【桜木選書!】自分の性格を把握するための3冊。〜『超バカ読書』発売記念〜
『ドラゴン桜』『ドラゴン桜2』の主人公であり、作中では東大合格請負人として名高い凄腕弁護士・桜木建二。
その桜木建二が、思考力・表現力・読解力をあげる99冊の書籍を紹介する『超バカ読書』を上梓しました。
この記事では、『超バカ読書』には載せきれなかった「自分の性格を把握するための3冊を、桜木が紹介。
ぜひ桜木建二によるスパルタ読書講座を体験してください!
自分の性格を把握するための3冊。
コミック12巻、天野と早瀬は「勝負の夏休み」を前にして、心がける点を入念にレクチャーされる。
計画を立て、着実に実行していくにあたっては、自分の性格に合ったやり方をよく把握しておくのがポイントになる。ふたりは簡単な性格診断をして、天野が「保全型」で早瀬は「拡散型」であるという情報を得た。
自分の性格・性向をよく把握しておくことは、ものごとを成功させる第一歩だ。そのあたりの力になってくれるのが以下の本だ!
1. 「感情とは何か」 清水真木 ちくま新書
「感情は、私たち一人ひとりが何者であるかを告げるものであるとともに、私あっちが身を置く世界の真相を普遍的な仕方で明らかにするものでもあります」
若者言葉としてすっかり定着した「やばい」は、ずいぶん便利な言葉だ。指し示す範囲がおそろしく広いので、どんな方向にであれ感情が動いたときは、すべてこの一語を声に出せば足りる。
ただしなんでも「やばい」で済ませていると、感情を表すほかの言葉を捨て去ることにつながってしまう。それでは言葉を失うだけでなく、こまやかな感情の動きを把握できなくなる。感情表現の幅が細るというのは、自分の心情が貧しくなることに直結する。人を支配しているのは感情であり、感情こそが「私は何者か」を指し示してくれるのだ。だから人は古来、感情の正体を見極めて、感情とうまく付き合っていこうと試みてきた。
思想・哲学の分野では、古代ギリシアの哲人たちが早くも「感情とは何か」という問いに取り憑かれてきた。アリストテレスは著書『詩学』で感情論を詳細に述べている。その流れは脈々と継がれていき、近代思想の礎を築いたデカルトも、「驚き」の感情に注目した。さらには20世紀の思想家ハンナ・アーレントは、意見を異にする者たちがオープンな場で議論できる公的領域があってこそ、感情は自由に表明できるとし、感情と「公共性」を結びつけて考えた。
人とその社会を知る最大の手がかりは感情にあり。豊富な例を挙げながら、著者はそう解き明かしていくのだ。
☆桜木からのコメント!
感情とはどんなものかを知ったうえで、自分の感情をよく観察し理解することが、己を知るための唯一の方法だ。自分のパフォーマンスを向上させたければ、感情をよくよく見つめ直してみろ!
『感情とは何か: プラトンからアーレントまで 』清水 真木、(ちくま新書)
2. 「銀の匙」 中勘助 岩波文庫
「夏のはじめなど日があかあかと夕ばえの雲になごりをとどめて暮れてゆくのをみながら もうじき帰らなければ とおもえば残り惜しくなって子供たちはいっそう遊びにふける」
詩を志していた文学青年が小説に転向し、夏目漱石に激賞されたデビュー作がこれである。
漱石が挙げたこの小説の美点は、大きく分けてふたつ。ひとつは、大人になると忘れてしまう「子どもの世界」をありありと描き出していること。もうひとつは、文章表現がこまやかで丁寧であること。
とりわけ中勘助の観察眼の鋭さは、並み居る文学者のなかでも抜きん出ている。この作品で彼が観察対象としたのは、小さいころの自分の内面。自分の内側に深く潜り込んで、当時抱いていた感覚・感情をつぶさに観察し文章にしている。それで読む側は誰しも、「ああ忘れていたけど、そういう気持ちがかつてあったな」と強く共感するのだ。
たとえば風呂に入ったとき、湯面がかすかに揺れて身体に当たり、ちょっとくすぐったく感じたことはないだろうか? その様子を中勘助は、
「湯が乳のへんでくびれあがって軽く糸で結わえたような感じをあたえる」
などと描写する。
日常のなかの心情や感覚を書き留めていく作風は、偉大な先行作品を思い起こさせる。そう、清少納言の『枕草子』。
「春はあけぼの」で始まり、とうとうと自身の感受性の働きを記していく清少納言の流儀と、中勘助の書きっぷりはたいへんよく似ている。千年の時を隔てて、かくも似た作品が生まれるとは。日常にこまやかな目を向け、微細な変化を留めおく。それが日本の表現の王道ということなのだろう。
☆桜木からのコメント!
何となくわかっている気になりがちだが、人は自分のことこそまったくわかっていないものだ。自分を知るには、意識的に自分の内面に目を向け探索しなければ。その方法をこの本は、実地に教えてくれているぞ!
『銀の匙』中勘助、岩波文庫
3. 「マリー・アントワネット」シュテファン・ツワイク 岩波文庫
「不幸のうちに初めて人は、自分が何者であるかを本当に知るものです」
フランス革命の渦中に命を落とした王妃マリー・アントワネットの生涯を、稀代の伝記作家シュテファン・ツワイクが余さず書き尽くした作品。歴史上の超有名人たる彼女だが、ツワイクいわくその性格は「可もなく不可もない」ものだったそう。特別に賢くもなければ特別にバカでもなく、平々凡々たるひとりの女性であったという。
ただし彼女を取り巻く境遇と運命は、とびきりのものだった。オーストリアの女帝マリア・テレジアの娘として生まれ育ち、幼いころから陽気な性質だったのはけっこうなものの、物事に打ち込んだり真面目にコツコツ取り組むのは大の苦手。典型的な「お嬢様」気質というわけだ。
若くしてフランス王子ルイ16世に嫁ぎ、ヴェルサイユ宮殿に入ると贅を尽くし、自分好みの庭園を築いたりスウェーデン貴族フェルセンと恋に落ちたりもした。やがて革命が起こると囚われの身となり、心身の変貌を遂げながら裁きを受け、ギロチン台のうえで最期のときを迎えた。
ツワイクは彼女の身を次々と襲う波乱を丁寧にたどりながら、彼女の内面の変化に焦点を当てている。その筆致によって、過酷な運命が人をどう変えるか、人間は極限においてどうふるまい得るかが、くっきりと浮かび上がってくるのだ。
☆桜木からのコメント!
小さいころに漫画や簡単な文章による「偉い人の伝記」を読んだことのある向きも多いだろう。人としてどう生きるか、いかに成長できるか、その方法論は先人の生涯を大いに参考にして真似たり学んだりするのが一番いいのだ!
ーーー
『超バカ読書』では、ほかにも知と教養を得るための99冊の書籍を紹介しているぞ!
この本さえ携えていれば、新しい時代をたくましく生きていけること間違いなし!
この記事で紹介した6冊だけでなく、『超バカ読書』に掲載されている99冊もぜひ読んでくれ!
いいか、最後にこの言葉をお前らに伝えておく。
これからの時代は教養だ! 知を身にまとえ! 学ぶことなんて簡単だ!
ぜひ、「教養」を身につけ、バカな自分を超えていってくれ。
『ドラゴン桜』&『ドラゴン桜2』コミックスも発売中だ!
オレこと桜木建二が主人公をしている『ドラゴン桜』『ドラゴン桜2』もコミッスクスと電子版両方で販売中だ!
また『ドラゴン桜』シリーズはフルカラー版も発売されているから、是非読んでくれ。
今なら、8巻まで1冊10円(税別)で販売中だ!
6/17(木)までだからこの機会を見逃すな!
すぐに紙のコミックスが全巻ほしいヤツは、コルクストアで全巻セットを購入してくれ!
特典で「桜木からの激励!ミニアクリルスタンド」がもらえるぞ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?