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経営計画はなぜうまくいかないのか

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計画策定について、抽象的な「あるべき論」を読んでも、自社の個別事情に照らし合わせようとすると、「うちは特殊だから」といって途中で閉じてしまうことが多いと思います。本書では失敗パタ… もっと読む
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#経営管理

⑤最低限の負荷で最大限の効果を生み出す計画なんて存在するのか?

 このマガジン「経営計画はなぜうまくいかないのか?」のもととなる書籍を書いたきっかけは、ある会社の経営企画部長からの相談でした。計画を作るときにはいつももめる。役員には立派な親会社から来た人もいて、そういう人は相応の高いレベルを求めるために「なんだこのレベルは!」となる。ところが「現場が動いてなんぼ」の人たちにとってはどうでもいい指摘で、実際に計画内容のレベルと業績はどこまで関係があるのかどうかもわからないといった具合でした。  ただ、実際に現場から提出された計画書を見ると

④の12;計画に対するコミットメントを引き出す仕組みがない

 計画を出して内容を確認するときには「頑張ります!」とは言うものの、会議室を一歩出れば「ふう、終わった」となる会社は多いです。

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④の11;販売、在庫、生産、設備投資、資金、人員の計画連動が甘い

 当たり前ではありますが、モノがよく売れれば、モノはたくさん用意しなければなりません。製造や小売であれば仕入れる資金も必要ですし、追加設備も必要になってくるかもしません。

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④の10;KPIが細かくて多すぎて、運用できない

 10年ほど前から「見える化」という言葉が生まれました。もともと概念はあったのですが、言葉としてわかりやいことで一気に広まったように記憶しています。企業の運営にかかわる色々なアクションのプロセスや結果が見えるような項目・KPIを立てて数値化して、かつ、様々な軸で比較できるように一覧することで、課題が浮き彫りになっていくということかと思います。確かに企業マネジメントにおいて極めて重要なツールだとは思います。

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④の9;フォームとルールに依存する

 会社組織が成長して大きくなるほど、管理業務が増えて来るのが通例です。成長している会社というのは当然資金的にも余裕が出ますので、管理系部門を始めとして優秀な人材が入ってきます。やがて「組織を仕組みで動かした経験者」というエリート(?)が管理系部門に入り始めると、管理業務の効率化を図っていきます。そこで登場するのが、色々なフォームであり、ルールです。

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④の8;計画を立てるという「手段」が「目的」となる

 あくまでも立てた目標に向かってアクションを実行し、結果を出すことが目的であったはずです。

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④の7;予算枠の過度な重視

 体質の古い会社、大きな会社やきちんとした会社において見られるのが、何かアクションを取ろうとし、それに費用がかかる場合において、「計画(予算)に織り込まれていたかどうか」を判断材料として過度に重視する現象です。

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④の6;社内(アップサイド計画)と社外(ベース計画)を使い分けない

 「売り上げはまあ、来年も横ばいで」なんて言われたら、社員としても「あ、それでいいんだ」と捉え、奮起しないということは容易に想像ができます。

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④の5;具体的ステップへの落とし込みが甘い

 計画を考えるうえでは、まずは5-10年後にどうなりたいという目標が立ちます。それを受けて、3年後、1年後、半年後はどんな状態であるべきなのか、そのために何をすればいいのかを考えるのが基本的なパターンです。そうした時間軸をもとに、投資やアクション実行が足並みがそろっていない計画というのをよく見かけます。

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④の4;現実を客観視しない

 いくら具体性を持ったストーリーを立てても、よくよく見ると「そうなったらいいな」がそのまま文字になっている状態になっていることがあります。客単価を上げるとか、シェアを奪回するといったような売上に関わる点にありがちです。

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④の3;目標とストーリーの立て方が曖昧

 目標数値を立てた時には、その実現に向けたアクション案を必ず合わせて立て、その結果数字がなぜ達成できるのかというストーリーを経営者と社員で共有し、数字に意味を持たせなければなりません。

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④の2;課題と解決がコインの裏返し

 会社の課題というのは様々ですが、よく掲げられる課題として例えば、「人材の元気がない」ということが挙げられます。それに対する方策が、「モチベーションを上げる施策を継続的に打っていく」と立てられていることがあります。ひどい場合は、それで終わりです。それで人材に元気が出るのでしょうか??

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④の1;売上目標、あるいはP/L(損益計算書)にかかる目標数値しかない

 スタートしたばかりのベンチャー企業でもない限り、目標は利益をベースに考えるべきです。

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④ありがちな経営計画の失敗12パターンと解決策

 このマガジンでは、計画作成とはどうあるべきということよりも、どんな失敗例が他社にはあったかというのを紹介していきたいと思います。各社にとっての「正解」は各社様々ですので、失敗を避けることでそれぞれの最適解に近づいていくのかと考えます。 ★何カ月もかけて何人もの社員の時間を使わせて計画を作成したものの、全体的に「ほんまかいな」という内容になっている ★結局何がどう変わるかがピンと来ないため、社員の間には数値目標が頭の片隅にある程度で、存在感がなくなってしまった ★いつも