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願意にそいがたい

こんにちは、mitsuamiのnozomiです。タイトルにした「願意にそいがたい」という言葉、私はこの度初めて目にしました。私たちmitsuamiが5月にchange.orgにて署名を募った”新型コロナ流行に伴う子どもたちの活動制限の見直しを求めます”をメンバーが居住する自治体の議会や教育委員会に陳情や請願として提出しました。その陳情の一つ、東京都大田区議会から届いた審査結果の通知文書の文言です。

陳情受理日は緊急事態宣言解除の翌日、5月26日。議会からの封筒が届いたのが6月24日。すでに学校が再開し、陳情が受理されてから1ヶ月ほど経つので、「一部願意をすでに満たしている」という不採択理由はありうるだろうなぁ、と思いつつ、封を開けるとただ一言「願意にそいがたい」。文科省肝いりのICT活用についての要望も含む内容です。「現在対応検討中」とか「次年度の予算に組み込む余地あり」とかそんな期待が通用するような世界ではなかったようです。「願意にそいがたい」という言葉そのものが不採択を意味しているとしか思えず、これを不採択理由として記載するということは、理由を説明しない意思表示ではないでしょうか。

他の届け先(東京都議会、都教委、神奈川県議会、大田区教育委員会等)からの通知についても今後受け取り次第、随時報告しようと思います。

ここで陳情文書の内容を以下に、全文記載いたします。

(引用)
学校再開後の具体的対応策の公開およびICT環境の整備に関する陳情
コロナウイルス感染の影響による長期の休校措置により、多くの子どもたちが「子どもの権利条約」によって世界的に定められている「育つ権利」を奪われています。学校の福祉的な役割も鑑みると「生きる権利」「守られる権利」も保障されず、外部との接触を絶たれることにより「参加する権利」も失っている状態です。このような危機的状況を少しでも早く脱するべく、以下の内容を陳情いたします。

【陳情の要旨】
●以下の対応策を明示した上での、早急な学校再開を求めます。
 1.学校・家庭での感染予防策、登校日や登校時間をずらすなどの具体的措置
 2. 登校が難しい家庭に対する学習支援、家庭訪問などの対面フォロー
 3.学校で感染者が出た場合の学級閉鎖の規模、およびその後の再開までの基準
●公園や図書館などの公共施設の開放を求めます。
●今後、柔軟な教育を可能にするためICT環境の速やかな整備を求めます

【陳情の理由】

・学校再開について
長期の休校期間中、各家庭での自粛生活では様々なことが起きています。家庭の事情により日中一人で過ごさざるを得ない子ども、親が自宅にいたとしても在宅ワークなどで多忙のため十分な学習が行えなかったり、また外出自粛のためにコミュニケーション不足・運動不足に陥っている子どもも多くいます。学校給食で栄養を補っていた子どもはその機会を失い、外部とのつながりを失ったことで虐待やDVが見逃される確率も高まっていると考えられます。
子どもたちが社会から切り離されてしまっている現状を解消するためにも、「学校へ行く」という選択肢を早急に整備していただきたいと思います。
また、感染リスクを考慮するなどの事情で登校を避けたいという家庭も等しく教育・福祉をを受けられるよう、個別での学習支援や対面での親子の心のケアといった対応策を同時進行で整備していただきたいです。
そして学校再開後に感染者が出た場合、今回のような長期にわたる先の見えない休校という事態を避けるために、どの程度の規模・期間の学級閉鎖を行うのかの基準をあらかじめ設定・周知していただきたいです。
・公共施設の開放について
公共施設は子どものみならず、全市民の生活に密接に関わる場と言えます。よって、感染リスクを抑えながらも運営していく方法を模索する必要があると思われます。
感染リスクの低い公園などの屋外施設は、感染予防策をとる事を前提としつつ速やかに開放していただきたいです。図書館やホールなどの屋内施設に関しても、消毒や利用者の人数制限といった対策を施しつつ、順次利用再開を求めます。
・ICT環境の整備について
今後の感染者増加による休校の可能性はもちろん、不登校や自然災害などさまざまな状況下でも子どもたちが柔軟に学び、コミュニケーションを取ることを可能にするためにも、ICT環境の整備は不可欠です。学校のみならず保護者の理解・協力を得つつ、また自治体内での情報交換も活発に行なっていただき、社会全体で推進していくべきと考えます。

【参考資料】

署名活動(2020/5/11~5/22)”新型コロナ流行に伴う子どもたちの活動制限の見直しを求めます”
http://chng.it/2sLpKS8ZxG

認定NPO法人フローレンス(2020/3/10)一斉休校に関する緊急全国アンケート
https://florence.or.jp/news/2020/03/post38598

森内 浩幸(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 小児科学 教授 )
岡田 賢司(福岡看護大学 教授福岡歯科大学医科歯科総合病院 予防接種センター長)
(2020/5/15)小児の新型コロナウイルス感染症に関する医学的知見の現状
https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/1235
日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会
「小児の新型コロナウイルス感染症に関する医学的知見の現状」
www.jpeds.or.jp/uploads/files/20200520corona_igakutekikenchi.pdf

(引用終わり)


休校だけでなく、公園の遊具に規制線が引かれていたり、アスレチック広場や交通公園、各種コートが使用禁止にされていたり、図書館にも出入りできなくなっていたことについても、子どもたちにとっての居場所が不合理に制限を受けていたと私たちは認識しています。学校という子どもたちにとっての社会が閉ざされていた期間についての見直しを求めた内容で、具体的な要望内容が複数項目になっているため書式上欲張りなものだったのかもしれません。一つ一つの要望項目について陳情書を作成し、抜けのない内容で作りこむ必要があったのかもしれません。この点については次の機会に改善工夫したいと思います。


この審査の場にいた議員から聞いたところ「公園は閉鎖されていなかった」という担当職員の答弁で審査が終了してしまったとのことでした。この議員は、陳情者が事実誤認をしているような扱いはおかしいとして、訂正を求めたが、その要求に区職員は応じなかったそうです。

同審査で扱われた区民からの陳情の数、87件。

うち継続が2件。他85件が不採択でした。
大田区区議会請願・陳情審査結果令和2年分
ちなみに、同日議決が行われた区長提出議案については全て可決。


政治家が議員になろうとして選挙活動で声高に叫ぶ「小さな声を、聴く」とか、「政治は国民のもの」とか、いったい何なんでしょう?

明日は、東京都知事選です。
選挙は市民が政治に影響できる数少ない手段です。
本当に自分たちの代表として働いてくれる人を見極めるための貴重な機会です。
投票権は決して放棄してはなりません。
有権者としての責任のもと、自身の自由な選択によって、投票権を行使しましょう。





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