ビジネスパーソンのためのヘルスケア 新型コロナ Ver
テーマ
34 「COVID-19がもたらしたもの ①」
35 「COVID-19がもたらしたもの ②」
36 「COVID-19がもたらしたもの ③」
37 「COVID-19がもたらしたもの ④」
38 「COVID-19のの薬について」
39 「COVID-19の予防法」
40 「スペイン風邪」
41 「脱資本主義①」
42 「脱資本主義②」
43 「脱資本主義③」
44 「少子高齢化」
45 「物々交換」
46 「新しい仕事 古い仕事」
47 「ブラックスワン理論」
48 「所得と健康」
49 「メンタルをどう保つか①」
50 「メンタルをどう保つか②」
51 「メンタルをどう保つか③」
総集編
テーマ34「COVID-19がもたらしたもの ①」
2020年1月、中国の武漢でCOVID-19の感染が確認されてから世界は一変しました。
COVID-19は、徐々に勢力を拡大し、中国全土、ダイヤモンドプリンセス号を始め、韓国、イラン、イタリア、に飛び火しました。
その後、欧州や米国に続き、現在では、世界各国に感染が拡大しました。
今年1月を過ぎてからのニュースはCOVID-19の話題で持ち切りで、視聴者の恐怖は増していく一方です。
このように、現在は、COVID-19のマイナス面ばかりにフォーカスが当たり、気分が落ち込むことが多いように思います。
そこで、今回はCOVID-19がもたらした、プラスの面にフォーカスを当てて考えてみたいと思います。
まず、COVID-19によって、コミュニケーションには価値があるということを再認識しました。
人との会話、人との触れ合い、友達との飲み会、観客と一体になったライブやスポーツ観戦、など、日常にはあらゆるレイヤーでコミュニケーションが溢れていることに気が付きました。
失って気付く大切さ。
COVID-19によって失われたコミュニケーションは、実はかなり価値を持っていたことに気が付きます。
COVID-19は、そういったコミュニケーションを「分断」する象徴でもあります。
人と人との分断、地方と地方の分断、国と国との分断。
これらが如実に現れた、「分断」の象徴でした。
2016年6月23日にイギリスがEU離脱を決め、同年11月8日に米国でトランプ大統領が当選しました。
2016年を境に、世界は「分断」の方向へ転がり、2020年1月のCOVID-19によって「分断」に拍車をかける結果となりました。
この傾向はまだまだ続きます。おそらく、2020年代前半まででしょうか。
このように、COVID-19は「分断」の象徴で、人とのコミュニケーションには価値があることを再認識させられる結果となるはずです。
おそらく、COVID-19の収束宣言がされる頃(2~3年後?)には、人とのコミュニケーションを重要視する風潮が高まるでしょうし、世界各国が協調して課題を解決する機運が高まるでしょう。
「分断」からの反動というものが必ずあります。
「分断」を経て「統合」に向かうことを歴史は教えてくれます。
COVID-19によって、人とのコミュニケーションの価値が格段に高まるでしょう。
双方向性(インタラクティブ)なサービスはもっと増えるし、ライブやスポーツ観戦も増えるし、オフラインのコミュニケーションの仕事も、これからもっと増えるでしょう。
これが、COVID-19がもたらしたものと考えます。
テーマ35「COVID-19がもたらしたもの ②」
先週は、COVID-19は「分断」の象徴だということをお伝えし、「分断」によって、人との繋がりの価値が上がるとお話しました。
では、COVID-19は他になにをもたらしたか考えてみます。
まず、COVID-19は「与える場」を奪いました。
「分断」の結果、人々は「仕事」という「与える場」を失ったのです。
人は、なにかを与えることで幸せを感じたり、嬉しくなったり、人に認められていると感じたり、一緒に喜んだり、時には凹んだり、と与えることで心が動く動物なんだと思います。
人には仕事が必要です。
人は「与える場」が与えられることで生きている実感が湧くからです。
今回のCOVID-19は、人と仕事との分断を引き起こしたことで、人から「与える場」を奪ったと考えます。
仕事がなく、自宅待機でなにも人の役にも立てず、ただ食べて寝ての繰り返し。
一見、ラクできて楽しそうに見えますが、こんな辛いことはない、と僕は考えます。
何もしないで生きていくことは、短期的には嬉しいかもしれません。
仕事のストレスから解放され、上司や部下との関係も気にせず、一日中自由に過ごせるからです。
しかし、長期的に見ると、これほど人のお役に立てない人生は、なかなか苦しいです。
ただ食べて寝ての繰り返しの人生は、短期的にはラクできますが、長期的には虚しくなるはずです。
人のお役に立てなくなる虚しさ。
これが、心と身体の疾患を引き起こす原因と考えます。
65歳以降で疾患が増加するのは、仕事を退職して、人のお役に立てなくなる虚しさが、原因の一つと考えます。
仕事は人のお役に立てる場なので、仕事をしている人は元気だし、生きている実感が持てるはずです。
今回のCOVID-19は、「与える喜び」に気付かせてくれたように思います。
「与える場=仕事」を奪うことで、実は人間って、与えることで生きている実感が持てるよね、と気付かせてくれたように思うのです。
与える喜び
人のお役に立てなくなる虚しさ
COVID-19から、このようなことを学んでいます。
テーマ36「COVID-19がもたらしたもの ③」
先々週は、COVID-19は「分断」の象徴で、これによって人と交わる価値が上がった、ということをお伝えしました。
先週は、COVID-19は「仕事」という「与える場」を失ったことで、与えることの喜びに気付かされた、ということをお伝えしました。
今週は、COVID-19という社会実験によって、人類がパンデミックにさらされると社会はどう動くのか、を知るきっかけになった、ということをお伝えします。
感染症によるパンデミックは、歴史的に見て一定の周期で起こっています。
14世紀 ペスト
16世紀 天然痘
19~20世紀 コレラ
1918年 スペイン風邪
2009年 新型インフルエンザ
2020年 新型コロナ
このように、歴史上では周期的にパンデミックに陥っていることがわかります。
さらに、今後もパンデミックになる可能性がある疾患もたくさんあります。
SARS
MARS
エボラ出血熱
鳥インフルエンザ
新型インフルエンザ
デング熱
ラッサ熱
などです。
この他にも、新種の感染症が広がる可能性もあります。
このように、人類が地球で生きていく上で、感染症と向き合わなければならない時が必ず訪れます。
これから20年後や30年後も、世界のどこかで感染症が流行して、パンデミックになることも十分考えられます。
今の子供達が大人になる頃には、パンデミックと向き合わなければならない時が来るかもしれません。
ですので、今のCOVID-19による社会実験は、将来起こるであろうパンデミックを予防する上で、重要なデータを得ることができます。
今回のCOVID-19による各国の対応で、グッドケースとバッドケースに分けられて分析され、どのような政策が有効だったか、失敗だったか、徹底的に研究されるでしょう。
また、COVID-19によって、社会の在り方も問われています。
このまま、資本主義が続くのか、新しい主義の社会が始まるのか、どうなるかわかりません。
これも研究されて、後世に語り継がれるでしょう。
このように、COVID-19によるパンでミックは、社会実験という側面があります。
未来の子供たちに、重要なデータを残します。
そして、社会の在り方までもがアップデートされ、より良い社会を作っていくことになります。
COVID-19は、まさに「壮大な社会実験の場」をもたらしたと言っても過言ではないでしょう。
テーマ37「COVID-19がもたらしたもの ④」
第1回は、COVID-19は「分断」の象徴で、世界各国の連携が途絶えてしまう、とお伝えしました。
今週は、COVID-19によって、世界が一つに団結する、ということをお伝えします。
昔から人間集団が一つにまとまるためには、共通の敵を作る必要がありました。
戦国時代では、藩と藩での争いがありました。藩の中で、共通の敵を作ることで、藩を一つにまとめる働きがありました。
世界対戦の時では、各国と各国が同盟を結び、共通の敵に対してまとまる働きがありました。
このように、地域の争いや国内での内戦、世界各国の戦争など、共通の敵が出現することで、集団が一つにまとまる傾向にあることがわかります。
ですので、今回のCOVID-19という世界の共通の敵に対して、世界各国が「分断」を経てから一つにまとまると考えます。
COVID-19という共通の敵を倒すために、世界が一つにまとまってワクチンを開発するでしょうし、世界各国で医療資源を融通したり、医療従事者を派遣したりする動きもあるでしょう。経済的な支援も活発になるはずです。
パンデミックの初期は、自国を守るのに必死ですが、中期、後期になるにつれて、このような協力がなされると考えます。
COVID-19は世界各国にとって共通の敵ですが、その敵に対して世界各国が協力することで、世界は一つにまとまる働きが出てくるはずです。
これが、COVID-19がもたらしたものと考えます。
テーマ38「COVID-19の薬について」
今回は、COVID-19をはじめとしたウイルスから、自分のカラダをどのように守っていくべきかお伝えします。
薬と栄養の二つについてまとめました。
まず、COVID-19の薬の情報について。
COVID-19に対して対症療法で処方されることがある薬をピックアップしました。
①抗マラリア薬ヒドロキシクロロキン
②抗生物質アジスロマイシン
③ネルフィナビル
④セファランチン
⑤アビガン
⑥レムデシビル
以上の六種類の薬があるようです。
①抗マラリア薬ヒドロキシクロロキン
→抗マラリア剤かつ全身性・皮膚エリテマトーデス治療薬。
→海外では関節リウマチの炎症の軽減にも用いられる。
→トランプ大統領が予防的に摂取する。
→副作用として心拍の異常がある。
→イギリスの医学紙「ランセット」が投与後に死亡率が上がるとの報告あり。
→死亡率はヒドロキシクロロキンは18%、クロロキンは16.4%、投与されない場合は9%。
②抗生物質アジスロマイシン
→ウイルスの蛋白合成を阻害することにより抗菌作用
→呼吸器感染症、尿道炎、骨盤内炎症性疾患などの感染症の治療薬
→COVID-19のタイプCに効果がある可能性がある
→不整脈やQT延長などの相互作用が生じる危険性あり
→①と②は併用して処方されるケースが増えているが、エビデンスが不足しているため注意が必要。
③ネルフィナビル(経口投与)
→抗HIV治療薬
→細胞から放出されるウイルスRNAを1日で最大0.01%以下にまで強く減少させる
→ウイルス増殖する時の酵素を阻害
→下痢の副作用。肝機能障害や出血傾向の患者には投与が注意。
④セファランチン(点滴投与)
→白血球減少症や脱毛症、マムシ咬傷に使用
→ウイルスが細胞に侵入することを防ぐ
→③と④の併用治療ではさらに効果が増強し、累積ウイルス量が約7%に、ウイルス排除までの短縮期間が約5.5日となった、と報告されている。(東京理科大)
→副作用は、発疹、かゆみ、食欲不振。
⑤アビガン
→抗インフルエンザウイルス薬
→ウイルスのRNA ポリメラーゼを阻害して、ウイルスの増殖を抑える。
→治療効果が不明
→催奇性の副作用あり
⑥レムデシビル
→エボラ出血熱の治療薬
→ウイルスの複製に関するRNAポリメラーゼを阻害する効果。
→米国では「効果がある」「回復が早まった」
→中国では「効果は確認できなかった」
以上の六種類の薬を調べましたが、どの薬も効果は不明で、副作用もあるので注意が必要であることがわかりました。
薬はあまり期待できませんし、ワクチンが完成して投与したとしても、抵抗力がつくかどうかも不明のようです。
さらに、新型コロナウイルスよりも致死率の高いウイルスが新たに出現した時は、またワクチンを開発したり、既存の薬を試したり、と、振り出しに戻ってしまいます。
どちらにしても、対策は自分の免疫力を上げる他ないと考えます。
では、免疫力を上げるにはどうしたら良いでしょうか。
次回は、身体の抵抗力を上げる栄養素についてまとめましたのでアップします。
テーマ39「COVID-19の予防法」
前回は、COVID-19の投薬による治療は、対処療法でしかなく、結局は免疫力を上げる他ない、という内容でした。
今回は、免疫力を上げるための栄養についてまとめました。
①ビタミンD
②ビタミンC
③ビタミンA
④オリーブ葉エキス
⑤タンパク質
⑥亜鉛
⑦カゼインフリー、グルテンフリー、シュガーフリー
この7つを挙げて説明します。
①ビタミンD
ビタミンDは植物性と動物性があり、干し椎茸やきのこ、魚肉、魚の肝臓などに含まれる栄養素です。
また、太陽光を浴びると生成される栄養素です。
太陽光が少ない冬は、ビタミンDを生成しづらくなるため、免疫が低下しやすくなります。
ですので、免疫力を上げるためには、加湿をすることと太陽光を浴びること、ビタミンDを摂取することは、感染症を予防する上で大事なのです。
ビタミンDは体の免疫系にとって重要な要素です。
ビタミンDは、腸のタイトジャンクション(腸の細胞を接続する組織)を強くし、抗菌ペプチドを作り、感染症のリクスを軽減します。
さらに、ビタミンDは感染症のリスクを下げるだけでなく、ウイルスの生存率や複製速度を下げる可能性のあるカテリシジンとディフェンシンの産生を誘発します。
それにより、肺炎や急性呼吸窮迫症候群につながるサイトカインストームを減らす働きがあります。
ビタミンDはマグネシウムと一緒に摂取すると効果的です。マグネシウムはビタミンDの働きを助けるからです。
ビタミンDの推奨摂取量は5000iuで、サプリメントで摂取するのが一般的です。
②ビタミンC
ご存知の通り、免疫力を上げるにはビタミンCを摂取するのが基本になります。
ビタミンCは、好中球の遊走性や貪食能を上げます。
ビタミンC補給は経口摂取か点滴投与になります。
ビタミンCには、SARS肺炎を含む多くの種類のウイルス感染症のリスクを軽減する効果があると研究でわかっています。
高濃度のビタミンCを早期かつ定期的に投与すれば、敗血症や炎症症状を軽減することもわかっています。
ビタミンCの推奨摂取量は3gです。
③ビタミンA
ビタミンAは、脂溶性ビタミンの1つです。
皮膚や粘膜を健全な状態に保つ働きをします。
多く含まれる食品は、豚や鶏のレバー、ウナギ、バター、鶏卵などの動物性食品です。
ビタミンAとグルタミンは、免疫で重要なIgA抗体を生成します。
ビタミンAの推奨摂取量は1万単位、グルタミンは一日3000mgとなります。
④オリーブ葉エキス
オリーブ葉エキスは、オリーブの葉から抽出したエキスで、様々なウイルスを殺す、天然の抗ウイルス剤です。
マクロファージ、白血球を活性化させてウイルスを貪食します。
⑤タンパク質
タンパク質は、粘膜防御にかかわるIgA抗体の原料となります。
新型コロナウイルスは突起が多く、粘膜にくっつきやすいので、粘膜を防御することが重要となります。
⑥亜鉛
ビタミンAが働くためには亜鉛が必要です。IgA抗体を作るのに、補助的な役割があります。
亜鉛の推奨摂取量は30~45mgです。
⑦カゼインフリー、グルテンフリー、シュガーフリー
小麦製品に含まれるグルテンや牛乳に含まれるカゼインなどのタンパク質は、タイトジャンクションをゆるめ、ウイルスを体内に入りやすくしてしまいます。
シュガーも、白血球の喰菌作用を弱めて免疫力を下げます。
このように、七つのキーワードひ着目して、自分の免疫を上げることを意識してみてください。
COVID-19を始めとした感染症を予防するには、自分自身の免疫を上げるのが一番です。
きっと、免疫力が高い人がこれからのパンデミックの波を乗り越えるのだと思います。
テーマ40「スペイン風邪」
これからの新型コロナウイルスなどの感染予防をどのようにしたら良いか。それを考えた時に、スペイン風邪が一番参考なります。
なぜなら、1910年代の世界情勢と2020年代の世界情勢はとても似ているからです。
どちらの時代も、グローバリズムからナショナリズムへと変化し、ナショナリズムが台頭していく節目の年代といえます。
では、スペイン風邪はどのように広がったのでしょうか。
1918年~1920年に世界各国で極めて多くの死者を出したインフルエンザによるパンデミックの俗称である。
第一次世界大戦時に中立国であったため情報統制がされていなかったスペインでの流行が大きく報じられたことに由来する。
1918年パンデミックとも呼ばれる。
期間: 1918年1月 – 1920年12月
死者数: 1700–5000万人(推計)
確定症例数: 5億人(推計)
日本での症例数
1918年8月~1919年7月
患者2116万8398人
死者25万7363人
致死率1.22%
(Wikipedia参照)
スペイン風邪は、約三年間に渡って感染拡大したことがわかります。
その内、感染のピークは三回あり、第1波は1918年3月~6月にアメリカやヨーロッパで大流行しました。
第2波は1918年秋頃に全世界で同時に大流行し、第3波は1919年春頃に全世界で大流行し、医療従事者から感染が起こった後に医療崩壊を引き起こしました。
時期的にも感染の範囲にも、現在の状況と似ている部分がたくさんあります。
スペイン風邪の特徴として、第1波よりも第2波の方が致死率が高い傾向にあったことがわかっています。
さらに、第1波では高齢者を中心に感染者が増えていったのに対して、第2波では若年者を中心に感染が広がった傾向にありました。
なぜ、そのような変化が起こったのか。
それは、インフルエンザウイルスの変異が起こり、より強力なウイルスに変化したためです。
ウイルスの生存戦略として、多くの個体を繁殖させるために、より広く、より強力に、より長く、生存させる変化が生じるのが特徴です。
新型コロナウイルスも、おそらく変異型が登場し、同じようにより広く、より強力に、より長く生存しようとするでしょう。
まるで、人間の生存戦略を見ているようにも思えます。
このように、今回の新型コロナウイルスも変異型が登場し、今年の秋から冬にかけて第2波が到来すると予測されています。
特に冬は、インフルエンザとノロウイルスのトリプルで警戒しなければならないので注意が必要です。
今回の変異型は、若年層を中心に致死率が高いものになると予想します。これまで若年層は感染率が低く、感染しても無症状なことが多かったからです。より広く感染しようとする生存戦略がとられるはずです。
現在の新型コロナウイルスの致死率は約5%なので、第2波は約10%程度でしょうか。
そして、今回アジア人の感染率が低かったので、第2波はアジアを中心に広がると予想します。
このように、スペイン風邪や新型コロナウイルスの生存戦略は、
「より広く」「より多く」
「より強く」「より長く」
がキーワードになります。
これから、新型コロナウイルスの第1波が終わり、第2波の準備をしている中、果たしてウイルスが生き残るのか人間が生き残るのか、どちらの両者の生存戦略が優位に立つのか気になる所です。
テーマ41「脱資本主義①」
コロナ前とコロナ後では、生き方や働き方などが大きく変化する、と様々な所で叫ばれています。
第二次世界大戦以降、このようなパラダイムシフトは数える程度しかなかったでしょう。
そういった意味では、2020年は世界中の人々にとっては大きな節目となるでしょう。
コロナ前とコロナ後で大きく変わるものは、「資本主義」に対する考え方だとみています。
18世紀後半のイギリスでの産業革命から資本主義が始まったと言われ、「資本家の資本家による資本家のための資本主義」は、2020年現在まで、その思想は脈々と受け継がれています。
資本主義は、300年程かけてどんどん巨大化していきました。
人々の欲望に際限がないように、お金の発行も際限なく続けられてしまったのです。
資本主義には良い部分もありますが、近年になって悪い部分が目立つようになってきました。
それは、個人の力が増大したことによって資本主義の考え方が古くさくなってきたからでしょう。
そんな資本主義には、いくつか欠陥があると個人的思いますのでそれぞれ挙げていきます。
①信用創造
②1%の資本家と99%の市民
③デリバティブ残高6京円&赤字国債8000兆円
これらのテーマで進めていきたいと思います。
本日はこのうちの①について説明します。
①の信用創造というのは、銀行が貸し付けによって預金通貨を創造できる仕組みのことです。
銀行は資本を0から生み出すことができる、ということです。
具体的な例を挙げます。
① Aさんは銀行に1000万円を預けます。
② 銀行は、その1000万円の内の90%の900万円を他の誰かの貸付金に使います。(Aさんは通常は100万円程度しか引き出したりしないのでバレないから)
③ Bさんは、銀行に900万円を借りに来ました。
④ 銀行は、Aさんの預金から拝借した900万円をBさんに貸して、その内の90%の810万円を他の誰かに貸付金として使います。
⑤ Cさんは、銀行に810万円を借りに来ました。
⑥ 銀行は、Bさんの預金から拝借した810万円をCさんに貸して、その内の90%の729万円を他の誰かに貸付金として使います。
このサイクルにより、銀行は人のお金を勝手に運用してお金を創造していきます。
ただ、このシステムの問題点は、Aさんが1000万円を一括で引き出しに来たときです。
こうなると、預けていたお金がBさんやCさんへの貸付金に消えてしまっているので、預かっていたお金を預金者に渡せずに経営破綻してしまうのです。
銀行の信用創造のシステムは、常識的に考えておかしいと感じます。
どの銀行でも、預金者が一斉にお金を引き出しに行くと、預金を使ってしまっているので確実に取り付け騒ぎを起こします。
やはり、人のお金は勝手に手をつけてはならず、預けたお金はきちんと返すことが常識です。
昔は、資金調達をする時には銀行がメインの取引先で、独占的な地位を占めていたので、このような「非常識」なシステムがまかり通っていても、なにも問題はなかったのだと思います。
しかし、現在では資金調達の方法が多様化しており、銀行の必要性がなくなりつつあります。
そのような中で、人の預金を勝手に使って信用創造する銀行に、お金を預ける人は少しずつ減っていくでしょう。
取り付け騒ぎを起こすリスクを抱えてまで預金するメリットがなくなってきているからです。
僕は、この信用創造のシステムが資本主義の欠陥の一つであると考えます。
今後、銀行と距離を置き、脱資本主義の気運が高まり、新しいコミュニティができて、その中で小さくお金を回すようになると考えます。もちろん、信用創造はなしで。
コミュニティ内でお金を回すシステムは、「地域通貨(消費期限あり)」「物々交換」「米コイン(米を担保にした通貨)」「ブロックチェーン」などが今後は期待できますが、どのようになるかわかりません。
次回は、1%の資本家と99%の市民について考えていきます。
テーマ42「脱資本主義②」
①信用創造
②1%の資本家と99%の市民
③デリバティブ残高6京円&赤字国債8000兆円
本日は、②の1%の資本家と99%の市民について考えていきます。
資本主義のルールは、一言で言うと勝者総取りです。独占したもの勝ちます。
ボードゲームで人気のモノポリーは、物件を独占した人が勝つゲームです。独占した人はずっと勝ち続けるように出来ています。モノポリーのルールは、まさに資本主義の本質を表してます。
トマピケティの「21世紀の資本論」によると、上位1%の高額所得者は、GDPの20%以上にのぼる、という結果が出ています。
このように、1%の資本家に独占されると99%の市民は何も抵抗できずに搾取されてしまう構造になってしまいます。
これが、我々の住んでいる地球の根底にある、資本主義という考え方です。
僕は、資本主義は最適な考え方ではないと思うし、早く新しい主義の社会が出現してほしいと願ってます。
それでは、資本主義のなにがおかしいのか考えていきます。
僕は、資本主義の中の「%のマジック」「複利」「市場操作」「自社株買い」「タックスヘイブン」という、この5つのキーワードが、1%の資本家を作り出していると考えます。
まず「%のマジック」についてです。
資本主義には、%が付きまといます。利回りが1%の場合、元本が100円では1円で、100億円では1億円が手元に入ります。
当たり前ですが、元本が大きければ大きいほど配当も大きくなります。
この、割合を表す「%」を使ったものが資本主義のルールですから、元本が大きい人はますます大きくなります。
99%の市民は1円が手に入り、1%の投資家は1億円が手に入ることになるのです。
次に「複利」です。
「複利」とは、元本によって生じた利子を次期の元金に組み入れる方式であり、元金だけでなく利子にも次期の利子がつくことを言います。
例えば、元本100億円で1%の利回りがついて、1年後には101億円になり、2年後には102億100万円円になりますが、30年後になると134億7849万円に膨らんでいきます。これが複利のパワーです。
投資家は、元本が大きく「%」のマジックで配当も大きくなる上に、「複利」のパワーがありますから、お金持ちがますますお金持ちになり、貧乏人は貧乏人のままになってしまうことがわかります。
次に「市場操作」です。
大物の投資家は発言力があります。投資家の発言一つで、株価が大きく変動します。影響力があるからです。
一般投資家は、大物の投資家に影響されますので追随しようとして買い増しをしたり、売りに出したりします。
アメリカの大物投資家が、航空会社の株を売る、と報道があれば、それに続いて航空会社の株が大きく売られる傾向にあります。
日本の大物投資家が、抗体検査の検査キットをばらまく、と報道があれば、抗体検査の関連企業の株が急激に上昇する傾向にあります。
1%の投資家は、このようにして市場を操作できます。
大物の投資家は、情報を流す前に、株をたくさん仕込んでおいて、情報を流して株価が上昇したら、あとは空売り(先に売って後で買い戻す手法)を仕掛けて株価が戻るのを待てばいいだけです。
市場操作は二度おいしいのです。
次に「自社株買い」です。
近年、大企業は、自社の利益を自社株を買うことに使う傾向にあります。それが一番利益が大きいからです。
自社株買いをすることで、自社の株式数が減少し、「PER」「PBR」「ROE」が改善されるため、自社の株価が上がるためです。
大企業の利益は、1%の投資家の利益に繋がるように、「自社株買い」を通して還流しています。
このように、大企業は市場を独占し続けますし、投資家もますます肥えていくのがわかります。
最後に「タックスヘイブン」です。
「タックスヘイブン」とは、「%のマジック」「複利」「市場操作」「自社株買い」などを駆使して荒稼ぎした利益を、租税回避地を経由することで節税する方法を指します。
「タックスヘイブン」には二種類あって「ダッチサンドイッチ」と「ダブルアイリッシュ」があります。アイルランドやオランダを経由した節税スキームを指し、GAFAなどの独占企業が使っている手法です。
大企業ほど、荒稼ぎをする一方で、節税はしっかりしています。
このように、「%のマジック」「複利」「市場操作」「自社株買い」「タックスヘイブン」などを駆使して、1%の投資家は独占し続けています。
これでは、99%の市民はついていけません。
市民は常に支払いますし、投資家は常に受け取る構造になっているからです。
このように資本主義の欠陥を見てしまったことで、資本主義が行き過ぎた感があると、僕は思います。
長い歴史から俯瞰して見ると、今の資本主義の状況はなにかおかしいと感じるし、長くは続かないだろうな、と感じます。
持続不可能な主義であるし、国民を幸せにしないです。
「脱資本主義」
これからは、国民一人一人が脱資本主義について考えていくキッカケになると思われます。
次回は、デリバティブ残高6京円と世界の赤字国債8000兆円について考えていきます。
資本主義はすでに終わりを迎えていることがわかると思います。
テーマ43「脱資本主義③」
①信用創造
②1%の資本家と99%の市民
③デリバティブ残高6京円&世界の債務残高8000兆円
本日は、③のデリバティブ残高6京円&世界の債務残高8000兆円について考えていきます。
まず、デリバティブとは金融派生商品のことで、為替や債権、株式などの金融商品から派生した取引を指します。
主に、先物取引(株価指数先物、FX、商品先物)やオプション取引(株価オプション、通貨オプション)、スワップ取引(異なる通貨を交換する通貨スワップ、異なる種類の金利を交換する金利スワップなどの取引)などがあり、ハイリスク・ハイリターンの商品が特徴です。
そのようなデリバティブの商品ですが、2015年6月末時点での世界のデリバティブ残高が約6京3000兆円(ウチ5500兆円はドイツ銀行)にのぼる、と国際決済銀行(BIS)は試算しています。
さらに、国際通貨基金(IMF)によると、世界の債務残高の合計は20年前は約2200兆円でしたが、
2019年では約7620兆円と試算されています。世界各国が低金利で借入を増やしていることがわかります。
日本も同じように、政府が借入を増やしています。
日本の借金は日本国民が90%以上も担保しているので特に問題はない、という見方ですが、実際はどうなのでしょうか。答えは誰にもわからないのが現状です。
おそらく、コロナショックによる影響で、現在の世界の債務残高はさらに増加しているはずです。
ECBやFRB、日銀などはコロナ対策でジャブジャブお金を刷っているからです。
このように、資本主義は実体を失ってしまいました。
過去を見返せば、すべては1971年のニクソンショック(金本位制の停止)や1999年のグラムリーチブライリー法(銀行・証券・保険業の相互参入を認めた法律)の制定によって、資本主義の世界は、実体のない「幻想の経済」を迎えました。
これらが影響して、現在では、実際の経済と「幻想の経済」には乖離が見られるようになりました。
それは、日経平均株価やニューヨークダウなどの数値からもわかるでしょう。実際の経済を表していないことが。
また、デリバティブや世界の債務残高の数値からもわかるでしょう。実際の経済を表していないことが。
資本主義はすでに崩壊しているし、持続不可能であることがわかります。
①信用創造
②1%の資本家と99%の市民
③デリバティブ残高6京円&世界の債務残高8000兆円
以上の3つの側面から資本主義について考えてきました。
この3つを考えた時に、これからは「脱資本主義」の考え方でサバイブしていかなければなりません。ルールが変わるからです。
資本家たちの資本家による資本家のための資本主義から抜け出し、新たな主義が来る前に準備をしなければならないことがわかります。
アフターコロナは、ウイルス自体が怖いのではなく、社会の在り方そのものが変化するから怖いのです。
脱資本主義のために何ができるのか。個人が考えなければならない時代に突入しました。
それは、個人によって異なると考えます。おそらく正解はないと思います。
自分はこれからなにを大事にしていくか、もっと深く考えてください。
テーマ44「少子高齢化」
僕は、少子高齢化を甘くみていました。
少子高齢化とは、単に、子供が少なくて労働人口も少なく、高齢者が多いから、年金や医療、介護の問題が出てくる、といった程度に考えていました。
しかし、少子高齢化の問題は思ったよりも深刻だということがわかりました。
僕が、一番問題だと思うのは選挙の構造です。
選挙権は全国民に与えられますから、少子高齢化社会では、青年の投票権は少なく、高齢者の投票権が多く分配されていることになります。
有権者は、自分たちが得をする政策を掲げる立候補者に票を投じたいと考えますから、どうしても高齢者に有利な政策を進める議員が当選する結果となるでしょう。
一方、青年は自分たちに有利な政策を進める議員に票を投じても、焼け石に水の状態で何も変わりません。高齢者の票の多さには敵わないからです。
青年の一票を2倍にしない限り、あまり変わりません。
これが少子高齢化社会の選挙の構造なのです。
これでは、青年は負け戦を戦わされているように感じるはずです。
これでは投票に行かずに選挙率が上がらないのも当然です。時間の無駄だと考えてしまいます。
青年に有利な政策がたくさんあれば、青年は政治に興味を持って投票に行く気になります。
しかし、高齢者のための政策ばかりで、青年は政治に興味をなくしているのが現状です。
対して議員の方は、高齢者という名の大きな票田は絶対に手放したくないですから、高齢者に好かれようと努力するでしょうし、高齢者のための政策を第一優先に掲げるでしょう。
そのため、医療や介護、年金、生活保護、相続税などの分野は手厚くなり、子育てや出生、教育などの分野は後回しになりがちです。
議員は任期がありますから、自分達が食っていくためには何回でも当選しようとするでしょう。
しかも、その議員すらも高齢者です。高齢者が高齢者のための社会作りをしているのが今の日本だなと、僕は捉えています。
今回のコロナの対応を見てもわかります。全国民にマスクを配るのも高齢者が喜びますし、全国民に10万円を配るのも年金受給者である高齢者が喜びます。
今後20~30年は少子高齢化の構造は変わらないでしょう。
団塊の世代と団塊ジュニアが大量に控えていますから。
GAFAなどの独占企業がデジタル分野で圧倒的な力を持っているように、高齢者は少子高齢化の社会で圧倒的な力を持っているのです。
おそらく、日本は変わらないでしょう。高齢者が高齢者のための社会作りをしている限り。
やはり、今の若者やその子ども達は、自分達だけで食っていく術を身に付けなければならないと思うし、自分の健康は自分で守らなければ生きていけない、と痛切に感じます。
コロナよりも、少子高齢化が怖い、と思う今日この頃です。
テーマ45「物々交換」
本日は、物々交換について考えていきます。
最近、お金の価値観の重要性が低くなると考えます。
そして、お金とは違う価値観の重要性が高くなると考えています。
新型コロナによって国の分断が進み、景気がさらに悪化することが予想されるためです。
その一つの価値観として挙げるのが物々交換です。
これからは物々交換の考え方が流行するような気がしています。
人々は、お金の信用を失うことで物と物の交換をするようになる人が増えると考えるからです。
もちろん、お金はこれからも残り続けますが、物と物の交換をする手段が多様化するだろうな、と見ています。
お金は、ただの交換手段に過ぎませんから。
例えば、国家財政破綻を頻繁にしているアルゼンチンやベネズエラでは、お金の信用が下がり、物々交換をして生活しているケースがあります。
大きな体育館に市民がシートを広げて、売りたい物を陳列していきます。買いたい人は自分の品物を持って、売りたい人と直接交渉をして物々交換を成立させます。
まるでお金を使わないフリーマーケットのようです。
ある人は、自分で作ったドーナツ12個と黒い洋服を交換したり、またある人は、トウモロコシの粉2袋と散髪サービスを交換したりします。
このように、お金の信用を失った国は、物と物の交換、物とサービスの交換が流行することがわかります。
交換で重要となるのが、現物資産である食料です。
食料を確保している人が物々交換の主導権を握れます。
例えば、野菜や米、穀物、果物、肉、魚、卵などです。
食料がお金の替わりになるのです。
あと、その食料が健康を維持するものであれば価値は上がるでしょう。
例えば、オーガニック野菜や無農薬野菜などは高値で取引されるでしょう。
病院にかかるお金がないので、市民は病気にかからないように健康を維持しようとするからです。
では、これから日本円の信用が下がった場合、どのように対策すればいいのでしょうか。
対策としては、各家庭が無農薬の家庭菜園(マイクロ農家)を始めることです。できれば、釣りをすることや鶏を飼育することができればいいでしょう。
家庭菜園で重要なのは、やはり「土」です。土に栄養を与えるための牛や馬の糞、米ぬか、石灰、生ゴミなども、土の質を上げるために価値が上がるでしょう。
個人的には、現代版の五人組のような仕組みも面白いと思います。
家庭菜園をする近隣の家庭を五組に分けて、米担当、穀物担当、葉物担当、魚担当、鶏担当を作って、その五人組の中で物々交換をする仕組みです。
このように、お金の信用が下がる局面では、食料(特に健康を維持する食品)が価値を持ちますし、物々交換が一つの決済手段になってくると見ています。
あなたは何の価値を交換できますか?
ぜひ、今一度考えてみてください。この2~3年が勝負です。
テーマ46「新しい仕事 古い仕事」
本日は、コロナによってもたらされる新しい仕事と、コロナによって消滅する古い仕事について考えてみます。
コロナ後の世界は、生き方も仕事も遊びも一変します。
と言っても、いきなり変わることはないでしょうが、グラデーションのように徐々に変わっていくでしょう。
まずは、コロナの見通しについて考えていきます。
来年3月くらいまでに新型コロナのワクチンが完成するでしょうが、ワクチンの効果は限定的になると見ています。
新型コロナ感染後3ヶ月は抗体が減少する、との研究結果があります。(今日のニュースを参照)
おそらく、ワクチン接種後も3ヶ月程度で抗体は減少し、効果は限定的だと考えます。
また、コロナはエアロゾルを介して空気感染する可能性が高いようです。
飛沫感染や接触感染だけでなく、空気感染もすることから、ソーシャルディスタンスの対策もあまり意味がなくなりました。マスクを着用する効果も乏しいでしょう。
これら二つの見通しから、新型コロナは当分(最低5年)は収束されないでしょうし、自粛要請されている業態はかなり厳しいでしょう。特に、三密の場所を提供している業態は消滅していく可能性が高いでしょう。
AIによって仕事が消滅するより、新型コロナによって仕事が消滅する方が早いのではないでしょうか。
東京都の休業要請のリストを見ていると、今後消滅する仕事を表しているように思えてなりません。(https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1007617/1007679.html)
古い仕事とは、レストランやバー、ライブ、風俗店、スポーツ観戦、などの業態を指します。今後はこれらの業態は縮小していくでしょう。
古い仕事で生き残る手段は三つあると思います。
裏で(内緒で)営業を続けるか、新しい業態に進化させるか、撤退して新しい仕事にチェンジするか、の三つです。
例えば、レストランの業態であれば、常連客だけに秘密で営業をしたり、デリバリー専門にしたり、レストランを撤退してオンラインで料理を教える人になったり、と三つの生存戦略があると考えます。
どちらにしろ、古い仕事はこれから決断の時が迫られるでしょう。
5年後には復活している可能性が高いでしょうが、新たなパンデミックの出現も視野に入れると、何かしらの手は打たないといけないのではないでしょうか。
最後に、コロナによってもたらされる新しい仕事についてです。
コロナによって、オンラインの仕事が激増しました。当然、オンラインに関わる仕事はこれからも重宝されるでしょう。
プログラマーやシステムエンジニア、YouTuberなどがもっと増えるでしょう。
また、デリバリーの仕事もこれからもっと多様化すると思います。
今はUberEatsや出前館があらゆるジャンルをカバーしてますが、これからは高級料理専門、中華専門、和食専門、ラーメン専門などに分かれると考えます。
安い店と高級な店の二極化も起こるでしょう。
また、心理カウンセラーなどのメンタルケアの仕事も増えるでしょう。
新型コロナによる外出自粛と経営悪化によって、国民のメンタルが削られていく人が急増するからです。
今後、あらゆる分野の人がメンタルケアを部分的に取り入れていく必要が出てくるでしょう。
このように、新型コロナによって古い仕事から新しい仕事にグラデーションのように移行していくようです。
これをピンチと考えるか、チャンスと考えるかは、経営者次第です。
おそらく、これから新しい仕事が次々と登場します。今はまだ名前がついてない仕事もたくさんあるはずです。
新型コロナによって、新しい仕事に移行する絶好のチャンスが来ている、僕はそう考えてます。
テーマ47「ブラックスワン理論」
本日は、ブラックスワン理論について考えてみます。
まず、ブラックスワン理論とは、予測されていなかったこと、衝撃的な出来事、あり得ないことなどが実際に起きて、社会生活に大きな影響を及ぼすことを指します。
ブラックスワンの出現によって、株価が大幅に変動したり、社会生活が著しく制限されたり、政治や経済に大きな混乱をもたらしたりします。
主に、自然災害や金融危機、戦争などが要因として挙げられます。
2020年1月から起きた新型コロナウイルスによる世界的なパンでミックは、まさにブラックスワンのでしょう。
このように、ブラックスワンは突然やってきて人々に衝撃を与えます。それによって社会は混乱し、生活様式を一変させます。
僕は、ブラックスワンは今後もかなり多く出現すると予測します。
その要因は二つです。
太陽活動周期極小化と世界人口急増。この二つによって、今後もブラックスワンが出現し続けるでしょう。
まず、太陽の活動周期極小化についてです。
太陽には約11年の周期で黒点の増減があります。
今後10年~20年の間に、黒点の数が極端に少なくなり、太陽活動が停滞することが予測されています。
黒点が少なくなると寒冷化の時代になるのが歴史の教えです。(マウンダー極小期など)
2030年代から40年代まで地球の寒冷化によって、ブラックスワンが起こりやすいと考えます。
寒冷化による食料危機かもしれませんし、地政学がなんらかの変化をするかもしれません。人間の健康被害も増える可能性もあります。
地球は太陽に大きく影響されますから、そこに住む人類も多大な影響を及ぼすでしょう。
二つ目の人口急増も、ブラックスワンの出現に大きく関わると考えます。
今回の新型コロナのパンデミックは、人口急増と大移動時代の到来の二つの要因で引き起こったと考えます。
人口急増によって、地球環境の変化が引き起こされるでしょうし、寒冷化と相まって食料危機が起こる可能性もありますし、紛争や国家の衝突もあり得るでしょう。
このように、太陽活動周期極小化と世界人口急増によって、今後もブラックスワンが出現するでしょう。
現在、地球は変革期にあります。
この変化に適応できるものだけが生き残るし、次の時代を作っていくのだと思います。
こうして人類は幾多の困難を乗り越えて進化していくんだな、とブラックスワンの歴史を見て感じます。
テーマ48「所得と健康」
本日は、所得と健康の関係についてお伝えします。
所得と平均寿命の関係について、ある研究がありました。
ロンドンの裕福な地区と貧困地区では、平均寿命において約20年もの差がある、という研究です。
ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンの研究者がまとめた調査によると、ロンドン中心部ウェストミンスター地区のハロー・ロード(裕福な地区)における女性の平均寿命は、97.1年。
一方、ロンドン南部サザーク地区のナンヘッド(貧困地区)になると女性の平均寿命は、76.3年。
このように、裕福な地区と貧困地区で20年以上も差が出るという研究結果が明らかになりました。
(http://www.news-digest.co.uk/news/news/tabloid/11613-2014-01-15.html)2014年
この他の研究でも、所得と平均寿命の相関関係を示した研究が数多く出ています。
おそらく、平均寿命が長い地域は短い地域よりも、なにか違う要因があるはずです。
食品や水、運動習慣、健康に関する知識、情報、コミュニティ、医療や介護の質などの要因が関係してそうです。
僕は以前に、人間には5つの資産ポートフォリオを持っている、という話をしました。(Vol.015を参照)
その5つとは、「お金」「時間」「水や食料」「健康」「コミュニティ」を指します。
この5つの資産が、裕福な地域と貧困な地域では異なると考えます。
まず、「お金」です。
当然ですが、お金があれば時間が買えます。そして、健康食品も買えますし、良質な水も買えます。高額な医療も受けることができます。さらに、お金持ちはお金持ちのコミュニティーを作っていますから、健康に関するインサイダー情報も取得することができます。
次に、「時間」です。時間があれば労働から解放されますから、身体を酷使しなくていいですし、好きなスポーツ、好きな趣味をすることができ、身体も心も健康を維持することができます。長いスパンで医療を受ける時間的余裕もあります。
このように、裕福の地域に住む人と貧困の地域に住む人では、5つの資産ポートフォリオのパイの大きさが異なりますし、健康を維持するためにかけられるコストがかなり違ってきます。
僕は、「所得」というよりも、「5つの資産ポートフォリオ」と「平均寿命」は相関関係にあると考えます。
これから、世界は二極化の時代になるので、資産家と貧困層に二極化されるでしょう。そして、平均寿命も二極化するはずです。
例えば、北海道夕張市では平均寿命は下がり、東京都港区では平均寿命が上がる現象が起こるかもしれません。
ひょっとしたら、GAFAM(Google・Amazon・Facebook・Apple・Microsoft)やBATH(バイドゥ・アリババ集団・テンセント・ファーウェイ)の社員の平均寿命は上がり、飲食店やライブバーなどの自営業の平均寿命は下がるかもしれません。
自分がどの国に住むか、どの地域に住むか、どのコミュニティに属するか、どの会社に勤めるか、どの業種で起業するか、どの食べ物を食べるか、どんなライフスタイルを送るのか、選択は無限大です。
しかし、その選択が、5つの資産ポートフォリオを形成し、平均寿命や健康寿命を左右するのかもしれないな、と考える今日この頃です。
テーマ49「メンタルをどう保つか 1」
今回は、パンデミック時代に自分のメンタルをどう保つか考えてみたいと思います。
今年2月から本格的に始まった新型コロナをきっかけに、自分を含め、人々のメンタルが大きく動いているように感じます。
時代の節目には、人のココロとカラダがこんなに大きく変化するんだなぁ、と実感します。油断をするとメンタルを持っていかれそうになるので注意が必要です。
今現在も、新型コロナは感染を拡大しており、それに合わせて人間のココロとカラダもアップデートする必要があるような気がしています。
新型コロナをきっかけに、時代が大きく変わっています。
この時代の大きな「波」を乗りこなすにはどうしたら良いのか。
それは、その「波」に逆らわないことです。その「波」に抗うと、波に飲み込まれますから。
メンタルを保つためには、まずその「波」に身を委ねることから始めると良いようです。
例えば、サーフィンをする時のコツは、波に抗わないことです。波に身を委ねることで、上手に波を乗りこなすことができるからです。
また、スノーボードをする時のコツも同じで、凸凹の斜面がある時は無理やり曲がろうとせず、凸凹の斜面に合わせて身を委ねることで、上手く斜面を滑ることができます。
このように、時代の波も物理的な波も、身を委ねることが一番良いように思います。
逆に、自分の中にある頑固さやこだわりがあると、その波に抗おうとします。
頑固さやこだわりを手放すことができると、柔軟性を確保することができ、どんな波でも対応できるようになります。
これはサーフィンやスノーボードでも同じで、自分の中の頑固さやこだわり、力み、緊張などの要素は、柔軟性を欠き、パフォーマンスが低下するのです。
新型コロナに身を委ねる前に、まずは自分の中の頑固さやこだわりを手放しましょう。
そうすると、柔軟性が手に入るはずです。
新型コロナの前に持っていた頑固さとは、なんでしょうか?
こだわりはなんでしょうか?
プライドはなんでしょうか?
譲れないものはなんでしょうか?
これらを手放すと、ココロの柔軟性を手に入れることができます。
この柔軟性こそが、時代の波を乗りこなすカギだと考えます。
新型コロナの時代に、メンタルをどう保つか。
まずは、頑固さやこだわりを手放し、柔軟性を確保して、身を委ねることでメンタルを保つことができるのではないかと考えました。
次回は、メンタルを保つための「死への意識」について考えていきます。
テーマ50「メンタルをどう保つか 2」
今回も、パンデミック時代に僕がどのように自分のメンタルを保っているか考えてみたいと思います。
突然ですが、僕はこのコロナ禍で、明日死んでもいいように生きているところがあります。
この予防医療ノートも、明日死んでもいいように書いています。
なにか少しでも生きた証を残したいのだと思います。
明日、自分の身にサイトカインストームが引き起こされて心筋梗塞を発症することを想定してますし、津波に飲み込まれることも想定してますし、仕事の途中で交通事故にあうことも想定をしています。
このように、最悪の想定をして、それに備えて準備することで、生への安心感を得ているのだと感じます。
大抵の場合、最悪の事態は起こりませんし、想定したよりも良かったことの方がほとんどです。
そのような時、ショックを受けなくて済みまし、ホッとします。
これが、僕がメンタルを保つコツだと考えてます。
その他に、死に対する考え方をフラットにすることもコツだとも考えています。
よく考えるのは、セミの寿命です。
セミの寿命は、成虫になり地面から出てきて、わずか1ヶ月程度だと言われています。
もし、人間がセミの寿命だったら、この1ヶ月は貴重に使うでしょうし、後悔がないように使うでしょう。
くだらない人間関係やお金のような紙切れ、SNSのような電子ゴミなどについて、あれこれ悩んでるヒマなんかないはずです。
自分がしたいことを全力でするはずです。
多くの人間は、80歳くらいまで生きて、それに合わせてライフプランを設計しようとします。
しかし、本当に人間は80歳が寿命なのでしょうか。
人間もセミと同じく1ヶ月で死ぬかもしれないし、明日死ぬかもしれない。もしかしたら、110歳まで生きるかもしれない。
人間には、無限のマルチエンディングがあるので予測不能です。
それは誰にもわからないはずです。
このように、明日死ぬことを想定して準備することや、セミのように1ヶ月の寿命だったらなにをするかを考えることは、これからの激動の時代にメンタルを保つためには重要であると考えます。
常に死を意識することが、メンタルを保つコツです。
良く生きるために、良き死を意識する。
来週もメンタルを保つために、「~すべき」「~しなければならない」といった呪縛からの解放、をテーマにお伝えしていきます。
予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。
テーマ51「メンタルをどう保つか 3」
今回も、パンデミック時代に自分のメンタルをどう保つか、について考えてみたいと思います。
シリーズ最終回です。
メンタルを保つためにどうしたらよいか。
それは、「~すべき」「~しなければならない」といった義務からの解放が有効であると考えます。
我々日本人は、子供の時から「~すべき」「~しなければならない」「~してはいけない」などの義務を強要されるようになります。
おそらく、日本という島国の文化で「和」を保つには、「常識」という「空気」を使うのが最も効果的だったのだと思います。
それは、良くも悪くも子供に多大な影響を与えます。
そのように育った子供が、いつしか大人になり、社会生活を営む上で無意識な部分で影響されるようになります。
そのような義務感は、いつしか「常識」と呼ばれるようになります。
その「常識」を守らないと徹底的に叩かれる社会が、「和の国、日本」です。
これは日本人の負の部分だと僕は考えてます。
例えば、
「ちゃんと生きなければならない」
「目上の人をたてなければならない」
「挨拶しなければならない」
「人に迷惑をかけてはならない」
「気を使わなければならない」
「電車の中でしゃべってはいけない」
「遅刻してはいけない」
「ミスしてはいけない」
「嘘ついてはいけない」
「言い訳してはいけない」
「上司の言うことに従わなければならない」
「みんなで協調しなければならない」
「働かなければならない」
「働かない人は食ってはいけない」
「目立ってはいけない」
「出しゃばってもいけない」
「出る杭は打たなければならない」
「LGBTであることを隠さなければいけない」
「人のためになることをしなければならない」
「税金を払わなければならない」
「マスクをしなければならない」
「飲食店は自粛しなければならない」
「経済を回さないといけない」
など、様々な「常識」が日本には蔓延しています。
周りの人からそのように批判されることもあるでしょう。
外野からそのようなヤジを言われることがあるでしょう。
SNSの住人からそのようにディスられることもあるでしょう。
僕は、メンタルを保つコツとして、このような「常識」という呪縛から、一つずつ自分自身を解放していくことが重要だと考えます。
周りからの批判は無視して。
おそらく、メンタルが削られる人の特徴は、とても真面目で、このような「常識」をすべて守ろうとする人です。周りからの批判に、自分は「ダメだダメだ」と思ってしまう人です。
そのような「常識」という呪縛で身動きが取れなくなり、自ら命を絶つことしか、自らを解放できなくなるのだと考えます。
いま、一番大切なことは「常識」から自分を解放してみることです。
このような、パンデミック時代には特に必要だと考えます。
皆さんを取り巻く「常識」とはなんですか?
その「常識」は本当に大切ですか?
ぜひ、一つ一つの「常識」から自分を解放させてみましょう。
全51回に渡ってお伝えしてきました。
来週はいよいよ最終回です。
最終回は、全51回のテーマのまとめをお伝えしていきます。
テーマ「総集編」
今回は、過去51回に渡ってお届けしてきた内容をまとめていきます。
セルフメディケーション
グルテン
カゼイン
白砂糖
副腎疲労
口内フローラ
マイコトキシン
リケッチア
マイオカイン
AMPキナーゼ
重金属
SIBO
アーユルヴェーダ(2回)
5つの資産ポートフォリオ
ビタミンD3
睡眠(4回)
四苦八苦
CBD
オゾン療法
ココロのセルフケア(2回)
健康寿命
瞑想
タイ式マッサージ
水素
AIとリハビリテーション
リハビリテーションの展望
2020年の展望
グリホサート
COVID-19がもたらしたもの (4回)
COVID-19の薬について
COVID-19の予防法
スペイン風邪
脱資本主義(3回)
少子高齢化
物々交換
新しい仕事、古い仕事
ブラックスワン理論
所得と健康
メンタルをどう保つか(3回)
初回から順番にこのような内容でお届けしてきました。
改めて見ると、かなりマニアックな内容です。
前半部分は予防医療と健康について、後半部分はCOVID-19と経済について書いてきました。
すべてのテーマは、「自分の健康は自分で守る」ことに繋がります。
つまり、セルフメディケーションです。これがこれからの時代に重要になります。
まず、食事で気をつけることは、白砂糖と小麦のグルテンと牛乳のカゼインの「3 white devil」を摂りすぎないことです。
この3つが腸内環境を悪化させ、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因になります。
さらに、とうもろこしやナッツ、穀物などの食品に含まれるマイコトキシン、化学製品に含まれる重金属、グリホサートなどの除草剤に含まれる発ガン性物質など、人体に悪影響を及ぼす製品と距離を置くことが重要となってきます。
SIBOは、納豆やヨーグルトなどの発酵食の食べ過ぎや炭酸飲料の飲み過ぎで引き起こりますし、副腎疲労は過度のストレスやコーヒーの飲みすぎで引き起こります。
自分の健康は自分で守るための対策としては、口腔内の環境を整えて口内フローラを保つことです。
口内環境は、生活習慣病の予防と深く関わっているためです。
もちろん、腸内環境も同様です。
また、積極的に運動をすることで、マイオカインやAMPキナーゼを分泌させることも重要です。
これらは、血中の糖分を筋肉が吸収する働きがあるので、糖尿病予防には積極的な運動が必要となります。
次に、睡眠です。
睡眠の質の向上が免疫力向上に繋がります。
さらに、瞑想やココロのセルフケア、メンタルを保つコツなどについても触れていきました。
さらに、免疫力を上げるために補給しておきたいものとして、CBDオイルやビタミンD3、ビタミンC、ビタミンA、オリーブ葉エキス、タンパク質、亜鉛などを挙げました。
もちろん、COVID-19を予防する上でも重要となります。
さらに、免疫力を上げるための治療法は、タイ式マッサージやアーユルヴェーダなどの伝統医療がありますし、水素療法やオゾン療法など、少し変わった治療法もあります。
これから先、世界経済は不景気になる可能性が非常に高いので、自分の健康は自分で守る局面になると考えます。
COVID-19や少子高齢化、資本主義の限界、地球環境の変動など、総合的かつ俯瞰的に考えても、今後の世界経済は厳しいでしょう。
そのために自分達はなにができるか。
それは、自分の5つの資産ポートフォリオ(お金、時間、水や食料、コミュニティ、健康)を守ることが重要だと考えました。
COVID-19というブラックスワンが世界を一変させました。
COVID-19によって消えていくもの、新しく生まれていくもの、COVID-19によってもたらされたもの、新しい仕事、古い仕事、など、時代が急激に変化しているのを感じます。
このように、全51回のテーマでお届けしてきました。
これから30年間は、「自分の健康は自分で守る」時代になると見ています。
そのために、自分ができることはなにか考えて発信してきました。
これからも「自分の健康は自分で守る」ために何ができるか、について発信し続けていきますので、今後ともよろしくお願いします。