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特別定額給付金の遅延・不備やミス…システム会社として何が貢献できたか勝手に考えてみた

こんにちは。株式会社ネッコスの代表取締役、井口です!
コロナ禍で国が発表した「特別定額給付金」、皆さんのお手元にはもう届きましたか?

給付方法や給付額を巡っては、国民の批判などもあり二転三転しました。

そして、いざ支給が開始されると、給付の大幅な遅延や不備、ミスなどが多数発生し、これもまたスムーズな施策ではなかった、という話も聞かれています。

ただし、私はシステム開発・ウェブ制作会社の代表として、支給額が足りなかっただの、現場の準備が整っていなかっただの、そういったことに関しては口を出す立場にはありません。

色々ありましたが、迅速に対応してくださったすべての方にお礼を申し上げます。本当にありがとうございます!

さて、それとは別に私が気になったのは、特別定額給付金の支給をする際にどうしたら遅延やミス、不備を減らすことが出来ていたのか、というところです。

システムで大切なことは「入口と出口」

まず、システムで大事なのは、入口と出口です!!!
例えで恐縮ですが、EC通販の商品であれば仕入れたタイミングと売れたタイミングでデータをしっかり取ることが大切です。
売れたタイミングは売上をつけるので、当たり前にデータ化しますが、、、。

仕入れのタイミングでは、「ざっくり全体でいくら仕入れた!」みたいにやってしまうと、ひとつひとつの商品の粗利が出せなくなります。

そこから売れたデータの消込をすると、在庫金額や在庫商品が何かも出せるので、仕入れのタイミングで「いつ?いくらで?何を仕入れたか?」をデータ化しないといけません。

特別定額給付金のシステム、スタートは「人の人口と出口管理」

特別定額給付金の場合、まずは『人の入口と出口管理』がスタートです。生まれたタイミングと死亡したタイミング、国内にいるタイミングと海外に出たタイミング、県内から県外など、とにかく入口という入口、出口という出口でデータを管理することが必要になってくるのです。

→同じ人があちこちに重複存在しないようにでき、そうすることで全員に渡すなら、一人一人申請すら必要無しにできます。

→申請がなくても、マイナンバーというユニークIDで把握しているのであれば、全員に送金するだけで済みます。市民や区民の申請アクションが丸々不要になります。
※あくまでシステム上いらないのであり、法律上の話は度外視しています。
※全員に合意なく出さないと言うなら、要らない人だけ逆に申請してもらうという国民の声もありましたが、まさしくそれも一つの良案かと。


EC通販に例えると、

・出生届は、会員登録機能(会員番号=マイナンバー)
・婚姻届は、会員情報変更機能
・住んでる場所の変更は、住所変更機能
・会員全員に配る給付金は、一斉に渡すクーポン機能のようなもの、、。


今回の特別定額給付金のようなシステムは、EC通販の世界なら日常的に使っている機能でほぼまかなえます。
もっと言えば、じぶん銀行などのオンライン口座アプリ機能はそのまま使えそうな気すらします…。
もちろん、セキュリティの課題等を加味すれば、もう少し複雑で難しい問題も浮き彫りになると思います。


出生届など人の管理の電子化、それと紐づく口座情報含む顧客管理情報の電子化、マネーフォワードさんでも行っていることなので、口座の存在確認も APIで可能です。
あとは、トラストドックという本人確認APIもあります。最近は、民泊とかでも使われてますね!


その他、ハッキングされない為のセキュリティ会社の検証も挟むべきでしょう。

人的作業では絶対ミスが出ますし、高齢化が進む中、人々がIT社会に順応するのも大変ですよね。
しかしながら、このまま放っておけば10年後もミスやら遅延やら不備やらで、大きな損害を生むかもしれません。

出産届のタイミングで、口座情報をとらないといけない感じにできると楽です。
オリンピックが中止になった場合の返金フローも、QRコードをかざすだけでピッと現金化できると良いですが、それは現実問題難しいでしょう^^;

色々と口だけ言ってしまいましたが、口で言うのは簡単ですので、事情を知ったらシステム導入は難しいとなるのかもしれません。

あくまで一システム会社として、こんな可能性もあったよね、ということを述べているだけで批判等ではございませんので、勝手にツラツラと書いてしまったことを遅くなりましたが謝らせていただきます(>_<)

ただ、現場は本当に大変だったと思うので、微力ながら何かお力添えできていたら…という悔しい気持ちもあり、今回はこの件を勝手に振り返ってみることにした次第です。

まとめ

というわけで、システム開発と言われ見栄えだけ体裁を整えても、今回のようにリアルタイムでエラーを吐き出す処理がないと、間違いチェックは人がやることになってしまいます。

桁数は何桁ならエラーとか、存在が確認できない口座はエラーとかリアルタイムに出来ないのであれば、それはシステムだとしても、システム化とは言わない気がします。

作っても運用が楽できなければ目的を果たせないシステムになるので、結局封筒で送ってくださいとなってしまうでしょう。そういう形だけのシステムを導入してしまうリスクも今後はより一層考えていかなければなりません。

弊社に在籍するメンバーは、12年間もの間EC通販サイトの運用を行っていました。そのため、見た目や機能の充実とは裏腹に、運用にまったく効いてこないシステムもたくさん目の当たりにしてきました。

だからこそ、闇雲に機能を盛り込むのではなくて、現場の運用フローにマッチした「使える」設計をしたいと考えています。

運用フローも一緒に考えながらシステム開発を依頼したいと言う方は、お気軽に弊社までご相談いただければ幸いです^^

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