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書類とケンカしている|エッセイ

書類に記入する。ということがすごく苦手だ。
あの白いA4の紙を見ると、ひいいと息をのんでしまう。

去年娘が小学校に入るときはとんでもない量の書類を渡されたので、しばらく見ないふりをしていた。

しかし書類は見ていないうちに減るという性質はないようで、そのままの状態、むしろ増えたように見える書類の山はそこにそのままあった。

満を持して、書類に取り掛かると、口座番号だ、勤め先だ、家族の電話番号だ、などと調べなければわからない事柄がどんどん出てくる。

それらを1つ1つ調べて、記入して、住所と名前を100回かかされて、やっと終わる。かと思いきや、このあとは提出する書類と手元に残す書類と、記入見本などのいらない書類と、ただ情報を伝えてくれる書類とに分けなければならない。

この情報を伝える書類がやっかいなのだ。期間限定のものもあれば、長くとっておきたいものもある。さらに自分にとって必要なのかそうでないのかがわからない書類まででてくる。

さらにそれらの書類は、いつなん時でもすぐにほじくり返すことができるよう、所在地を明確にしなければならない。

いつもここだ、ここだとまとめているのに、大切だとわかっているのに、なぜか書類達は、私の元から離れてゆく。

私の書類に対する嫌悪感が伝わるのだろう。
嫌っているものに好かれることはないのだ。

世の中には、相入れないものが存在する。

今日も溜まってしまった書類の山を、そろそろ減っているかなと横目でにらみつけている。


【あとがき】

書類書きたくないっていう思いも「書く」という習慣がなければ気づかなかったかも?と思っている。

日々の行う活動の中で好きでもないのに、ついついやっていることが埋まっているのかもしれない。

そんなひとつひとつを掘り下げるのはおもしろい。これこそが「書く」の醍醐味だろう。

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稲橋 閃
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