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おかえり!


職場に、今年に入ってから体調を崩して2月から3月にかけてお休みしていた女性がいる。元気に復帰はしてきたけど、まだ少し不安はあるようだ。2年前にも入院して休職していた人なので、正直周りも心配している。そんな彼女だが、この度結婚をすることが決まった。彼女は、うちの長女と同世代、一昨年1年間は私と隣同士の席だったので、長女の結婚の話とか、また彼女が彼と同棲を始めた話とか、同時期になんとなく似通った経験をしていたので、話が弾んだ。今回の結婚の件も、報告してくれた。「彼からプロポーズされたんです」そのあとも、婚約指輪の話やウエディングドレスの話や、彼の実家にご挨拶に行く話や、事あるごとになんやかや報告してくれる。幸せな話は私も楽しい。


今日もたまたまコピー機の所で2人きりになった。
「最近、体調はどんな?」
「はい。だいぶ慣れました。」
「そっか。ま、あんまり無理せずに、ゆっくり戻せばいいんじゃないかな。」
「ありがとうございます。なんか、皆さん優しくて、何かと声かけてくださるし、嬉しいです。」


彼女の知り合いで、やはり彼女同様体調を崩して休職していた人がいるそうだ。その人(男性)も最近職場復帰したらしいが、職場の雰囲気がどうもあまり良くないらしい。良くないというより、皆が「あの人ホントに大丈夫かな?」と遠まきに見ている気がして、それが余計に気になるらしい。「だから、私は幸せだなって思って。直接声かけてもらえるし、事情を分かって下さってフォローもしてもらってるし。なんて温かいんだろうって。」「そうか。それは良かったね。」


「私、復帰した日に、みとんさんが“おかえり”って言ってくださったのがホントに嬉しかったんです。」


確かに私は、彼女に「おかえり」と声をかけた。特に意図してのことではなかった。久しぶりに復帰して、また一緒に働くことになるわけで、元気になったからまた一緒に働けるわけで、良かったなぁと思う気持ちが「おかえり」だった。それが、そんなふうに彼女を元気づけていたなんて思っていなかった。それを聞けて私はなんだかとても良いことをした気持ちになった。何気なく発した言葉が人を傷つけたり元気づけたりするなら、私はやっぱり誰かを元気づける言葉を発していきたいと思う。



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