外商顧客から学んだ、身に着けている物だけで判断してはいけないという話。

こんにちは。
前回、オフィスカジュアルについてのお話を書きましたが、今回も服装(見た目)に関するお話です。
ご興味があれば、お付き合い頂けますと幸いです。

10年以上も前の事ですが、前職は百貨店にてアパレル販売員として勤務していたのですが、その時のエピソードです。

皆さん「外商」って知っていますか?簡単に言うと、百貨店でVIPやお金持ちの顧客に付くサービスの事ですが、誰でもなれるわけではありません。私もこの辺の基準や審査の詳細までは知りませんが、かなりのVIPの方でないとなれないという事だけは認識としてありました。

当時、販売員は毎日ノルマがあったので、みんな自分の売り上げを伸ばす為に、一生懸命接客をするのですが、どんなにいい接客をしても、御客様の買い物に使う予算が少ないと沢山は買っては頂けないので、客数をその分 捌かなくてはならないのですが、予算が多いお客様に当たれば、その方一人の接客だけで1日のノルマを達成できる日もあるわけです。

なので、新規のお客様でブランド物を身に着けておられたり、VIPそうな方が入店されると接客につきたがるのですが、ハイブランドの物をお召しになられている方やVIPそうだなぁという方が必ずしも本当のVIPとは限りませんでした。

外商顧客になられていた方を、何名か接客させて頂いた事がありますが(外商顧客になるとお客様本人が店頭に出向くということは少なく、専用の部屋か、ご自宅へ外商担当が品物を届けるというシステムでしたのでお目にかかれれる機会は少なかったです)意外とシンプルな物だったり、カジュアルなファッションをされている方が多いんだなぁという印象だったのを覚えています。(勿論、皆がみんなそうではありませんよ。)

私が接客させて頂いたある方は、いかにも「お金持ってます」という感じには一見みえないのですが、話し方や所作は品があったり、ネイルや髪質やお肌などが綺麗な方でした。「VIPである」ということは凄いステータスで、得をする事が多いと思いますが、時には「VIPである」という事で、お金目当ての人が寄ってきたり嫉妬されたりと、そういう機会もあるんだと思います。担当させて頂いた外商顧客の方が、「必要な物だけ買いたいから、必要以上にあれもこれも勧めてくる店員さんは苦手なのよ」とおっしゃっていたのが印象的でした。

また、さすがVIPだなと思ったのは「ただ買い物に来ただけなのに、わざわざおめかしなんかしないわよ」と笑っておられた事でした。私も近所のスーパーくらいなら、おめかしせずに行けますが、さすがに百貨店はちょっと身構えて綺麗にしていきますもんね。その方からすれば、私が近所のスーパーに行くような感覚で百貨店で買い物されていたと考えると、確かに日常の買い物で必要以上に接客されるのは厄介だったかもしれませんね。笑

今回お話しさせて頂いたお客様は、普通にふらっとお店に入ってこられて接客させて頂いたら実はお会計の時に外商顧客でしたというケースでした。

身に着けている物や服装で、その人のセンスや趣味や好み、世間からどう見られたいと思っているのか等、なんとなくわかる要素が多いと思いますが、案外その逆を読んでいる方もいらっしゃるので、見た目だけで決めつけないで、その人の中身を知ろうという気持ちがないと、本当のことは見えないなと思った出来事でした。

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