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紹介責任者の引越し(住所移転)に制限はあるか。

職業安定法の32条の14にはこうある。


有料職業紹介事業者は、職業紹介に関し次に掲げる事項を統括管理させ、及び従業者に対する職業紹介の適正な遂行に必要な教育を行わせるため、厚生労働省令で定めるところにより、第32条第1号、第2号及び第4号から第9号までに該当しない者(未成年者を除き、有料の職業紹介事業の管理を適正に行うに足りる能力を有する者として、厚生労働省令で定める基準に適合するものに限る。)のうちから職業紹介責任者を選任しなければならない。

1 求人者又は求職者から申出を受けた苦情の処理に関すること。
2 求人者の情報(職業紹介に係るものに限る。)及び求職者の個人情報の管理に関すること。
3 求人及び求職の申込みの受理、求人者及び求職者に対する助言及び指導その他有料の職業紹介事業の業務の運営及び改善に関すること。
4 職業安定機関との連絡調整に関すること。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000141_20221001_504AC0000000012

また、6年4月版の「職業紹介事業の業務運営要領」にはこう書いてある。

(2) 職業紹介責任者に関する要件 職業紹介責任者は、次のいずれにも該当し、欠格事由に該当せず、また業務を適正に遂行する能力を有する者であること。

イ 法第32条の14の規定により、未成年者ではなく、法第32条第1号、第2号及び第4号から第9号までに掲げる欠格事由のいずれにも該当しないこと。
ロ  (1)のロからリ(次段で引用)のいずれにも該当すること。
ハ 次のいずれにも該当し、労働関係法令に関する知識及び職業紹介事業に関連する経験 を有する者であること。
(イ)職業安定法施行規則第24条の6第2項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める講習を定める告示(平成29年厚生労働省告示第233号)第2項に定める職業紹介責任 者講習を修了(許可の場合は申請の受理の日、許可の有効期間の更新の場合は許可の 有効期間が満了する日の前5年以内の修了に限る。)した者であること。
(ロ) 民法第4条に規定する成年に達した後3年以上の職業経験を有する者であること。
(ハ) 精神の機能の障害により職業紹介責任者の業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者でないこと。

ロ 貸金業法(昭和58年法律第32号)第2条第1項に規定する貸金業を営む者にあっては 同法第3条の登録、質屋営業法(昭和25年法律第158号)第1条に規定する質屋営業を 営む者にあっては同法第2条の許可を、それぞれ受け、適正に業務を運営している者で あること。
ハ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。以下「 風営適正化法」という。)第2条第1項に規定する風俗営業、同条第5項に規定する性 風俗関連特殊営業、同条第13項に規定する接客業務受託営業その他職業紹介事業との関 係において不適当な営業の名義人又は実質的な営業を行う者でないこと。ニ
外国人にあっては、原則として、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号 。以下「入管法」という。)別表第一の一の表及び二の表並びに別表第二のいずれかの 在留資格を有する者であること。
ホ 住所及び居所が一定しないなど生活根拠が不安定な者でないこと。
ヘ 不当に他人の精神、身体及び自由を拘束するおそれのない者であること。
ト 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれのない者であること。
チ 虚偽の事実を告げ、若しくは不正な方法で許可申請を行った者又は許可の審査に必要な調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者でないこと。
リ 国外にわたる職業紹介を行う場合にあっては、相手先国の労働市場の状況及び法制度について把握し、並びに求人者及び求職者と的確な意思の疎通を図るに足る能力を有す る者であること。

職業紹介責任者に関係する箇所はこれだけに限らないが、今回、大阪から遠方に本店移転するとともに、職業紹介責任者も住所移転したが、その住所移転先が新本店から250キロほど離れた場所であった。

(上記地図は、一例です。)

職業紹介事業許可において労働局職員と話す機会は多く、
・苦情に速やかに対応できる場所にあること
・求職者、求人者と対面による面談を想定していること
・紹介責任者は原則(!)常勤性、専任性を求める
と言ったことをよく言われるが、距離について言われたことがない。
もちろんこれほどまでに遠距離の事案に出会ったことがないからだが、この点、複数の労働局に確認してみた。

回答にばらつきがある。
・それほどの遠距離は紹介責任者の役割として疑義がある以前に不適切である。
・距離は問われていないため問題にできないが上記の要件、要領を満たしているかの聴き取りや誓約書等の提出を求めることがある、とのことであった。

いずれにして労働局の対応に委ねるほかないが、営業時間が9時〜5時とは限らないし、1日3時間の営業でも良いというのなら250キロでも許されるというものだろう。
ちなみに、今回、類似の変更届を提出したが、何も問われなかった。


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