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新ワークショップ「ONE HOUR CHALLENGE」は、生産性をめぐる発見にあふれていた!

こんにちは。ミテモの高橋昌紀です。

ミテモの森本康仁さんが開発した新作ワークショップ「ONE HOUR CHALLENGE」に参加してきました。こちらのイベントの様子と、私の感じたことをレポートします。

1 ONE HOUR CHALLENGEとは何か
2 どんな流れで進むのか
3 参加してみて何に気づいたか

この3つの順番でお伝えいたします。
最後には、次回のワークショップへの参加申し込み方法も記載しています。

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【読了時間: 10分】
(文字数: 4,500文字)
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【1】 ONE HOUR CHALLENGEとは何か

私なりの言葉でこのワークショップを説明すると
即席チームで、1時間の制限時間の中で映像を作ることと、その後の振り返りの時間を通じて、"生産性とは何なのか"を、対話を通して深く考えていくワークショップ
といったところです。

あるいは森本さんご自身の言葉を借りると、以下だそうです。
「もともとは子供の創造性開発のために世界中で行われているプログラムを、私が生産性を軸に編集したもの」

…ですが、ここまでの文章を読んでいただいても、ONE HOUR CHALLENGEがどんなものかは、まだ伝わらないと思います。

私自身もはじめて経験するものだったし、ほとんどの方にとってもかなり斬新な体験だったようでした。
それをお伝えするためには、順を追って説明していくのが良いかなと思います。

↑ファシリテーターの森本さん

【2】どんな流れで進むのか

まず、この日の参加者は8名でした。企業の人事・組織関係の部門で研修の導入などにかかわられている方、また、企業向けに研修講師やコンサルティングをしている方なども数名混じっていました。

参加者は4名ずつ、初対面の人同士になるようにテーブル分けをされました。

そしていよいよワークショップのスタート。
ファシリテーターの森本さんから、この日のテーマは生産性だということが伝えられます。
各テーブルごとでの、自己紹介タイムが終わり、いよいよワークショップの中で参加者が行うことが伝えられました。

「皆さんには、1時間のあいだでコマドリ動画を撮っていただきます。」

コマドリ???
鳥類? かと一瞬思いましたが、もちろん「駒鳥」ではなくて「コマ撮り」でした。

コマ撮り動画というのは、ストップモーションアニメとも言われます。要するに、写真をつないで表現された動画です。
YouTubeに分かりやすいコマ撮り動画の実物がありましたので、貼っておきます。

今回、参加者がいるテーブルの上には、PC1台と、ケーブルでつながったカメラのデバイスが置いてありました。
そのカメラを使って撮影した写真を、カンタンにつなげて動画にできるソフトウェアが、PCにはインストールされています。
チームの4人が協力して、そのPCとカメラデバイスを作って、1時間という制限の中でコマ撮り動画を1本作り上げることが、ワークショップのメインになります。

誰もコマ撮り動画を撮ったことなんてないし、使ったこともないソフトを使うということで若干の不安の表情が浮かんでいる人もいました。

では、素材としては何を使って撮影するの?ということですが。
チームが使うことができる素材がいくつかあります。
ケースに入ったレゴブロック、様々な色のペン、質感や色の異なる紙類。
これらを自由に使って、動画を作ることができます。

そして、いよいよ「動画を作る上でのミッション(目的)」が、森本さんから語られました。

「地域イベントで、子どもたち向けに昔話をコマ撮り動画で表現するワークショップをやることになりました。
 実行委員の皆さんは、子どもたちが製作イメージが湧いて、動画を作りたくなるようなお手本として、今から配る物語の1章部分を作ってください。」

なんと、ここで大事なことが明らかになりました。
ただ好き勝手なコマ撮り動画を作ればOKというワークショップではなかったのです。
ワークショップ自体が「ワークショップの実行委員の皆さんは〜」という構造になっており、真に考えるべきは子どもたちの体験、という設定なのです(もちろん、実際には子どもたちはいませんが)。

ということで前置きが長くなりましたが、ここからはチームで手を動かして、動画を作り始めることになりました。

しかしながら、ネタバレになってしまうのもあり、細かい製作プロセスの描写は省かせてもらいます。

手を動かし、チームでコミニュケーションを取りながら、連携して分担して、動画を作り上げていく。そのプロセスは非常に面白く、これまでに経験したことのない感覚に満ちていました。
なので、文章で書いたものを読んでいただくより、これに関してはぜひ今後開催するワークショップに参加いただいて、実際に体験いただくのが良いだろうなぁと思うのです。

事前に知っていただけると、参加する上での不安が減るかな? と思うことを2点だけ。
(1) 機器の操作は簡単です。カメラデバイスを適切な位置において、PC側でクリックして撮影するだけで写真が撮れます。あとはその写真が勝手にソフトの中で並んでいくので、動画も苦労なく作れます。
(2) 絵心や、カメラのセンスなるものは不要です。基本的にはレゴブロックを使うので、パーツを組み合わせれば、素材作りは誰でもすぐできます。

このワークショップは、1時間の制限時間をどう使うかは、各チームに委ねられています。ファシリテーターが命令や指示をすることは一切ありません。
実際の映画づくりのように、監督や脚本や撮影などの役割を配分するのも自由ですし、役割を何も決めずに製作に突入しても全然OKです。

そして慌ただしい1時間が経ち、なんとか私達のチームは時間ギリギリで動画を作り上げることができました。もう1つのチームも、動画を作れたようです。
たった1時間でなんとかなるものだなと、自分たちを褒めてあげたい気持ちになれるのは良いですね(笑)。

休憩のあとは全体で、各チームの動画をそれぞれ見せあい、またチームメンバーは何を思ってどういう1時間の過ごし方をしていたのかをシェアしました。
以後、振り返りのワークがいくつかあって、そこで対話をしていきます。

私自身は、この振り返りのワークでの衝撃が一番大きかったです。

正直なところ、1時間のあいだは、動画の製作に必死になっていて。そして、なんとか時間ぎりぎりで動画が出来上がって、それに満足していた部分がありました。
しかしそのあとの振り返りの時間で、もう1つのチームの完成させた動画を見て愕然としたのです。
一言でいうと、子どもたちが動画を作りたくなると思うような仕掛けが、彼らの動画には入っていたのです。
それを見て「うわ!やられた!どうしてそれができなかったのだ!」と悔しい気持ちになりました。
ミッションに対しての目的に合致するアウトプット。それが、ちゃんとやればできたはずなのにできなかった!という悔しさです。

実は、これこそが今回のワークショップのテーマ「生産性」と大いにつながってきます。

振り返りの中で私達のチームで出てきた話のひとつに「生産性ってなんだろうね?」ということがありました。

日本の生産性は低い、と経済新聞では書かれていたりするが、経済統計上の生産性と、私達が仕事の中で生産性を高めようと思って努力する意味での生産性って果たして同じものなのだろうか?

また、生産性の高い時間の使い方というのはどういうものか? ということも話し合いました。たとえばうちのチームだと楽しかったことはそれ自体が生産性が高かったように思うが、一方でチーム内でミッションが共通認識持てたかというとそうではなかったのかもしれない、という話になりました。

ここをさらに深掘りしていくような対話を、チームを越えて全体で行っていきました。

【3】参加してみて何に気づいたか

私の感想を、最後に述べます。

生産性という言葉それ自体について、たとえばある会社や組織の中において、深さと具体性を持った議論がなされていないケースがほとんどなのでは、という気付きを得ました。あるいは組織の前に、自分個人としてもそうだなと思ったのです。

企業の中では「生産性を高めましょう」という声がけに対して批判が出ることはあまりないでしょう。
しかし今回のONE HOUR CHALLENGEの取り組みで感じたことは、実は「生産性が何か」というのは人によっても状況によっても全然変わってくるのだということです。チーム内での共通認識なしで、生産性の高い営みを行うこと自体が困難です。

もちろん今回は初対面で、経歴や仕事もバラバラの人達でチームを組んだというのはあります。仮にこのワークショップを同じ組織のメンバーでやってみたら、どんなことになるでしょうか。もしかしたら、生産性という概念が明瞭に効率として意味づけされていて、我々の中ではブレてないよ、という組織もあるかもしれません。

しかし、そうだったらこのワークショップが無意味になるのか?というと。ひとつ違った観点から、決してそうではないだろうと思っています。
取り組むべきミッションが「人の心を動かすためのアウトプット」というものである限りは、意外性や驚き、感動というものがアウトプットに織り込まれていることが大切だと思うのですが、そうなると「単なる効率という意味での生産性」を追求していても、実は心動くものは生まれてこないように思うのです。

生産性について考えてワークショップではあるのですが、だからこそ一度、各人(または組織)のもつ生産性という言葉への思い込みや常識を横に置いて、共に動画を作るチームの中で、どうミッションを達成していくかにゼロベースで取り組むことが大切なのではないか、と思いました。
限られた時間の中で、チームメンバーとのコミュニケーションを通じて、「合目的性」と「心動かすもの」をどう表現していくか。難しいですが、これは良い意味でチャレンジしがいのある難しさだと感じます。

このワークショップ、何回かやってみたら、さらに発見には満ちているのではないかと想像しています。メンバーも違えばミッションも違えば、体験の質や対話の構造も変わってきます。それらを通じて、生産性ということ、そしてそれをどう高めていくかについて、実践につながる学びを深めていけるような予感があります。

と、やや固いことをつらつら書きましたが、単純に、コマ撮り動画を撮るのがおもしろい、というのもこのワークショップの良いところの1つですね(笑)。
今回ご一緒したチームメンバーの皆さん、素材を集めて加工してのシーンのロケを、全力で楽しまれていました。
ものをつくる楽しさ+映像に編集する楽しさという、2種類のクリエイティビティの発揮をエンジョイする。そしてワークショップの振り返りまでを終えると、生産性に関しての認識が広く深くなっている。
だとしたら、これはだいぶ生産性が高いですね。なお、ここでいう生産性というのは...。と思考のめぐりが尽きないのでこのへんで終わります(笑)。

ワークショップに参加された方のアンケートの記述を拝見すると「ワークをしたあとでの議論が非常に有意義だった」「楽しいワークで記憶に残りやすい」「マネジメント層向けに導入したい」などなど皆さんとても良い感触を持ってくださったようでした。
森本さんが工夫を重ねて作ったワークが皆さんに受け入れられていて、私も嬉しくなりました。

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最後に、ワークショップのお申込みの案内です。
直近に開催されるONE HOUR CHALLENGEのワークショップ体験会は、以下ページからお申込みいただけます。
ご興味が湧いたという、企業や機関の研修、人事担当者の方、経営者の方などなど、ぜひお申込みください。

今回は参加できないけれど、興味あります、今後の情報受け取りたい、という方は以下のフォームからお知らせくださいませ。担当者からお返事させていただきます。

コーポレートサイトに掲載しているプログラム紹介ページは以下になっております。PDF資料をダウンロードできますので、もう少し詳しく知りたいという方はこちらのページをご確認ください。

以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

本記事の写真は小林翔太さんの撮影です。ありがとうございました。

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