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心理検査〜拒む母から見える世界〜

入院中の母が心理検査を拒んだ。


母が入院した記事はこちら。


心理を追求される事が嫌なのであろう。

自分は正常、あなたたちがおかしい、というのが躁転した時の母の主張だ。
言い方を変えると自分は特別な才能を持った人間で、凡人の私たちとは理解し合えないとも言っていた。

母は確かに語学や音楽といった才能を持っていると思う。英語は独学で講師にまでなり、結婚後は自宅で小学生&中学生向けに英会話を教えていた。(そんな母が自慢でもあった。)

音楽も大学時代からギターで弾き語りのようなことをしていたようだし、カラオケも好きで私が中学生くらいの時には、歌を習いだし、ライブをするというようなこともあった。時代もバブルだったので、華やかなパーティーの席で歌を数曲披露してギャラをもらう、というようなこともしていた。(お稽古代、衣装代などを考えたら主婦の趣味の領域ではあるのだが。)

その頃の私は、中学生でまさに思春期。子供のことを顧みずに我がの事に没頭する母に対し、反抗心や恨みのようなものが強かった。地元の中学で当時あまり環境も良くなく、同じように家庭に不満がある子たちと一緒に問題行動も起こした。

その行動は、警察沙汰になり対象の保護者全員呼び出され、校長室でこっ酷く叱られた。私は完全に愛情不足で心がかさついていた。

学校からの帰り道、母がしょんぼりとしていた。言われた言葉は今でもはっきりと覚えている。

「お兄ちゃんが、自分の真似を妹がしてしまって反省していた。」

3つ上の兄も中学時代は荒れていたので、私と同じことを確かにしていた。家でも暴れていた記憶がある。私は兄とは仲良かったので、兄に申し訳なかったと思い反省した。ここでも母は謝ることはなく、自分の言葉で私に語りかけることもなかった。


今回、心理検査を拒む母に対して、やはり一生私たちの気持ちを理解してくれることはないんだろうなと思った。治療したい、と思っているかどうかも伝わってこない。

自分は正常、という枠からは出ようとしないし、出るつもりもないようだ。

当事者会では病識のある方々に会えて希望を持っていたのだが、私の母はやはり筋金入りの我が道を貫く人なのだろう。


主治医の先生も母の傾向や特性を理解しておられるようで、今の治療というより次の入院に備えるお話を父にされたようだ。次にまた同じようことが起こった時にどうするか、理想は母の口から入院する、と言ってもらえるようにとのことだが、長年母を見ている私からするとそれは難しいだろうなと思う。

父がまだ元気だからいいが、この先父が弱ってしまったらと思うと不安は募るが、起こってもいない事で不安になるのはやめよう。

最後に今回の入院の良かった点は、主治医の先生を母がとても気に入った事と、薬が母の体に合っていた事。入院中の食事が美味しいと言っていた事。(身体の回復が心の回復につながるはずなので!)

本当に病院の関わってくださる皆様には感謝しかない。あのまま自宅にいたら、母の体もボロボロになっていただろうし、母に振り回され続けた父が逆上してしまって最悪の事態だってあったかもしれない。

私もこうやって距離がある事で冷静に母を見つめ直すことができている。
なるべく良い未来を想像して過ごしていこうと思う。



読んでいただき、ありがとうございます。
皆さんの心の平穏を心から願っています。


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