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『コンフィデンスマンJP/ロマンス編』はスピルバーグ作品以上にオモシロかった!

コンフィデンスマンロマンス01

自粛というわけでもなく、家に居ることは特にいつもと変わりはないんだけどね。
ただ、テレビ番組とかはかなり変わってる。
そんなわけで、ここ最近、家で映画を観ることが増えたかな。

そこで、ちょっと思いついたこと。書いてみようと思います。

私は映画館に観に行くのは、ほぼ99.9%くらい洋画です。過去、自ら邦画を観に行ったのは学生時代だから、、、、40年近く前。それも途中退席したんだっけ。

最初で最後だな。途中退席なんて。。。。今はもうそんなことはしない。
でも、邦画を自ら選んで行くのはほぼない。

「連れ」がいて合わせる時は、まあ、、、、ね。くらいかな。
それでここ数年に何本か観ることもあった。映画学校出身とも思えない発言だね(笑)

中でも、けっこう乗り気で観たのが「マスカレード・ホテル」だっけ。
この映画はすごく面白かった。すごく好きだし、独断評価もめちゃ高い。(映画を語るときには上から目線ご容赦下さい。そして、スタッフ・キャスト名は敬称略です。)

マスカレードホテル01

邦画を差別してるわけではないんだよね。ただ観に行きたくなるほどの「パッション」?というか、、、期待というか。。。他の作品が優先順位で上にきてしまう。。そんなにたくさん観れる立場でもないのでね。

観る前の「期待度」というのは作品選びにおいて重要な要素となる。設定の中に、何かしら「気になる点」があると期待は膨らむわけで。

だから、「設定」とか「ジャンル」とか「ストーリー」を気にするんだよね。自分の場合は俳優とか、監督もとても重要な要素。「前歴」に相当すると思うんだよね。けっこう大きな要素かなと思っています。


そこで。どうして邦画の話、「マスカレード・ホテル」の話になったかというと。
ここからが本題(前置きが長い。。。)


今回、2本の映画をちょうど続けて観たので比較してしまったところがあって。
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
『コンフィデンスマンJP/ロマンス編』の2本。

キャッチミー01

どうして敢えて比較したかというと。これ、対比がオモシロイんだよね。
「設定」(この映画NOTEにはよく出てくる言葉です)が被る。どちらも「詐欺」が題材になってるからという、至って単純な理由だけど。

コンフィデンスマンロマンス07

さて、その対比というのをこれからつらつらと書いていきます。

因みに、結論から言うと。
大きな声で言いますが、『コンフィデンスマンJP』の方が圧倒的にオモシロかった。

この【映画NOTE】でのオススメ度でいうと。
『コンフィデンスマンJP/ロマンス編』は☆5です。文句なしにオモシロイ。小学生でも一緒に観れる安心の「白☆の5」です。

方や、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は、、、★3かな。「黒★の3」。

これ、ね。「期待度」でいうと実は「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の方が高かった。なぜかというと、有利な点が多いんです。

「設定」が同じ「詐欺」だけど、、、
◆『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の方が期待度が高かった理由

・物語が実話に基づく実話ベース
・監督はスティーブン・スピルバーグ
・主要キャストにレオナルド・ディカプリオ&トム・ハンクス
この点をもって、もう最強と言えそうですよね?

「実話」というのは、それだけでなんとなく説得力。それが稀代の大事件となればそれだけで関心が湧く。10代の少年がパイロットや医者、弁護士に成りすましていたっていう。信じられない話。こんな大がかりな詐欺事件が起こるなんて、アメリカはどれほど懐が深いんだろう、、って思いがした。

その興味津々な事件を、“あのスピルバーグ”が監督したという。スピルバーグという人は洋画好きな人で知らない人はいないでしょう。天才、いや宇宙人であるとまことしやかに噂が流れたほどの超絶スキルの監督です。

スピルバーグ監督作は本当に魔法を持ってる。作品全体の雰囲気とかは言うに及ばず。映像としての絵、色彩、造詣。さらに音響・楽曲。

「シーン」の切り替わりは観る側の心理というか脳内まで把握した上で、絵も音も変化し流れるように切り替えていく、、という感じ。本当に全てが魔法です。

長くアメリカ映画界でも天才の名を欲しいままにしてきた名監督。レジェンド中のレジェンドと言えます。その監督が30年のキャリアを積んできた上で、名優と名高いレオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスを起用しているんです。

そして、音響はもちろん(いつものように)映画音楽界でこれまた比較対象がないほどの超レジェンドであるジョン・ウィリアムズが担当。

ここまで。これ。凄すぎてもう。。。ぐうの音も出ないですよ。
天才とかレジェンドとか、観る上では関係ないですよね。観てオモシロイと感じるかどうかはネームバリューで観るわけじゃないから。でも、彼の作品は知らないうちに意識下にもはたらきかけるくらい凄い。
テンポとか、リズムとか、その辺りの編集の妙、、とかは私たちが意識はしていないけど確実にオモシロさとして受け取る部分なんですよね。

だから、この同じ「詐欺」設定の映画を2本見比べたら、悪いけど、、、、『コンフィデンスマンJP』陣営、ごめんね。。。と思ってたんです。


◆『コンフィデンスマンJP/ロマンス編』の方が負けるだろうと思った点
・監督は、、、しらない人(私が個人的に不勉強なだけですが)
・俳優、、、、テレビでよく見るから銀幕のスター感がない
・物語は架空の絵空事(ご都合主義でまとめてくる?)

どうですか。勝つ要素ないです、、、よね。


でも。めちゃくちゃオモシロかったんですよね。『コンフィデンスマンJP/ロマンス編』

一応、調べたんです。
監督:田中亮。劇場版長編映画はこれが初作品だそうです。

ここで、ふと思ったんですが日本映画はそれなりに世界でも評価されているし、面白くないわけないです。有名監督も多く輩出しています。けど、テレビドラマの劇場版となると、映画監督が撮るというよりテレビドラマの時の監督がそのまま担当する、、、ということになるんじゃないですかね?
テレビ界の監督って、正直どれだけベテランさんでもあまり知らないです。ここは自分の不勉強さゆえですが不利な点、、、むしろテレビの場合は脚本家が脚光を浴びたりしている印象です。

ところが、劇場版初監督対30年のベテランの勝負は一概には言えなかった。
テレビって、観客はいつでも好きに離脱できるんですね。容易に気を散らせる。トイレに行きたくなったとか、家事をしながらとか。間間にCMが入ってブツ切れになるとか。
それでもずっとテレビの前から離れずに観続けさせるというのはとても凄いことなんでしょう。自分もこのドラマは楽しみにしていたし、ずーっとテレビの前に座って観てました。

これは培われたテクニックの為せる業なんでしょう。確実に。そう感じます。観る人の興味を引き寄せ、引っ張り続ける力。この作品にはそれが溢れています。
それは緩急自在な緊張感とか。テンポやリズム、音まで駆使した戦略的に優れた作品になっているということなんです。

そして俳優
これもすごく良かった。
「ダー子」こと長澤まさみ。別作品が前歴として影響あるわけです。
『マスカレード・ホテル』のあの真面目なキャラクター。

マスカレードホテル02

或いはまだ観てないけど『キングダム』でのカッコいい姿、そこからのギャップ。

キングダム01

それぞれ良いけどこの映画を観ている間はもうすっかり、「ダー子」なんですよね。それが愉快でしょうがない。

コンフィデンスマンロマンス06

周りの他のキャラクターもそうです。
「リチャード」に扮する小日向文世。もう彼の器用さったらない。今の日本演劇界でも一番好きな俳優です。どの役柄で出てきても、主役でなくても、絶対的にその劇中で必要不可欠。それでいて彼でしかありえない絶対的存在。
「あ、またこの人出てるんだ」って最初は思うんだけど、もうこの人以外このキャラクターは考えられないようになってしまう。すごい俳優だなと思う。

『ボクちゃん』実は心配はここにもあった。プライベートが日本映画の場合情報が入り過ぎるというのが良くもも悪くも作用する。
映画を観るに俳優のプライバシーは関係ない。けど、耳に入ってくると邪魔になる情報もある、、、よね。無いに越したことないし。
作品選びにも「個人」がポリシーとしてにじみ出る俳優もいる。尊敬できると作品を観るときにこちらも安心して感動できる。
「ボクちゃん」演じる東出昌大。いろいろあったけど、このドラマには彼がピッタリ。彼の「ボクちゃん」があってこそ、このドラマは面白くなっていると思う。他の俳優では味がちがってくるよね。特にトリオものの作品はバランス感覚の絶妙さがいいわけだし。

コンフィデンスマンJP03

他のキャラクターもとてもイイ。
江口洋介演じる「赤星」。「悪役」?なキャラクター。犯罪もいとわぬ悪者、であってもいいのになぜか憎めない。カモにされてしまったりおちゃめなところもあるのは『デッド・プール』や『ハーレイ・クイン』にも通じるキャラクター像だよね。

コンフィデンスマンロマンス04

「五十嵐」「ジェシー」「モナコ」「ラン・リウ」など、どのキャラクターもとても生き生きとしている。

コンフィデンスマンロマンス10

コンフィデンスマンロマンス08

そして、観客を楽しませようとする雰囲気。

これこそ本当に大事なことだと思うんだけど。
この映画にはそれが凄くある。「映画愛」というか「映画を好きな人愛」かな。楽しませようという雰囲気が作品いっぱいに溢れてる。この雰囲気は観る側を本当に心地よい所に導くよね。安心して観ることができるというのもとても良い。

コンフィデンスマンロマンス09

あ、劇中数々の他作品へのオマージュが見られるのも、「楽しい小技」として好印象でした。(『ゴースト/ニューヨークの幻』で笑った)


これからもこのシリーズはもっともっとたくさん楽しませてほしいなと思う作品。
本当に「理屈抜きで楽しめる」映画だし、刑事犯罪を扱うドラマなのに小学生とも一緒に観ることができる安心フィルターな描き方。これは本当に大事なことだと思う。
今の日本映画の宝だと思います。

「リアル」とか、「シビア」とか「芸術性に名を借りた理不尽さ」とか。そんなの要らない。とは言い過ぎだけど、子供と一緒に楽しい時間を過ごしたいときってある。子供はすぐに育つからいま一緒に観ることが大事だよね。

映画って、面白いです。出来上がって、観たらそれがすべて。
内容が事実であるとかどうか、有名な人が出てるとか演出してるとか、関係ない。
観てオモシロイかどうか。

それが自分の中で評価ポイントとして積み重なってくんですけどね。
とりあえず、今のところ俳優・長澤まさみは最高レベルの俳優さんです。

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ファミリー向け映画の紹介記事→

https://note.com/mitikusa_synapse/n/nfd983d61bcec

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