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マイベスト・レファ協DB(2019)を通してAI司書について考えてみた

きっかけ

Twitter界隈にて、某政党から提出されたとされる

「学校司書の配置促進と専任化など、学校図書館のさらなる拡充には同意できません」
「図書館の司書は近い将来、AI(人工知能)にとって変わられる業務と予想されます」

という文書をチラ見しました。(まさに「#なんか見た」レベルですが)

さて、果たして本当に「AI司書に現在の人間の司書のような仕事は可能になるのだろうか?」と考えたときに、特に「代替は難しい」と強く感じたのが司書業務の中でも「レファレンスサービス」の業務でした。

レファレンスサービスとは?

レファレンスサービスとは、平たく言うと「図書館利用者の調べもののお手伝い」です。

ですが、単に質問に対応する蔵書の場所を示すだけではありません。利用者が本当に知りたい内容を理解して、それに対する質問を行うことで調査を適切な方向に導いて資料を提示するという、かなり有機的な作業です。

私も今まで、いろいろな図書館の司書の方によく助けられました…(特に読み聞かせ本の選定では「季節感があって」「低学年向けで10分くらいで読めて」「絵が綺麗で」とか、私も要望が細かい細かい)

レファ協DBとは?

ぶっちゃけこちらのサイトにも書かれているんですけど(笑)

平たく言うと「図書館のレファレンス事例や調べ方マニュアルなどなどのデータを図書館どうしや一般利用者で共有して、レファレンスサービスや調べ作業を支援するための事業」です。

私は読み物的に、Twitterでレファレンス事例がbot的に流れてくる「国立国会図書館レファ協公式 (@crd_tweet)」さんのアカウントをフォローして、普段からこちらのレファレンス事例を眺めていますが、何度も「これは司書さんGJ…!」という事例を見ています。

きっと冒頭の意見を出した冒党の方は、こういう優れたレファレンス事例を読んだことがないに違いない!と思って、勝手ながら、こちらの中から私が唸ったベストレファレンス事例(2019年版)をいくつかご紹介させていただこうと思います。

①魔法がつかえるようになりたい。

「児童室のカウンターにて男の子に『魔法の本ありますか?』と聞かれる」ところからの魔法の本の紹介。ほっこりします。

②父が言っていることと違う事実が書いてある本があります。本棚に並べておいてよいのですか?

結論は「並べておいてよい」ですが、そこにいたるまでの回答が「図書館の自由に関する宣言」も絡めてなされている点に素晴らしさを感じます。

ちなみにですが、この「図書館の自由に関する宣言」宣言を元にして起こるのがフィクションの「図書館戦争」ですね。いやはや。

③夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したとされる根拠となる文献はないか

これが意外なことに「典拠はありません」!かなり知られている話になっているんですけどねー。

④入試面接で「最近読んだ本」として答えられる本を紹介して欲しい

レファレンス依頼が自分探しにつながっている、myベストレファレンス。ちなみにこの生徒の最初の質問は「夏目漱石の本はどこに有りますか?」だったんです…。担当の司書さんの質問力が高すぎます。

AI司書にここまでのレファレンスができるのか?

他にも興味深い事例はありますが、前述のTwitterアカウントかレファ協DBのサイトを覗いていただき、ご自分の気になるレファレンス事例を探していただければと思います。

果たしてAI司書に、このようなレファレンス業務ができるでしょうか?

私は「現状ではかなり厳しい」と思っていますが、いかがでしょうか?学校図書館については、特に。

以上です。

記事を読んで「美味しいコンビニスイーツとかアイスをおごってやるか…」というお気持ちになりましたら、よろしくお願いいたします。 すごく美味しいモノに巡り合えたら、こちらで紹介するかもしれません…!