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抱腹絶倒、に偽りなし。『言語学バーリ・トゥード』感想/抱腹絶倒、言語学の世界

人生も40年を過ぎると、少々ひねくれていたり、大概の面白いには免疫があるので、心の底から面白い!と思う本に出合うことはそれほど頻繁にはないのですが、久しぶり「おもしろっ」となった本があったので紹介したいです。

言語学バーリ・トゥード / 川添 愛

言語学と聞くと、文法とか語法とか言葉の起源とか難しいこと?と思うかもしれませんが、心配ご無用。言語学者(日本語専門)である著者がとても分かりやすく、そして面白く説明してくれるので、最初から最後まで漏れなく楽しく読めます。

何よりも注目してほしいのは、副題。

「AIは『絶対に押すなよ』を理解できるか」。

この副題に心がザワザワした人は手に取るべき。

いや、AIには理解できるわけないよ…でもなんでだ?なんでできないだろう…空気?

答えはこの本の中に入っています。


そもそもこのタイトルにあるバーリ・トゥードって何よ?と思う人もいるかもしれないですが、それもきちんと中に説明されていますのでご心配なく。

言語学というなんとも難しそうな分野に、著者の趣味であるプロレスとテレビゲームが合わさって、なんとも面白いエッセイとなっています。私はプロレスは全く分かりませんが、ここもきちんと著者がフォローしてくれるので、楽しめました。

中でも、日本語にはびこるニセ英語(英語っぽい、カタカナ語)についての話から派生して、洋画の邦題の付け方についての話はとても興味深かったです。恐ろしくダサかったり、何が言いたいのか分からんという邦題もあれば、良い得て妙なのもあり、タイトルを付ける方の苦労は相当なものだろうなと思います。

普段は何も気にせず使っているけれど、そういえばなんでだ?という日本語の”おかしさ”への視点と解説が、素人にも分かりやすく面白い。あっという間に読み終わってしまって、続きがもっと読みたいなと思いました。

副題に「Round1」とあるから続きが出るのかな?期待してしまいます。


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