見出し画像

【DAY3】発音練習はどの程度言語習得に関係があるのか?

どうも、お坊さん英語講師のみっちーです!

今日の記事は、「発音練習はどの程度言語習得に関係があるのか」についてお話ししたいと思います。中高英語ではないがしろにされがちな「発音」ですが、実は使える英語力を得るためには、とても大切です。今日はそのことについて記事にしました。

まず、理論的なお話よりも、僕の実体験を話したいと思います。僕は、中学校の頃から英語は苦手でも得意でもありませんでした。中2に入って少し英語の点数が落ち気味になっていた時期がありました。そんな時、読売新聞主催の英語のスピーチコンテストの予選会へのお誘いをいただきました。本番は自分で考えた原稿を使って5分のスピーチをするのですが、校内予選は教科書の暗唱でした。どうしても、そのコンテストに出場したかったので、教科書を1000回以上読み込みました。結果として、北海道予選まで出場し、3位を取ることができました。しかし、この教科書の読み込み、スピーチコンテストの原稿の読み込みがもたらしたのは、この結果だけではありませんでした。次回以降のテストが飛躍的に点数が伸びたのです。全くみたことない文章だったとしても意味を取ることが可能になりました。そしてリーディングだけでなくスピーキングとリスニングも飛躍的に伸びました。

なぜなら、教科書の暗唱やスピーチで何も見ずに話すためには、英語の音声を保持しておく能力とその意味をしっかりと理解してそれに合わせた読み方をするという力が求められるからです。スピーキングが伸びた理由として考えられるのは、大量のインプットと少量のアウトプットをスピーチを作る際に発音を伴ってしっかりと実行できたからだと思います。

そして言語習得には大きく分けて2つの考え方あります。行動主義合理主義という考え方です。

行動主義はよくパブロフの犬の実験で説明されることがあります。犬にごはんをあげるときに、ベルをならしてからあげるということを反復していると、ベルをならすだけで、ごはんがなくても犬がよだれをたらすようになるというものです。これは日本の英語教育で使われることが多いです。見本の音声を聞きそれと同じ文型で模倣し何度も練習するといったオーディオリンガルメソッドがあります。しかし、この理論からいくと、学習者のミステイク(間違い)ネガティブに捉えられます。練習が足りていないからミスるんだと言われます。学校の先生が言いそうですね笑そして、行動主義の観点はやってもいないことを間違えるプロセスの説明がつきません。swim が swimmer になったり、playがplayerになったりすることを学んだとして、doctorをdocという風に間違える学習者が実際にいます。これは学習者の認知の面を十分に説明できていないとよく批判されます。

合理主義(もしくは生得主義)は、人間には普遍文法(Universal Grammar)というものが備わっていて、パラメータという働き(過程)によって最終的に正しい言語を習得していくという説明の仕方です。この場合は、学習者の間違いは言語習得にとって必要不可欠で、ポジティブに捉えられます。また、この考え方は、習った表現以外でも既習事項を応用して、新しい文章を作り出していく言語習得のプロセスも説明できます。

発音練習をすることで多くのインプットを音声を通して受けることができるということを説明するためです。そのインプットを使って、アウトプットをするというプロセスの中で、インプットした以上のの発話・英作文が可能になるのです。

また、語彙学習においても、言葉の意味はその「文字ではなく、音に結びつく」のです。この写真を見て何を思い浮かべますか?

おそらく、「りんご」と認識したはずです。しかし「りんご」という文字自体に意味が結びついているのではなく、脳内で必ずりんごを認識するためにりんごと発音しているはずです。

少し難しい説明になってしまいましたが、発音はその単語やチャンク(意味の塊)を覚えるのに重要な役割を果たすということです。

魚釣りを思い浮かべてください。池(脳)の中に魚(単語またはチャンク)がいます。魚を釣るための餌は音声です。発音をたくさんすればするほど、いい餌になり、魚が食いつきやすくなります。発音すればするほど、思い出しやすくなるということです。

これをより効果的にするためにもう2つの要素があります。

短時間で、繰り返すことです。

語彙などの意味の暗記は、短期記憶の方が蓄積しやすいので、1時間など長時間単語帳と睨み合うのではなく、5分10分の時間で何度も発音しながら反復するというのが一番良いやり方です。

そして、リスニング能力に関しても、よく「聞き取れない単語は発音できない単語」「聞き取れない速さは発音できない速さ」と言われます。正しい発音で早く読むことができれば、それだけネイティブの英語も聞き取れるようになります。なので、海外ドラマを英語字幕で見ながら、一緒に発音するという作業は理にかなっていると言えます。

しかし、自然な英語を話せるようになるためには発音による暗記だけでは不十分です。これに関しては、DAY6「コロケーションと自然な発話」でお話しします。

今日の記事をまとめます。

・発音練習とスピーチを組み合わせることによって大量のインプットと少量のアウトプットを可能にする。⇨インプットした以上のの発話・英作文が可能になる

・言葉の意味はその「文字ではなく、音に結びつく」

短時間で、繰り返すことが大切

「聞き取れない単語は発音できない単語」「聞き取れない速さは発音できない速さ」

どの程度関係があるのかというより発音は必要不可欠という方が正しいかもしれません。

今日も読んでいただきありがとうございました!

コロナウィルスによる収入の途絶、、、大学院に関わる学費・生活費は全て自分で負担しているので、なかなか厳しい時期を過ごしています。活動を続けるためにお力添えいただけると嬉しいです!