深夜徘徊

こんばんは。みとひです。
ちょっと前に思ったことをそのまま書きます。

最近、精神状態が非常によくない。
私の精神状態が良くない時の第一段階は異常な眠気から始まる。
1日15時間くらい眠っても眠いという状態が続く。
ずっと寝ていると1日を無駄に過ごしたように感じ精神状態が悪化する。
一歩戻る。

この前はそれに加えて、破壊欲求が非常に強い夜だった。
目の前のモニターを叩き割りたい。キーボードを叩きつけたい。何もかもにむしゃくしゃする。叫びたい。何を叫びたいか分からない。
イライラするの無限ループ。

我慢できずに部屋をめちゃくちゃにする前にとりあえず家を飛び出した。
深夜2時過ぎのことだった。

このくらい精神が悪くなると浮遊性めまいのような症状が出る。
地面に足がついている感覚がなくなり、視界はぐらつく。ぼやける。
自分がどこに向かっているのか分からなくなる。(今回の場合目的地はないので当たり前だが)

立っていることですら、辛い。
ただ前へ歩く。

視界は安定せず、平衡感覚はないため、自然と千鳥足になる。
ただ前へ歩く。

体調が悪いのを意識すると呼吸も浅くなる。
軽いパニック発作のような状態になる。
ただ前へ歩く。

辛い。苦しい。だが、止まっていたらもっと辛い気がする。
ただ前へ歩く。

この時間になると終電を逃し歩いている人も多い。
よく見れば全員向かい側から歩いてくる。
ここで自分が繁華街の方に向かって歩いていることに気が付いた。
ただ前へ歩く。

中にはよって千鳥足で歩く人もいる。
傍から見たら私も同じように見えているだろうか?
ただ前へ歩く。

歩道橋を上っている最中にシャンビリが襲ってきた。
(頭に電気が流れて、一瞬意識が飛びかけてすぐ戻るような症状です。)
…階段を上っている最中は危ないのでやめてほしい。
ただ前へ歩く。

コロナ前からずっとマスクを着けていたので普段苦しいと感じることはないが、今日に限ってマスクが凄く邪魔に感じる。
ただ前へ。

通りかかったベンチに金髪の女性が座ってスマートフォンをいじっていた。
この人も何か訳があってここにいるのだろうか。
丸まった背中が物悲しく見えて、理由が気になった。
しかし、今の自分に前を歩く以外の行為は出来そうにない。
息は荒く、足取りは覚束ない。
話しかける言葉も思いつかなければ、そんな余裕もない。
…それにどうせ迷惑だろう。
ただ前へ。

女性が道端で嘔吐していた。
お酒の飲みすぎだろう。近くでは友人であろう男女が談笑していた。
介抱する様子もない様子で気の毒に思ったが、色々手を尽くした後なのかもしれない。
ただ前へと歩く。

酸欠で苦しい。吐き気も出てきた。
ただ前へと歩く。

視界は歪み、地面の感覚はなく、方向感覚も失い、息は苦しく、吐き気もする。とにかく辛いが、何となくそれに救いを感じている自分がいる。
元々悲劇のヒロイン症候群を患っているにしても、ここまで辛いことにも酔えるのであれば、社会の辛さにも迎合してほしかった。
ただ、前へ歩く。

あるいはこれもリストカットと同じ自傷行為の一種なのだろうか?
ただ前へと歩く。

無償に先ほどの金髪の女性が何故こんな時間に外にいるのか気になってきた。
来た道を戻る。

自分と同じく、精神を病んでいるならば傷のなめあいが出来るかもしれない。
前へと歩く。

なんて話しかければ警戒されないだろう?やはり最初は挨拶だろうか?
前へと歩く。

ベンチまで戻ると女性はすでにいなかった。
やっぱりね…。と思いつつ、無理して支えてきた体の糸が切れる。
その場でベンチに倒れこみ、深く息を吸うことだけを心掛ける。
寝転がっていても世界が歪む。目を閉じる。ただし寝ない様に。

何となく人のぬくもりを感じる気がした。
気持ち悪いなぁ自分。

しばらくして、雨が降ってきた。
体は動かない。
濡れていくが寒くはなかった。

あいにく傘は持っていなかった。
飛び出したので当然ではあるが。

帰ろうとまた、歩き始める。

嘔吐していた女性は友人と一緒にタクシーに乗るのが見えた。

道行く人も一緒に傘に入る男女ペアが多い。

誰もかれも幸せそうに生きやがって。
一人雨に濡れながら帰路を歩く。

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