 「四苦八苦」
22 「CBD」
23 「オゾン療法」
24 「ココロのセルフケア1」
25 「ココロのセルフケア2」
26 「健康寿命」
27 「瞑想」
28 「タイ式マッサージ」
29 「水素」
30 「AIとリハビリテーション」
31 「リハビリテーションの展望」
32 「2020年の展望」
33 「グリホサート」








テーマ17「睡眠」


 今回は、非常に大事なテーマである「睡眠」について、4回に渡ってお伝えしていきます。


 まず、睡眠はどのようなサイクルで行われているか復習します。
 睡眠は、覚醒→REM睡眠→ステージ1→ステージ2→ノンレム睡眠の5層に分類されます。
 この睡眠サイクルは、90分×4~6回繰り返すことが一般的です。
 REM(Rapid Eye Movement)睡眠は、目が素早く動くことから名付けられました。この層では、睡眠が浅く夢を見ることで知られています。時間は約15分間です。
 REM睡眠からステージ1、ステージ2と徐々に眠りが深くなっていきます。時間はそれぞれ約2~3分間です。
 その後、ノンレム睡眠に入ります。この層は眠りが深く、脳や身体を休息させる重要な役割があります。時間は約60分です。
 この5層が、睡眠の流れとなります。

 この一連の流れのうち、快眠で重要となるのが一回目のノンレム睡眠です。ここに到達することで、身体が休息されます。
 
 次に睡眠サイクルの脳波についてまとめます。
 まず、REM睡眠ではアルファ波になります。これはリラックスした時の波形になります。小刻みな形が特徴です。
 ステージ1ではさらに小刻みな形になります。
 ステージ2では紡錘波と呼ばれる小刻みな形と大きい波の形が交互に続く波形になります。この層では、海馬に記憶を定着させる働きがあると研究されています。
 ノンレム睡眠では、デルタ波と呼ばれる大きな波の形になります。 大脳の神経細胞が一斉に活動したり休んだり繰り返すため、大きな波となります。この層でも、記憶を定着させたり、不要な記憶を削除したり、記憶の再構築をしたりする働きがあると研究されています。
 
 次に、睡眠のポイントとなるのが、「睡眠圧」と「体内時計」です。
 睡眠圧とは、圧の変化によって睡眠や覚醒が引き起こされることです。
 起きているときには蓄積されて、寝ているときには放出されることによって、睡眠と覚醒のサイクルが確立されます。 
 現在研究されているのが、神経細胞内にある「スニップスのリン酸化」です。
 神経細胞の中のタンパク質が化学変化を起こすことをスニップスといい、リン酸基がタンパク質にくっつくことをリン酸化といいます。
 研究によれば、覚醒している時はスニップスのリン酸化が進み、睡眠時はスニップスのリン酸化が解消されます。
 つまり、寝不足の状態というのは、神経細胞内のスニップスのリン酸化が解消されずに残っている状態を表します。

 もう一つ、睡眠でポイントとなるのが「体内時計」です。
 体内時計は、睡眠圧とは別に、約24時間周期の覚醒シグナルの波を作っています。
 覚醒シグナルの波が強まれば覚醒し、弱まれば睡眠に入ります。
 朝型の人は、覚醒シグナルの周期は短く、夜型の人は、覚醒シグナルの周期は長い傾向にあります。
 朝に光を浴びることで体内溶け木はリセットされます。
 覚醒シグナルは、脳の視床下部にある「オレキシン」という脳内物質が関与しています。
 オレキシンが受容体に結合すると覚醒シグナルが生じて、受容体から離れると覚醒シグナルが弱まります。


 これまで、睡眠のメカニズムについてお伝えしてきました。
 次回は、快眠生活を送るために必要なことについてお伝えします。


参考文献
Newton  2019.8月号
新・睡眠の教科書





テーマ18「睡眠 2」


 今回は、非常に大事なテーマである「睡眠」について、4回に渡ってお伝えしていきます。
 前回は、睡眠のメカニズムについてお伝えしました。
 今回と次回では、快眠生活を送るためにはどうしたら良いか、具体的な方法を7個挙げていきます。
 


①自分は朝型か夜型かを知る

 人間の睡眠のリズムは、超朝型、朝型、中間型、夜型、超夜型の五つのタイプに分類されます。
 朝型は早寝早起きのリズムで、夜型は遅寝遅起きのリズムで寝ることを言います。
 朝型や夜型は、約350の遺伝子によって決定されます。また、年齢によっても決定されます。10代は夜型で高齢者は朝型になる傾向があります。
 それらを踏まえて、自分はどのタイプになるのかを知ることが最初のステップです。
 早寝早起きが万人に良いとは限りません。睡眠リズムは人それぞれ違いますから、そのリズムに合わせて睡眠をとるようにしましょう。

②休日と平日の睡眠リズムを一緒にする


 快眠のポイントは、睡眠負債を貯めずに睡眠のリズムを一定に保つことです。
 睡眠負債とは、いつもより不足した睡眠時間の蓄積のことを表します。
 睡眠負債を抱える人の特徴は、休日と平日の睡眠時間が違う人です。
 理想的な睡眠時間が8時間の人が、普段の生活で6時間しか寝ることができない人は、2時間分の睡眠負債を背負っていることになります。
 寝溜めしても睡眠負債は返済できないので、普段の睡眠時間の確保がいかに大事か、ということがわかります。
 また、睡眠中央時間を揃えることも重要になってきます。
 例えば、平日は夜10時に寝て朝6時に起きる人が、休日には夜2時に寝て朝10時に起きる生活を送っていたとします。
 睡眠時間はどちらも8時間ですが、睡眠中央時間は前者が夜2時、後者が朝6時になります。
 この睡眠中央時間の差のことを「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」といい、睡眠負債を抱える人の特徴でもあります。
 以上のことから、睡眠は休日も平日も一定のリズムで寝ることが快眠には重要なのです。

③部屋の暗さ 

 部屋の暗さは、暗い方が入眠しやすいです。
 テレビを付けっぱなしにして寝ないこと、寝る前にスマホを見ないこと、なども大事なことです。
 また、朝日が入るカーテンにすることも快適な目覚めには必要です。
 朝の光は、体内時計をリセットする働きがあります。
 また、朝の光を浴びることで、ノンレム睡眠が続き、爽快な目覚めになるようです。

④部屋の静けさ


 部屋の音も、当然静かな方が入眠しやすいです。
 テレビや音楽、ラジオなどの音を消すか、オフタイマーにして対応しましょう。

⑤快適な室温


 室温が高過ぎたり低すぎたり、湿度が高すぎたりといった環境も睡眠の敵です。
 快眠のためには、エアコンを付けたり、ストーブを付けたりすることも必要になってくるでしょう。


⑥深部体温の放熱

 睡眠前は深部体温が下がることで入眠する特徴があります。
 ですので、寝る前の2時間は入浴はしないほうが良いと言われています。特に熱いお風呂に長時間浸かると深部体温が上昇し、入眠しづらくなります。
 また、電気毛布も深部体温を上昇させますので、寝る直前はスイッチを切るなどの対応が必要になります。
 さらに、入眠前の激しい運動も深部体温が上昇するので、快眠には良くありません。
 だからといって、入眠前に身体を冷やせばいいかと言うと、そうではありません。
 深部体温が下がり、皮膚体温が上がって手足から放熱が起きていることが入眠のきっかけになるので、身体は適度に温かくすることが重要になります。
 


⑦寝る前にスマホを見ない


 最後に、寝る前にはスマホを見ないことが快眠には重要になります。
 スマホの光はブルーライトが含まれており、このブルーライトが体内時計を遅らせることに繋がるのです。
 脳には視神経が交差する「視交叉上核」と言う場所があり、そこに体内時計のマスターがあります。
 ブルーライトを目に入れると、視交叉上核に刺激が入り、覚醒してしまいます。
 その結果、体内時計が1~2時間遅れてしまい、睡眠負債が貯まってしまうのです。

 以上、快眠の為にできることを7個挙げました。

 睡眠の質は人生の質だと思ってます。睡眠が色々な問題を解決してくれるからです。
 身体的な病気や精神的な病気、小さな悩みなど、寝れば治ることが沢山あります。
 睡眠の質を上げるにはどうしたら良いか、少しでも考えるきっかけになればと思います。
 次回も、快眠の為にできることを、視点を変えて3つ挙げていきます。



テーマ19「睡眠 3」


 今回は、非常に大事なテーマである「睡眠」について、全4回に渡ってお伝えしていきます。
 前回は、快眠生活を送るためにはどうしたら良いか、具体的な方法を7個挙げてました。
 今回も、快眠生活を送るためにはどうしたら良いか、枕といびき防止の観点からお伝えします。
 

①枕

 枕は、「高さ」「材質」「構造」の三つが大事になります。

 枕の高さは、仰向けになった時に体幹と耳が一直線になっているかどうかと、頸部屈曲15°になっているかどうかがポイントです。
 枕が高すぎると耳が上になり、枕が低すぎると耳が下になるため、呼吸がしづらくなったり、肩コリの原因になったりします。
 また、首や肩の隙間を埋めることもポイントになります。
 横向きで寝る場合も、背骨と頭頂部が一直線になっているかどうかがポイントです。

 枕の材質は、様々な特徴がある材質があります。
 通気性がいいかどうか、アレルギーがあるかどうか、硬さはどうか、洗濯できるかどうか、値段はどうか、などのチェックポイントがあるので、自分に合った材質を見つけてみましょう。
 硬さは、枕の高さとセットで考えていく必要があります。硬さによって寝る姿勢が崩れる可能性があるからです。

 枕の構造は、フラットなタイプや真ん中にくぼみがあるタイプ、肩まで支えるタイプ、大きめのタイプ、などがあります。
 よく寝返りする人は、フラットで大きめのタイプがいいでしょう。
 また、猫背が強い人は肩まで支えるタイプのものを使うと、首と肩の隙間を埋めてくれるのでいいでしょう。

 このように、枕の選び方を三つ紹介しました。


②いびき防止

 いびきは、睡眠のステージが2レベルまで落ちた時に、舌根が落ちることで気道が閉塞されることで起こります。
 あごが小さい人、舌が大きい人、肥満であごの肉がある人、枕の高さが高過ぎたり低すぎたりする人、口呼吸で寝る人、などがいびきをかきやすい人になります。
 睡眠中の気道が閉塞されると、睡眠時無呼吸症候群になることがあります。睡眠中に脳に十分な酸素が供給されず、日中眠くなったり、頭が働かなくなったりします。
 さらに、認知症や脳血管障害、糖尿病などの生活習慣病のリスクも高くなります。
 
 快適な睡眠生活を送るためには、いびきを防止することが重要となります。
 
 いびきを防止するためにできること

 ①痩せる
 ②深酒をしない
 ③枕の高さを合わせる
 ④横向きで寝る
 ⑤スマホのアプリで睡眠ログをとって、色々な方法を試す
 ⑥舌根が落ちないような道具を使う
 ⑦鼻呼吸を促すような道具を使う
 ⑧寝ているときに顎が落ちないように、顎を前方突出させるような道具を使う
 ⑨CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を使用する
 ⑩軟口蓋の一部を切除する手術を受ける


 このように、いびきを防止するために出来ることを挙げました。
 自分が効果を実感したのは、⑤スマホのアプリで睡眠ログを取りながら、⑥舌根が落ちないような口にくわえる道具(おしゃぶりみたいな)の二つが効果的でした。

 次週は睡眠と病気についてお届けします。
 それでは、よい睡眠を。




テーマ20「睡眠 4」


 今回は、非常に大事なテーマである「睡眠」について、全4回に渡ってお伝えしていきます。
 前回は、快眠生活を送るためにはどうしたら良いか、枕といびき防止の観点からお伝えしました。
 今回は睡眠と病気の関係について三つに分けて説明していきます。
 睡眠シリーズ最終回です。
 


①睡眠負債と肥満

 睡眠負債によって、二種類のホルモンの影響で肥満に繋がることがわかってきました。
 一つは、レプチンです。
 通常、全身の脂肪細胞からレプチンという食欲を抑える働きがあるホルモンが分泌されて、肥満になることを抑制しています。
 しかし、睡眠負債が貯まるとレプチンの分泌が減り、食欲を抑えられなくなることで肥満に繋がります。
 もう一つのホルモンは、グレリンです。
 グレリンは、胃から分泌される食欲を高めるホルモンですが、睡眠負債が貯まることでグレリンの分泌が促進されて食欲が高まり肥満に繋がります。
 この二つのホルモンの作用によって肥満になりやすくなります。
 肥満の対策には、睡眠が重要であることがわかります。

②睡眠負債と認知症

 睡眠負債によって、認知症の発症リスクが上がることがわかっています。
 睡眠をすることで、脳脊髄液の循環が行われ、認知症の原因となるアミロイドβが脳脊髄液によって洗い流してくれます。
 しかし、睡眠負債が貯まると脳脊髄駅の循環が悪くなり、脳内にアミロイドβが蓄積しやすい環境になります。それにより、認知症が引き起こされることになります。
 このようなメカニズムで、睡眠負債が貯まると認知症の発症リスクが上がると考えられています。


③ナルコレプシー

 ナルコレプシーとは、日中に場所や状況に関係なく起こる、強い眠気の発作などの症状がある睡眠障害のことを言います。
 主な原因は、オレキシンの欠乏だと言われています。
 オレキシンは睡眠と覚醒の切り替えに重要な役割を担っています。
 オレキシンが欠乏すると覚醒の維持ができなくなります。また、寝ているときに覚醒してしまうこともあります。
 ナルコレプシーはもう一つの症状があり、情動脱力発作と呼ばれます。
 情動脱力発作は、笑ったり、怒ったり、恐怖を感じたり、感情が高ぶったあとに、体が脱力する症状です。数秒~数分の短い時間のことが多く、本人もその状態に気づいています。
 それらに対して、ナルコレプーの治療はどのようなものがあるでしょうか。
 まず、オレキシンの受容体を埋める中枢神経刺激薬(YXT-185)が投与されます。
 また、生活習慣の見直しも行います。規則正しい生活を心がけ、積極的に短時間の昼寝をし、カフェインを適宜摂取することが勧められます。


 以上のように、睡眠と病気の関係について説明してきました。
 まず、睡眠負債が貯まることで、肥満になりやすかったり、生活習慣病になりやすかったり、認知症になりやすかったり、様々な疾患の原因になることがわかりました。
 そして、睡眠時無呼吸症候群になることで、心疾患や脳血管疾患のリスクも上がることがわかっています。
 さらに、睡眠障害やナルコレプシーなどの疾患も日常生活に支障をきたすことになります。
 このように、睡眠と健康は密接な関係にあると言えると思います。

 健康作りは睡眠から。
 
 以上で睡眠シリーズ全四回を終了します。
 また新しい研究などがありましたら随時お届けしていきます。







テーマ21「四苦八苦」


 今回は、人間の本質に迫る内容で、仏教で教えられている「四苦八苦」について考えていきます。
 


 四苦八苦とは、仏教における苦(ドゥッカ)の分類。

 根本的なドゥッカを生・老・病・死(しょう・ろう・びょう・し)の四苦とし

生苦  
生まれること。

老苦  
老いていくこと。体力、気力など全てが衰退していき自由が利かなくなる。

病苦
様々な病気があり、痛みや苦しみに悩まされる。

死苦
死ぬことへの恐怖、その先の不安。

根本的な四つの苦に加え、

愛別離苦(あいべつりく)
愛する者と別離すること

怨憎会苦(おんぞうえく)
怨み憎んでいる者に会うこと

求不得苦(ぐふとくく)
求める物が得られないこと

五蘊盛苦(ごうんじょうく)
五蘊(人間の肉体と精神)が思うがままにならないこと


の四つの苦を合わせて八苦と呼ぶ。

(Wikipedia より)


 このように、この世の中は四苦八苦に満ちていて、誰もがその苦しみからは逃れられない、ということがわかります。
 生老病死は、人間の根本的な苦しみで、特に高齢者になると「老」「病」「死」の苦しむ人が多くなります。愛別離苦や五蘊盛苦もそうです。
 青年期は、「生」、怨憎会苦、求不得苦の苦しみが多いでしょうが、老年期に比べて限定的でしょう。

 おそらく、人間のライフサイクルを考えると、幼少期から老年期に進むにつれて、苦しみのステージが上がっていくように感じます。
 私はまだ33歳の壮年期ですが、苦しみのステージで言うと、初期レベルでしょう。ゲームのレベルで言うとEasy Mode といった所でしょうか。
 
 ではなぜ、人間は苦しみが多いのでしょうか。
 それは、人間に「四苦八苦」の苦しみを与えて、その苦しみから乗り越えさせることで人間の成長を促すシステムが働いてると考えます。

 例えば、人間に病気を与えることで、闘病するきっかけが作られます。苦しみを乗り越えようとして人間的に成長するきっかけになるのです。
 さらに、病気になった人をケアする人も人間的な成長に繋がります。患者さんにケアをしても、求める結果が得られないことが多く、患者さんに対して苦しむことで人間的に成長します。

 このように、病気は両者にとって成長の場になるとも考えられます。
 これは一例ですが、様々な苦しみが用意されていることで人間的な成長を促す、相互作用のシステムがあるように思います。
 四苦八苦は、成長するためのシステムには欠かせない概念であると考えます。そして、この中には病気やケガも含まれます。

 もちろん、人間のライフサイクルは苦しみだけではなく、楽しいことや嬉しいことなども沢山ありますが、やはり、苦しみの方が多く用意されているように感じます。
 
 病気を予防することも大事ですが、病気になったら、人間的な成長をするきっかけだと考えて生活することも、大事なことのように思うのです。



テーマ22「CBD(カンナビジオール)」


 今回は、大麻の成分であるCBDとその効果についてお伝えしていきます。

 現在、アメリカの各州で大麻解禁が続々と可決されており、医療用や嗜好用を含めて様々な種類の大麻が解禁されてきています。
 大麻といえば、日本ではあまりイメージは良くないですが、諸外国では、大麻の良い効果に着目しており、次々に解禁されているのが現状です。
 大麻の成分というのは、THC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)という成分に大別できます。
 THCというのは、精神作用が非常に強く、精神錯乱や幻覚・幻聴を引き起こす可能性があり、依存性も強いことから、日本の法律で禁止されている成分です。
 アメリカでも、THC成分の含まれているものは違法になる州もあります。中には合法の州もあるので、嗜好品の大麻を求めて、その州に買いに行く動きもあります。
 一方、CBDという成分は酩酊成分は含まれていないため、精神作用はそこまで強くない上に、CBD成分の効果や効能はかなりたくさんのものがあります。
 そして、CBD成分のみの大麻製品は日本の法律で禁止されておらず、通販などで気軽に買えるものになってます。
では、CBDの成分の効果・効能はどのようなものがあるのでしょうか。以下に挙げます。


・抗けいれん

・疼痛緩和

・殺菌

・血糖値を下げる

・炎症を軽減する

・睡眠補助

・腫瘍やガン細胞の増殖抑制

・乾癬の治療

・精神安定剤

・骨の成長促進

 などが挙げられます。

 特に、小児マヒなどによるけいれん発作の抑制に効果が強い、との研究結果が出ています。
 2013年、アメリカCNN局で放送された番組では、重度のてんかんがあるドラベ症候群の少女が、CBDを含む大麻のおかげで1週間に数百回あった発作がゼロになったことで話題になりました。
 それ以来、数多くのてんかん患者、特に難治性てんかんを患う子供の両親が、CBDに注目しています。現在、CBDのみを用いたてんかん薬を開発中、とのことです。
 今後、CBDオイルは特に小児分野での使用が増えてくると予測できます。
 てんかん発作がある子供に対して、お母さんがCBDオイルを通販で注文し、ジュースか何かに数滴含ませて、子供に飲ませることでてんかん発作を抑制させる、そのような流れになるかもしれません。

 また、疼痛緩和にも効果が高いと言われています。
 CBDは疼痛伝達経路におけるニューロンの信号伝達を抑制し、痛みの調節する作用があると研究結果が出ています。
 2012年に発表された研究では、 慢性的炎症や神経障害痛を抑制する結果となりました。しかも従来の鎮痛剤のような中毒性が無いのが特徴的です。
 現在は、THC成分とCBD成分を混合で使用した場合の研究結果であったが、今後は、CBD成分だけで効果を上げていき、一般の人でも手軽に摂取できるようになると思われます。

 大麻を悪いイメージで捉えるのではなく、アメリカのように大麻の使用を積極的に進めていき、大麻を有効活用して少しでも患者さんの治療に役立ててほしいと願っています。
 もちろん、THC成分の摂取を目的とした嗜好的な使用については反対です。そこが今後の課題になるでしょう。



テーマ23「オゾン療法」


 今回は、オゾン療法を取り上げました。
 オゾン療法(血液クレンジング)とは、患者から100~200mlの血液を抜き取り、そこにオゾンガスを混合し、血液を体の中に戻す治療法です。
 ドイツで行われている標準的なオゾン療法では、3000~4000マイクロを血液中に入れます。
 毎回患者さんの話を聞き、体感や治療効果が上がっているかどうかを確認しながら、オゾンの量を増やしたり、紫外線照射を併用したり、水素点滴を加えたりしています。
 がんや免疫系の疾患と、アトピーの場合でも、オゾンの投与量は異なります。
 

 オゾンと血液の反応ですが、オゾンが血液と接触すると、活性酸素種と過酸化脂質代謝物という生体反応が発生します。
 この2つが、オゾン療法の主な作用となります。

 活性酸素種が、赤血球、白血球、血小板に働きます。
 赤血球は、酸素運搬能が改善する効果があり、白血球は、インターフェロン-γやサイトカイン系を活性化して免疫力が上がる効果があり、血小板は、血小板凝集抑制反応によって、血液の流動性を高める効果があります。

 過酸化脂質代謝物は、血管内皮細胞で一酸化窒素を放出させ血管を拡張する効果があります。
 骨髄に対しては、赤血球の生産を促す働きがあります。

 このように、オゾン療法は様々な効果があることがわかっています。
 

 疾患に対する効果は、

・心筋梗塞
・心血管系の疾患
・がん
・HIV
・高尿酸血症
・腎機能低下
・急性脳梗塞
・肝炎
・帯状疱疹
・慢性疲労症候群
・多発性硬化症
・糖尿病
・喘息

 などに効果があると言われています。
 
 オゾン療法は、ドイツなどの欧州で広く行われており、プライベートクラスの保険で適用されています。
 医学・生物学文献データベースPubMedでも、血液クレンジング(オゾン療法)だけで3,000件、オゾントリートメントで6,000件以上の論文が出ており、エビデンスのある治療になります。

 このように、オゾン療法は赤血球や白血球、血小板、血管内皮細胞などに効果があり、様々な疾患を改善する効果が出ていることがわかってきました。
 日本では、自由診療の治療ですので、値段は一回15000~25000円となっています。
 インターネットの記事では賛否両論のある治療法ですが、上記の疾患の方は選択肢の一つとして参考にすると良いでしょう。



テーマ24「ココロのセルフケア」



 「病は気から」という言葉がありますが、まさに言い得て妙で、ココロからすべてが始まると言っても過言ではないと思っております。
 もっと言うと、ココロから人生が始まるといってもいいです。

 では、ココロをセルフケアするにはどうしたらいいのでしょうか。

 僕はその一つに「オアシス運動」に可能性を感じています。

 「オアシス運動」なんて小学校でもわかる…と、つまらなく思うかもしれませんが、これは大事なことだから少し考えていただきたいのです。


「お早うございます」
「有り難うございます」
「失礼します」
「すみません」


 この言葉は、人間関係のココロの握手のようなものだと考えます。  
 人間関係を築くうえでの、最初の枕詞です。
 この言葉からすべてが始まるし、ここをクリアするとすべてが上手くいくでしょう。
 逆にいうと、ここを外すとすべてがマズくなるはずです。

 この四つの言葉は、人間関係を円滑にするのに大変便利な言葉だと、社会人になって改めて思います。

 つまり、ココロをセルフケアするには「オアシス運動」が大事で、もっと言うと、それによって人間関係を円滑にすることが大事なんだと思います。

 ココロのこもった「オアシス運動」をしましょう。人間関係を円滑にしましょう。
 きっとココロが洗われるはずです。

ココロのセルフケア2

 ココロのセルフケアで大事なことはたくさんあるので、シリーズ化していきます。

 まず、「オアシス運動」が大事だと前回の記事に書きましたが、この中でも特に大事なのは、
「ありがとう」「感謝」ではないかと思います。

 「ありがとう」は世界共通の言葉で、世界各国に行って
「ありがとう」
「Thank you」
「Gracias(スペイン語)」「Terima kasih(インドネシア語)」
と、感謝の言葉を現地語で言うと必ず喜ばれるでしょう。
 この言葉を言われて不機嫌になる人はいないし、確実に笑顔で答えてくれるでしょう。

 「ありがとう」は言われて損はないし、むしろ「百利あって一害なし」の言葉だと思います。

 この言葉には、謙虚の部分だったり、祈りの部分だったり、尊敬の部分だったり、労りの部分だったり、慮る部分だったり、色んな要素が含まれています。

 自分にご縁のある物事に、常に感謝のココロを持ちましょう。
 人とのご縁、物とのご縁、本とのご縁、景色とのご縁…どのご縁にも、感謝の種が眠っています。
 それに気が付いて、色んな所に感謝を伝えましょう。

 それがココロのセルフケアの基本なのだと思います。
 「感謝」ありきの「オアシス運動」ですね。




テーマ25「ココロのセルフケア 2」



 今の世間を見ていると、祈りの力を過小評価しているように思います。

 天皇を中心とした日本国があるのは、祈りが日本国を作ってきたからだと思えます。
 祈りが、日本の歴史を作ってきたといっても過言ではありません。
 その祈りこそが、約2677年もの間、国のトップで居続けるものだと思います。
 これは、あくまで主観ですが。

 では、祈りとは一体なんなのでしょうか。
 祈りとは「自分自身に対する会話」だと考えます。

 「自分自身に対する会話」とは、この世の中には鏡の法則があり、会話したり思念したりすることが鏡に跳ね返って自分に帰ってくること、を指します。
 神社でいえば、お賽銭の前にある三種の神器である鏡をイメージしてもらいたいです。
 あれは、祈りが鏡に反射して、祈っている人の内にある「内神さま」に対して祈っていると考えられています。

 祈りは、自分自身に返ってくると、どうやら昔から知られていたようです。

 自分のココロのセルフケアをしていく上では、この「祈り」が大事な要素なんだと思います。
 祈ることで自分のココロを磨くことになるからです。

 あらゆるものに対して、「祈り」を習慣化して自分のココロを磨いてほしいと願っています。
 それがココロのセルフケアに繋がると信じているからです。

 おそらく、昔の人は「祈り」によってココロを整えてきたんだと、神社の中にある鏡を見て、そう思います。



 ココロを整えるために、もう一つ大事なことがあります。

 それは、美的センスを刺激すること。
 これがココロを洗うのだと信じています。

 景色を見てキレイだなぁと感じること。
 絵画を見て素晴らしい作品だなぁと感じること。
 朝日を見てありがたいなぁと感じること。

 このような体験をすると、自分の中の美的センスが磨かれます。
 そして、そういう景色や作品には、癒しの波動や荘厳な波動など色々なプラスの波動を持っていることがあります。それを自分の目で見ることで、波動を頂くことができるでしょう。

 人には、相手の波動に同調する作用があるのではないかと考えます。

 人間の脳にはミラーニューロンという神経細胞があり、相手に共鳴するような神経システムが存在します。
 それと同じように、人は対象となる波動を吸収する性質があるのではないかと考えます。

 時間があるときは、美的センスを磨いてみましょう。
 観光地、美術館、自然の景色など、いつもは行かないような場所に行ってみましょう。
 きっと、あなたのココロが洗われるような最適な場所が見つかるはずです。
 そのような場所は、部屋の外にあるものだと思うし、とても自然的なものなんだと思います。

 美的センスを磨きに、また、プラスの波動を頂きに、外に出てみましょう。
 きっと、ココロが洗われると思います。



テーマ26「健康寿命」


 2017年にブログで書いた健康寿命について載せたいと思います。
 ご覧ください。

『最も長生きした人間とは、

  最も年を経た人間のことではない。

 最も人生を楽しんだ人間のことである。』


    (ルソー 哲学者)

 いまや、寿命を伸ばすのではなく、いかに「健康寿命」を伸ばすかが大事になってきました。
 これを一人一人が考えていかなければならない時代に突入したと考えます。

 個人的な見解ですが、現在の日本では、延命治療が行き届きすぎているがゆえに、病院や高齢者施設では「健康ではない寿命」が伸びている方がたくさんいるように見えます。
 

 その背景には、日本独自の「おせっかいな医療」にあると考えます。


 胃ろうや経鼻経菅栄養、中心静脈栄養(IVH)、点滴、抗がん剤治療など。
 現場を見ていると、「おせっかいな医療」が行き過ぎている感があるように思えます。

 「おせっかいな医療」の背景には、大学教授などの既得権益、製薬会社やその株主などによる既得権益もあるように思います。
 「おせっかいな医療」をすることで、製薬会社は儲かり、大学教授には製薬会社からのバックマージンが入り、医療機器メーカーは儲かり、最終的に株主が儲かるシステムになっているためです。
 医療がビジネス化している弊害と言えるでしょう。


 果たして、そこまでして平均寿命を伸ばす必要があるのでしょうか。
 
 本人が、少しでも長く生きたい、と強く願うのであれば、それは素晴らしいことでしょう。「おせっかいな医療」も有りだと思います。
 ただ、現場を見ていると本人はそこまで長生きしたくないにも関わらず、「空気」に流されて延命の処置をするケースが多いように思えます。

 そのような治療をしている患者さんを見ていて、ほとんどの人が幸せそうでないように見えます。

 いかに平均寿命を伸ばすのではなく、いかに人生を長く楽しむか。

 日本の未来のために、一人一人が健康寿命について、ちゃんと考えていく必要がありそうです。
 



テーマ27「 瞑想 」


 最近は、東洋医学に脚光が当たっている影響で、瞑想(Meditation)にも注目が集まっています。マインドフルネス、とも言われています。
 瞑想とは、漢字のごとく、目を瞑ってただひたすら座る、仏教の修行の一つです。座禅ともいいます。
 仏教を開いたブッダが、菩提樹の下で約40日間の断食と瞑想をしたことで悟りを開いた、と言われています。

 瞑想の方法は、床に胡座(あぐら)をかいて背筋を伸ばして座り、目を瞑って鼻から息を吸い、口から吐くだけです。これを、何も考えずにただひたすらに繰り返します。
 一番のポイントは、呼吸だけに意識を向けて頭をカラッポにすることです。
 瞑想を実践してみるとわかりますが、これが一番難しいです。
 頭をカラッポにしようとしても思考が雑草のように勝手に生えてきます。

 「今日の晩ご飯なに食べようか」
 「明日の予定はなんだっけ?」
 「あの時、あれをしておけば…」
 「あの人元気かな?」

 このように、瞑想をすると心の声がたくさん喋りかけてくることがわかります。 
 普段、いかに脳を使って考えているか、いかに脳を使って自分に対して話しかけているか、がよくわかります。

 瞑想のスキルを上げていくと、頭をカラッポにする癖がついてきます。
 何も考えない時間が増えてくるのがわかります。
 何も考えないことで、瞑想の後に直感が冴えることが多かったように思えます。
 瞑想はお酒やタバコよりも快楽を得られる、との報告があります。 
 脳内にエンドルフィンが放出される感じを掴めるように練習してみてください。

 瞑想は、5分程度でもいいので、椅子に座ったり、仰向けに寝たり、あぐらをかいたりしながら、目を瞑って深呼吸をしてみましょう。
 そこから始めて、頭をカラッポにする感覚を掴んでみるといいでしょう。




テーマ28「 タイ式マッサージ 」

 
 2015年、僕は「人間」を勉強していく中で、東洋医学に可能性を感じていました。
 人間の心と身体は、西洋医学的な部分と東洋医学的な部分の両方の側面がある、と感じていたからです。
 東洋医学で特に興味を持ったのが「タイ式マッサージ」です。
 タイ式マッサージは、世界一気持ちが良いマッサージと言われ、世界中のあらゆる国にタイ式マッサージ店があるほどです。
 これほど人気があるタイ式マッサージに興味を持ち、タイのチェンマイまで出向いて1ヶ月間勉強をしてきました。
 
 
 では、一体タイ式マッサージとは何なのでしょうか。

 タイ古式マッサージとは、タイの伝統医学の一つです。
 ブッタの主治医だったシヴァカ師が開祖で、約 2500 年前に仏教とともにタイに伝わり、現在まで続いています。
 2019年にはユネスコに認定されて、無形文化遺産に登録されています。

 タイ式マッサージは、頭の先からつま先まで全身マッサージを行います。
 そこで、一つポイントとなるのが「セン」と呼ばれるエネルギーラインです。
 人体には、「セン」と呼ばれるエネルギーラインが10本あると言われており、その「セン」に沿って指圧やストレッチなどで刺激を与えることで、全身にエネルギーを流すことができます。
 それによって、筋肉をほぐしたり、血流が促されたり、むくみが改善されたり、自律神経のバランスが整ったりする効果があると言われています。
 「セン」は目に見えない気の流れで、10本の主要なセンのうち、6本が足裏からふくらはぎの部分に集中しています。
 タイ式マッサージでは、「セン」に沿って下半身を中心に刺激を入れていきます。

 また、タイの伝統医学では、「土、火、風、水」の属性があると言われ、その四つのバランスが大事と考えられています。

 土は、体毛や爪、骨、内臓。
 火は、体温や感情などの熱エネルギー。
 風は呼吸や胃腸・内臓の流れ。  
 水は血液や汗、体液など。
 
 この四つのバランスが崩れたときに体調不良になると考えられています。
 タイ式マッサージでは「セン」を刺激することで「風」の流れを改善し、「水」の循環を促し、「火」の熱エネルギーを安定させ、「土」の内臓を整えます。

 このように、タイ式マッサージでは、「セン」の走行をマスターして、それに沿って適切に刺激を入れることで内蔵を整える手技であることがわかります。
 
 今後は、テクノロジーの発達によって「セン」も可視化される日がくると見ています。
 そうなると、タイ式マッサージは、もっと注目されるでしょう。
 予防医療では、今後も東洋医学が注目されるはずです。



テーマ29「水素」


 水素は、抗酸化物質の中でも、強い還元力を持つ物質です。
 血管の内皮細胞が悪玉活性酸素に攻撃されると、動脈硬化やがんなどの危険性が高まりますが、そこに水素を送ると、活性酸素が水素と反応して水に変わり、尿として排出されます。
 そのため、水素は多くの疾患や疲労、酸化ストレスの軽減、アンチエイジングに高い効果が期待されています。
 紫外線などの酸化ストレスを浴びて非常に疲れている場合、水素点滴を処方するだけでも、体調が回復する結果が出ています。
 また、研究原子炉など、放射線に被爆しやすい仕事に就いている方には、水素のサプリメントを処方することで、内部被爆が軽減されます。
 肺気腫や間質性肺炎の患者にも、水素のサプリメントは有効です。息切れしにくくなり、QOLが上がる、との結果が出ています。水素により、血中酸素が上がるためです。
 さらに、水素は、心肺停止後の患者にも有効です。水素吸入療法も選択肢の一つとなっており、水素ガスの吸入により、心肺停止後の脳の損傷を防ぐ効果があります。
 時差ボケにも水素は有効です。時差ボケの症状は、血中酸素の低下で出るので、水素のサプリメントで血中酸素を上げ、意識をしっかり保つことができます。
 
 このように、水素は様々な疾患や症状に対して有効であることがわかります。

 水素のサプリメントの選び方は、水素濃度が表示されているものが良いとされています。
少なくとも水素飽和濃度が0.8 ~1 ppmで7~8時間以上持続するというものが効果的です。

 今日は、水素と身体の反応についてまとめてみました。
 特に、放射能の被曝に対して有効のようです。
 太平洋側の魚を食べる住民や、放射線の被曝が強い職業の人は、水素を摂取することも選択肢の一つと考えます。



テーマ30「AIとリハビリテーション」


 これからAIが発達していき、リハビリテーション業界にもその流れはどんどん入って来ると予想されます。
 さらに、量子コンピューターが本格的に実用化されれば、その流れは加速度的に進むはずです。


 ただ、医療業界全般は公務員的な気質で、変化に対応するのに時間がかかり、生産性があまり高くなく、いつまでも旧態依然の流れを維持しようとする傾向にあると考えます。
 ですので、AIが現場で普及するまでには結構な時間がかかると見ています。おそらく、20~30年くらいでしょう。

 それでも、このオートメーション化の流れは誰にも止めらず、リハビリテーション業界もオートメーション化するはずです。


 まずは、エビデンスのレコメンデーションです。
 今までの論文をデータベース化して、AIに入力し、ディープラーニングをさせてパターン認識をしていくようになるでしょう。


 特に、AIは画像や動画による判断が得意なので、座位や立位姿勢、歩行、その他のADL 動作などを解析して、どこが問題点なのかを特定し、転倒リスクなどを算出し、予後予測も自動で立てて、それに伴うエビデンスのある治療プログラムの立案をし、リハビリテーション科のセラピストはそれを参考にして治療していく、このような流れになると考えます。
 これは、ドクターの診療でも同じような流れになるはずで、もうそのようになっています。

 AIによる診断が進めば、次のフェーズでは、ロボティクスの活躍です。

 立位補助マシーンや歩行補助マシーン(HALなど)、トランスファーマシーン、車椅子自動走行、食事介助マシーン、などのロボティクスがネットワークと繋がることでIoT化し、AIとロボティクスをリンクさせることで、オートメーションでリハビリテーションを受けることができるシステムが開発されるでしょう。
 リハビリテーション科のセラピストの仕事は、AI の診断に従って細かいセッティングをすることや機械の調整をすることなど、自動車整備士のように細かい調整をすることが仕事になると考えます。
 「1cmの世界」はAIとロボティクスにどんどん置き換わりますが、「0.1mmの世界」は、まだまだ人しかできないと思うからです。
 患者さんに合わせた細かいセッティングは、0.1mmの世界で、人間が得意なはずで、そこに人間の仕事の価値があります。


 AIとロボティクスが繋がれば、次世代シーケンサーやミルテル検査などによる遺伝子解析や遺伝子診断、ナノテクノロジー(体内に超小型ロボットを入れるものとか)などが、それらとリンクして成長していき、もっと発達していくはずです。


 リハビリテーションがオートメーション化されていく時代に、リハビリテーションの人達は、今なにを患者さんに提供できるか考えなければならない時代に突入しました。

 私は、今後活躍するリハビリテーションの姿は「エビデンスを作ってAIに入力する人」「治療のロボティクスを作る人、調整できる人」「人間の手でしかできないことをしている人(0.1mmレベルで変えられる人)」そして、一番大事な「変化し続けられる人」ではないかと考えています。


 AI はまだ赤ちゃんのレベルで、もっともっとポテンシャルを持っています。
 また、リハビリテーションも歴史は浅く、かなりポテンシャルを持った仕事です。
 この二つのコラボが、どのような仕事を作るのか考えるとワクワクします。これからが楽しみです。

 

テーマ31「リハビリテーションの展望」


 今後、リハビリテーションはどうなるのか考えてみました。


 まず、この30年で二極化が進むと考えます。
 それは、プロレベルのセラピストになるのか、アルバイトレベルのセラピストになるのか、二極化が進むと見ています。


 プロレベルのセラピストは、感覚が繊細で、0.01mmほどの感覚を識別できるレベルの人です。
 これはAIやロボットには真似できなくて、その人しか持ち合わせていない感覚で、その感覚を使って相手を喜ばせてあげられる人がプロレベルです。
 その感覚は、触覚はもちろん、視覚や聴覚、嗅覚、味覚、第六感などを統合して判断される感覚のことを指します。

 一方で、アルバイトレベルのセラピストは、感覚が鈍く、マニュアル通りのことしかできない人です。これはAI やロボットが得意で、簡単に置き換えられてしまう可能性があります。

 今後、プロレベルとアルバイトレベルで二極化が起こるはずで、アルバイトレベルはどんどん淘汰されていく運命にあります。プロレベルだけが生き残っていくでしょう。

 では、どうやってプロレベルまで到達すれば良いのか。


それは、

センス×好奇心×イメージ力×経験

 この四つのかけ算が重要だと考えます。
 左から順に重要度が高く、特に重要なのがセンスであると考えます。

 おそらく、生まれたときからこの業界で活躍し続ける人は最初から決まっていて、センスを持ち合わせているかどうかが命運を分けると考えてます。
 この生まれ持ったセンスがなければ、なかなかプロレベルにはなれないし、それほどこの業界は繊細な世界だと感じます。

 正直、勉強とか知識とか努力とか学歴とかは二の次でいいと思っていて、センスがものをいう世界だと思っています。

 もちろん、研究職でのプロを目指したいのであれば、話は別です。  しかし、手を使って人を喜ばせる臨床家のセラピストは、センスが一番重要だと考えます。


 このように「センス」を始め、「好奇心」「イメージ力」「経験」を患者さんを通していかに追及するかがポイントだと考えます。


 おそらく、現段階ではリハビリテーション業界は人手不足ですが、養成校の増大に伴っていることから、これから飽和状態になることが予想されます。
 その時に、セラピストは必ず淘汰される時が来るはず。


 その時に、プロレベルの人はもっと追及してほしい(好奇心があれば勝手に追及しますが)し、いつまでもバイトレベルの人は、諦めて、もっと自分の他のワクワクすることを開発してほしいと思います。
 好奇心がなかったら、別の業界で好奇心が湧くはずです。 

 今後、セラピストとして活躍できるように、そして、淘汰されてもいいように、皆がそれぞれ次の一手を仕込んでおくことが、生き残っていくために必要なことだと考えます。



テーマ32「2020年の展望」


 今後、2020年の日本と世界がどうなるのか予測をしてみました。


1月 
新型コロナ国内感染者数 2人
(1/15)
武漢ロックダウン

2月 
新型コロナ国内感染者数 61人
(2/15)
ダイヤモンドプリンセス号が横浜港で足止め


3月 
新型コロナ国内感染者数 762人(3/15)
韓国、イラン、欧州、アメリカで感染拡大


4月
新型コロナ国内感染者数 5003人
(4/9)
7都府県で緊急事態宣言


以下 予想
 

5月
新型コロナ国内感染者数 
約25000人 (5/15)

6月
新型コロナ国内感染者数
約80,000人 (6/15)
欧州の感染者数は横ばい
アフリカ大陸で感染者数急増

7月
新型コロナ国内感染者数
約100,000人(7/15)
アメリカの感染者数は横ばい

8月
新型コロナ国内感染者数
約110,000人 (8/15)
国内の観光業と航空業界の倒産が相次ぐ

9月
新型コロナ国内感染者数
約115,000人 (9/15)

10月
新型コロナ国内感染者数
約120,000人 (10/15)
日本の感染者数は横ばい

11月

アメリカ大統領はバイデン氏

12月


2020~2021年に起こりそうなブラックスワン

①ドイツ銀行破綻
②サウジアラビア債務不履行
③世界恐慌2020
④日本で大地震 2020~2021年
⑤オリンピック中止 
⑥財政再建団体に陥る地方自治体が1~3箇所出現する

 以上のことを私が勝手に予想します。
 新型コロナウイルスの国内感染者は、5月下旬から6月上旬でピークに差し掛かり、10月時点では約12万人、致死率は約5%なので約6000人になると考えています。
 その後は、微増から横ばいになると考えます。しかし、これから第2波、3波、4波と津波のように感染が繰り返されることも考えられます。そうなると、事態はさらに深刻化するでしょう。この予想は、あくまで少なく見積もっています。
 
 そして、新型コロナによる世界経済への影響は甚大で、アメリカか欧州か中東が引き金となって世界恐慌に発展する恐れがあると考えます。
 新型コロナウイルスをきっかけに、リセッション(景気後退)が起こり世界恐慌に発展することが考えられ、それにより資本主義のシステムが一変し、個人とそのフォロワーが集団となって、生き方を見直す機会になると予想します。

 2020年は激動の年になるでしょう。



テーマ33「グリホサート」
  

 グリホサートとは、除草剤の主成分で、発ガン性物質を含んでいることがわかってきました。
 特に、ラウンドアップなどの製品の主成分となっています。
 ラウンドアップとは、モンサント社が1974年に発売した、グリホサートを主成分とした除草剤のことです。
 2015年に世界保健機関(WHO)の下部組織「国際がん研究機関」が「発がん性がある」と発表しています。
 アメリカでは、ラウンドアップの使用により、がん患者が増加したことが問題になりました。
 その後、モンサント社を訴えていた原告が勝訴しています。
 カナダでも、2012年までに全州で芝生や庭での使用を禁止し、オランダやフランス、スウェーデン、ノルウェーでも、ラウンドアップの使用が禁止されました。
 しかし、日本では内閣府食品安全委員会が「ラウンドアップは安全」と承認し、農協が使用を推奨し、ホームセンターなどでも普通に販売されています。
 世界中で規制が強化され、販売先を失ったラウンドアップが、日本市場に投入されています。
 その理由は、米国で起訴が相次いだので、米国政府としては、グリホサートを「米国の保護国」に押し込もうとしている様子が見受けられます。
 昨年、ベトナム農業農村開発省は、グリホサートの使用を禁止すると発表しましたが、米国パーデュー農務長官は直ちに声明を出し、「(ベトナムの禁輸措置は)農業に壊滅的な打撃を与えるだろう」と怒りをあらわにしました。
 そして、我が日本は米国に忖度するがごとく、グリホサートに関し「発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった」などとする評価書を発表するだけでなく、厚生労働省は2017年12月、一部の農産物の残留基準値を引き上げたのです。
 特に目立つのがパンやパスタ、シリアルなどの原料となる穀類です。
 ラウンドアップの主成分グリホサートは、発がん性はもちろん、同様に土壌細菌や人間の腸内細菌も損なうことが判明してます。
 腸内環境を破壊することでアレルギーなど自己免疫疾患などの原因になり、生殖に与える影響も懸念されており、精子の数の激減がみられる研究結果も多数あります。
 特に日本では規制がなく、食材以外にも都会のちょっとした「緑」を楽に維持できるために、大量のラウンドアップがしようさされています。
 また、現在、濃縮還元ジュース他、国内で販売される小麦製品の約7割からも、発がん性物質「グリホサート」が検出されています。


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農薬「グリホサート」、世界は削減・禁止の流れなのに日本は緩和!?


出典 ハーバードビジネスオンライン

http://a.msn.com/01/ja-jp/AAHBoR7?ocid




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