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ストレスチェック いつ実施すべき?

以前にも少し自己紹介をさせて頂きましたが、私の仕事はいわゆる「ストレスチェック」の提供・分析・改善提案・施策フォローをメインにしています。

クライアントの層は主に、300名〜10,000名の従業員規模、製造/情報通信/インフラなどの業界となっています。
もちろん具体的な社名は言えませんが、よくCMでみたり、某経済番組の特集で取り上げられたりと、かなり知名度の高い企業を80社ぐらい担当させて頂いています。

ストレスチェックの結果を独自の方法で分析し、
最終的にはクライアント企業の経営層に結果報告ならびに施策の提案をさせて頂いています。(いつもいつもド緊張です...)
経営層への報告に向けて、実務担当者(人事や事業部門長)と協議を重ね、データと現場感のすり合わせ、課題の仮説立て、改善のための3〜5カ年計画の立案を行い、経営層から協力と決裁をゲットするため(一番大事)にどのようにメッセージ訴求をしたらいいのか現場レベルでしっかりと協議します。

そんな感じで結構みっちりとストレスチェックを通じて企業と関わっています。だからこそ分かるのですが、2015年から義務化されたストレスチェックは、いまだ、職場改善のために活用されていないと感じます。

まだまだストレスチェックが「お、なんだ、結構使えるツールじゃん!」と認識されていないんですよね....

よくこんな声を耳にします。
「ストレスチェックの結果がネガティブな人事評価や配置転換に繋がるのではないかと不安です」
「(管理職として)自組織の数値が悪かったら、人事や経営層から詰められるだけの嫌なサーベイなんだよな...」
「毎年回答しているけど、結局、会社も自分たちの部署も何も変わらないじゃないか」

そこで私個人として、
ストレスチェックと企業、ストレスチェックと人事・管理職、ストレスチェックとメンバー層、その間にある壁を少しでも取り除いていくためのTipsをnoteで紹介できればと思います。

そこで本日のテーマはこれ!

ストレスチェックはいつ実施するべき?


なんでこのテーマにしたかというとですね、まさに今(1~3月)がストレスチェック(以下、SC)の実施時期の見直しにオススメのタイミングだからです。
(前提として、年度を4月期初の3月期末とさせて頂きますね。)

結論から言います。

SCのオススメの実施時期は、6月〜9月です!


あくまで個人の見解ですが、クライアントにはよく聞かれるのでこう答えています。理由を説明していきますね。

まず前提のお話ですが、
ざっくりいうとSCは4月から翌3月末までに会社全体で実施完了し、労基署に所定の書類で報告できれば法律的にはOKです。
なので、実施時期はピンキリです。
4月実施の企業もあれば、3月ギリギリの企業もあります。

ではなぜ、6〜9月がオススメなのでしょうか。

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SCに限らず、サーベイはその結果のフィードバックもセットで運営していくことが基本です。
結構、SCにいたっては「やって終わり」の意識が強く、フィードバックを忘れがちになる実務担当者が多いです。SCは結果を従業員や管理職にフィードバックして、職場改善の話し合いに役立てていくことが最終目的の1つですのでセットで考えて頂きたいですね。
そしてSCの実施も、フィードバックの実施も、そのタイミングを誤ってしまうと効果的なアクションではなくなってしまいます。

上の図をご覧ください。
例えば、期初の集団形成期にストレスチェックを実施することは適切ではありません。

SCでは職場でのストレス度合いを測定しています。
組織のメンバー編成がまだ落ち着いていない時は、メンバーも「まだ何も分からないから答えようがない」といった状態でしょう。

また、環境変化に伴いストレス度合いも自然と高くなるのではないでしょうか。しかし、2~3ヶ月ほど経つと徐々に慣れていき、ストレス度合いも収まるでしょう。
このように一時的なストレス変化が想定されますので、その職場の「平熱」を測るという意味では、期初にSCを実施するのはあまりオススメしません。

もちろん、そのような環境変化によるストレスをしっかり測定していきたいというスタンスであれば実施してもいいと思います。しかし、そのストレスレベルはあくまでも一時的な「微熱」「高熱」かもしれないことに留意する必要があります。

私のクライアントの多くが、業種に限らず、10月以降が繁忙期になる傾向にあります。サーベイやその結果のフィードバックが繁忙期に差し掛かってしまうと、「こんな忙しい時に勘弁してくれよ」と不評を買うことになります。

またそうすると、SCの回答率も悪くなり、母数が稼げないために、適切な集団分析ができなくなる恐れがあります。
余談ですが、私の体感だと、回答率が80%を下回っている企業は要注意です。実施率向上のため、実施スケジュールの見直しを検討したほうがいいと思います。

最後に、、、期末にフィードバックすることもオススメしません。
期末に行うと、そのフィードバックをする時には、期が変わると同時にメンバーや目標が変わってしまっていて、「それは前期の話だよね」となって現メンバーに響きません。

以上のような理由から、6~9 月に、
SCの実施とフィードバックまでを完了させることをオススメしています。



サーベイの基本は、
「ただちに集計・分析し、すぐにフィードバックすること」です。

近年、職場やプロジェクトの再編がスピーディに行われる企業が増えてきています。

そのチームでいる間にフィードバックしなければ意味がありません。



SCにおいては、
先述したように結果を職場改善の話し合いに活用することが重要です。
その話し合いのための時間も本来であれば必要です。

だから「SC実施」+「フィードバック」+「話し合い(ガチ対話)」のセットで実施スケジュールを検討できると一番良いかと思います。

ただそれはなかなか難しいと思いますので、
まずは「SC実施」+「フィードバック」を6~9月に完了させられるように調整してみてはいかがでしょうか?


毎年SCを回答してるメンバー層から、「結局何も変わらないじゃないか」と不満が上がってきていませんか?
いい意味で、メンバー層も職場を良くしたいと願っているのです。
だから経営層、人事、管理職の一挙手一投足に期待しているのです。

全てを一気に調整するのではなくて、
まずはSCの実施時期の見直しから進められるといいですね。


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