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高橋伸哉のプリセットが映し出すのは、嘘か真実か。

こんにちは!桜の開花に合わせて連日京都に通い、桜が散るのと同時に全身筋肉痛で動けなくなった三谷です。はんなり!

さてさて今回のnoteですが、ずばり、「写真家・高橋伸哉が世に送り出したプリセットについて」になります。

この数ヶ月、自身のレタッチについて書いた「レタッチわかんねえわ」や、フォトグラファー・澤村洋兵さんの「自己満贅沢プリセット」のレビュー記事をnoteでリリースし、レタッチやプリセットについて書かせていただく機会に恵まれました。

そしてこの度、伸哉さんに「ちょっと、たくさんいる悩める写真家がこれを使ってどう感じるか感想書け。」とお声がけいただき、またこうして他人様のプリセットについて記事を書かせていただけることになり本当に嬉しく思います。

私自身、写真を始めた当時、室内撮影における絵作り(モデルさんとの距離感や構図、レタッチなど)に関してかなり伸哉さんの影響を受けていました。

だからこそお声がけいただいて本当に嬉しい・・・嬉しいんだけど・・・今回の記事を書くにあたって、私は出だしから最大の壁と向き合うことになり、ぶっちゃけ何日か思考放棄することになります(!)



▼それがこちら▼



いやここに全部書かれとるやないかああああい!!!!


そう、今回のプリセットは何を隠そう高橋伸哉監修、制作は「#嫁グラフィー」でお馴染みの杉本優也さんなんです!



ご自身のnoteでもプリセット販売やLightroomの解説をされていたり、外部でもPhotoshop・Lightroom講座をされている杉本優也さん。上記のnoteに加え購入者限定特典で、各プリセットの応用まで解説された取扱説明書が本プリセットには盛り込まれています。読んだ人ならわかると思うけど、これが各シチュエーションに対して丁寧に書かれていて、マジで取説だけでお金取れるんじゃないかってくらいなんですよ。もうマジで、このクオリティでこの内容でこの解説を見たときは、「やってくれたな・・・」って思いました。笑(マジで部屋で1人で「やられた〜」って言いました)

とはいえ、今回私に求められているのは”解説”じゃなくて”感想”なので(笑)使ってみて思ったことをそのまんま書かせてもらいます!お手柔らかに!

自己紹介

そもそもどんなやつがレビューすんねん、ってのがわからないと参考にならないと思うので軽く自己紹介させてもらいます。

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・三谷 朋也(30)
・大阪府在住
・カメラを持ったのが8年前、本格的に始めたのが3年前
・使用機材はSONYとCanonとGR
・写真スタジオでバイト→広告代理店でカメラマンとライター→現在:フリーランス

ポートレートを中心にヌードやスナップ、風景など満遍なく撮影。現在はテーブルフォトとライティングを勉強中。仕事では個人・法人・学校なんかの記念撮影やイベント撮影、店舗撮影や、最近は観光系のWebメディアの撮影と記事制作のご依頼もいただいています。

現像は基本的にLightroom(Windows、Mac、iPhoneを連動。WindowsはClassic)

こんな感じです。「歴はあるけど専門家ではない、いろいろ撮ってきてそこそこ知ってるやつ」くらいに思っていただけてたら良いかなと思います。笑

今回のプリセットの感想

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結論から言います。

このプリセット、
安心感がエグい・・・。

いやぁ、すごいですね。今回、優也さんがしっかりとした解説を既に書かれているので、私の方ではちょっとひねくれた視点で記事を書こうと思い、いろんな写真に当ててみたんですよ。個人の撮影物だけでなく商業撮影物、スナップや風景にご飯ものまで、「なんか使えないやつあるだろ」と思ってたんですけど(笑)まあ使いやすかったです。

以前、伸哉さんと北海道に行ったときにレタッチしているのを横で覗き見していたんですけど、ものすごく感覚的に指を動かされていたんですよ。それでも絵になっているのが伸哉さんのすごいところで、その感覚的なところを今回優也さんがロジカルに形にしたというのがめちゃくちゃ強いと思ってます。

安心感というのは、このプリセット12個セットを持っておけば、だいたいどんな写真でもそこそこのクオリティに持っていけるという感覚から来ました。

「そこそこ」とわざわざ書いたのは、よく世間で販売されてたり無料配布されてるプリセットって、センサーの違いやカメラ側の設定によって偏りが大きくてそのまんまだとちょっと使いづらいことも多いんですよ。でも伸哉さんの12セットに関しては、いずれのプリセットもマッチしやすく使いやすい。このプリセットたちは、「こんな写真にビタっと合う(その代わりそれ以外には合わない)」というより「そのまま当てても高水準でどの作風にも合いやすく、かつ自分好みに持っていける」って感じです。これは、カラーグレーディングを含めて過度にいじりすぎてないからかなと考えられます。

趣味でも仕事でもレタッチに悩んでいる人は、これ持ってアレンジしていけば自分好みの形を見つけられるんじゃないでしょうか。そのアレンジの幅を広げていくことが自分の力になっていく、ってところまで狙って作ってるんじゃないかなと思います。

何回も言うけど取扱説明書が本当に親切設計で、「教材としても使える」って作った本人たちが言ってる通り。取説に書いてる通りに調整したら、今後自分が撮った写真に対してどういったアプローチをかければ自分好みになるかを直感的に操作できるようになると思います。プリセットを買ったのに、自分のプリセットを作ってみよう!までレベルアップできるんじゃないでしょうか。

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さてさて細かい説明は優也さんに委ねるとして、実際にどんな風にハマったかを見てもらおうと思います。今回12種類プリセットがありますが全てを網羅はせずに個人的に使いやすかったやつをランダムで羅列していきます。

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はい、まずはシンプルにポートレートからいきましょ〜。冬にみんな撮りたくなるススキと夕焼け逆光写真ですね。人に明るさを合わせるとハイライトが飛び過ぎるしな〜って撮った結果、人が暗くなっちゃうみたいなのは皆さん経験されたことがあると思います。こちらの写真にあるプリセットをあてるとこんな感じ。

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はいこちら微調整なしです!円形フィルターとかも使ってません。シャドウを綺麗に持ち上げてくれつつ色も崩されていません。こちら、「summer」を使用しました!夏以外でも使えますね。

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こちらは現在私のアカウントで使ってるただのオムライスの写真です。モデルさんとご飯食べてるときにGRでパッと撮ったやつに「DramaticSunset」をあてるとご飯も美味しそうになりました!これも微調整なしです。

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続いてこちらは新緑の瑠璃光院(京都)ですね。風景の部類に入るのかしら。紅葉で有名な瑠璃光院ですが、5月頃の青紅葉のシーズンも静かな雰囲気の素晴らしい場所です。こちらに「大正浪漫03」をあてると、

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こんな感じになりました。良いですね。木の温もりを感じつつ艶感もあって、シャドウも優しく上がってます。大正浪漫シリーズはその名の通り「和」な雰囲気にとても合ってお気に入りのシリーズです。冒頭で載せた着物の女性写真も「03」をそのまま使用しました。「02」は使うシチュエーションを限定してるのでそのまま使うとかなり暴れ馬ですが、その辺りの使い方も取説に書かれていて親切だな〜と思います。こちらも微調整なし。

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ついでにこの2枚も。みんな大好き貴船神社です。これは01をあてて、個人的に緑の彩度は薄い方が好きなのでそこだけいじりました。ある程度触れる人ならこういう使い方もできると思います。この京都の2パターンはあんまり変化がないように見えるけどそれがとても大事で、華美過ぎずポイントを抑えてくれるっていうのはめちゃくちゃ重宝するし使いたくなっちゃいます。ぶっちゃけ僕は大正浪漫シリーズだけでも良かったんじゃないかくらいの満足度です。

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これも大正浪漫03です。大正浪漫シリーズの正統な使い方かなと思います。で、個人的に今回のラインナップで一番使いにくかったのが「桜Nostalgie」シリーズです。他のプリセットは汎用性高いけど、これはなんか崩れやすいな〜ってぶっちゃけ思ってました。で、試しにこの写真に「桜Nostalgie02」を載せたらこんな感じに。

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あ〜これはこれで良いぞ!笑 ちょっと甘めの雰囲気になりますね。だったらこんな感じの写真のが良いかなと思ってもう一つ試したのはこちら。

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うん、良い。ヘルシーな感じになりましたね。名前の通りもちろん「桜」の写真にはめちゃくちゃ合うんですけど、ちょっと甘めでキュートな室内写真とかにも使えますね。女子同士で撮るランジェリー系の写真とかにも合いそう。微調整なしです。次はちょっと調整したやつにしようかな。

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夕方に屋上で、オールドレンズで撮ったお気に入りの一枚です。これは、ひねくれずに名前の通り「DramaticSunset」を使いましょう!

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エモ・・・。コントラストだけ上げました。もともと自分がこの写真を仕上げた時と同じような風合いになり、改めて今回のラインナップ好きだな〜と感じてます。笑

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続いてこちらの写真ですね。室内写真だけど、エロスよりも爽やかな方向に持っていきたいなって写真です。

室内なので大正浪漫を当ててみましょう。

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ん~明るさは調整したとしてそれでもちょっと甘そうやな。ってことで別のやつを当ててみます。奇をてらって桜の01!

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桜01を少し微調整しました。うんこれも良い。でもちょっとまだ甘さがあるな。もっとなんか良いのありそう。ってことでいろいろ当ててみた結果。

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Sea-Sunset01」をあてて、お!っとなりました。このままやと白飛びがすごくて諦めてしまう方も多いんじゃないでしょうか。でも自分がこのときに着目したのがシーツの質感と肌の色乗りです。豊富な自然光に恵まれたこの環境では大正浪漫ほどシャドウへの補正は必要なく、暖色寄りを目指しているわけでもないので、ここから調整すれば目標地点に辿り着けるんじゃないかなと思ったんです。

で、ここから私は露光量を少し下げ、少し緑がかっていたのでホワイトバランスを調整、髪の毛のツヤを出しつつも少し黒を締めたかったのでトーンカーブを調整。

結果がこちら。

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Sea-Sunset01

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Sea-Sunset01を調整

肌のハイライトは残しつつ自然光で飛んでいない、パリッとしたシーツの質感も生きている。朝の爽やかな光が差し込んでいるような写真へと仕上がりました。(実際は西日が差し込んでる写真です)

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これはスナップに「summer」をあてました。色温度と露光量だけ調整してます。色のメリハリが良いですね。

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ダム湖ですね。曇ってたのもあって全体的にモワっとしてて色味もないですね。あえて「桜Nostalgie03」をあててみましょう。

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あ~なんか良くなったぞ。ぶっちゃけこれは合うやつを探したけど、「探せばある」ってのが今回のラインナップの豊富さとクオリティの魅力です。

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これもちょっと驚きでした。情景ポートレートとは少し違うけど、儚い系の写真にも仕上げることができました。これは「Sea-Sunset01」を少し寒色寄りにしただけです。全体通してですけど明るさはほとんど触ってませんね。

Sea-Sunsetって名前なのでちゃんとseaでsunsetな時間の写真にもあててみましょう。

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これは、むしろちょっとだけ暗く調整しました。それくらいキレイに明るく補正してくれます。出張撮影系のお仕事してる方でも使いやすそう。この写真で言うなら、個人的に「DramaticLight」も好きですね。

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これは微調整なしです。出張撮影系繋がりで行くならこんな形も。

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これも「DramaticLight」で、明るさとコントラストと色温度の3点を調整しました。明るく優しい雰囲気に仕上がりますね。

感想のまとめ

この辺は優也さんの二番煎じになるけど率直に思ったので私からも記載します。

・”写真家”が発信したプリセットだけど汎用性があって使いやすい
・伸哉さんの感覚を優也さんが補っている安心設計
・趣味でもお仕事でも使える安心感があるラインナップ
・このままで使える+アレンジもしやすい
・どこを調整すればどうなるかを学べる教材としても優秀
・で、この値段はマジでヤバイ


私が伸哉さんの写真に心惹かれる理由は「あったかもしれない」を感じるから。それは構図であり、距離感であり、絵作りであり、全てに言えること。その街に私もいたかもしれない。私もその人と暮らしていたかもしれない。そこにある写真は嘘か、真実か。そう感じさせる要因である”絵作り”の深淵を、今回のプリセット販売で覗き見ることができました。

あなたが写真に「求めていた絵」がここにあるかもしれません。



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