
世界との距離。35mmと50mmの葛藤。レンズを決めるまでの日々。いつかライカ②
M10-Pが手元にやってくることになった、2024年末。
しかも、なんと!あの!野口さんのM10-Pだよ!!と(“あの野口さん”はこの野口さんです、記憶に残る写真を撮る世界的な写真家の!信じられる?)
それだけで無条件に嬉しく日々呆けていたわたしは、すっかり忘れていたのですね、
レンズを選ばないと撮れないことを。
レンズ。色合いと共に世界を写し込むもの。
なんでもいいよってわけにはいかないわけで。
ファインダーを覗いた時に楽しくなれる距離、
本能的に見える距離、
一歩進んだり下がったり無心で把握できる距離。
この10年あまり、
Nikon FM2とともに街歩きをしていた頃の楽しかった気持ちを追いかけ続けて叶わずにいた自分からすれば、悩みに悩むところでもある。
あの頃を思い出すならば、
当時と同じ50mmを選ぶべきか。
でも、久しぶりに覗いた50mmは余りにも近く感じたし、知らない間に50mmじゃない自分になっていたかもという不安や、
世の中を俯瞰的に見ながら、一歩踏み込める自分になりたいなんていう欲望もあって
35mmにするか50mmにするか
50mmにするか35mmにするか
と行ったり来たり。
厚かましくも野口さんに心のうちを吐露して
様々な観点からアドバイスしてもらって、
カメラ屋さんに駆け込んで話を聞いたり触ったり。
最終的に選んだレンズは、
Summicron-M 50mmの第3世代。
はじめてNikon FM2を手にしたときに
カメラ屋さんに言われた「いつかライカ」が叶おうとしている。
しかも、あの野口さんのライカだなんて唯一無二すぎる!夢なのかな?夢かもな?!いやいや現実か!って毎日思って過ごした、かけがえのない1ヶ月。

ちなみにこの時点で野口さんとはまだお会いしていなく、完全に、神様みたいな存在でした。