万年筆と相性のいいノート

フォロワーさんより「万年筆で裏移りしにくいノート(120ページくらい、右綴じ)がほしい」というお題をいただいたので、完全な独断と偏見で少し考えてみます。

裏抜け(裏移り)とは「(印刷時や筆記時に)インクが紙の裏側まで染み出してしまう」という現象なのですが、ノートとして使うにあたり染みないだけでなくできるだけ裏ページに筆跡が透けないものを見繕いました。


候補1【LIFE ノーブルノート】

滲み、裏抜けはほぼなく透けも気になりにくい。かなり黄みが強めのクリーム色で落ち着いた印象。書き心地は適度に引っかかりもありつつサラッとして気持ち良く書けます。用紙についてのこだわりは以下のとおり。


個人的にはこのノートでBくらいの鉛筆やシャーペンを使うのが好きです。そして1冊200ページと大容量。

ただ、こちらは縦罫のものがありません。もし縦書きで使うなら無地もしくは方眼の罫線のもので代用になります。

上記リンクの写真をみてもらうとわかる通りクラシカルでめちゃめちゃ綺麗な佇まいなのですが、表紙の主張が強いのでむりやり右綴じ(縦書き)で使うとなるとしっくりこなくて少し気持ち悪いかも。ノートカバーなどをかければうまく使えるかもしれません。表紙かっこいいから見えるように使いたいんだけどねえ。


候補2【midori MDノート】

ノーブルノートと並び評価が高く、よく紹介されるのがこのMDノート。クリーム系の用紙だけどあっさりとした白みで、罫線の薄墨色とあいまってとても綺麗なノートです。裏抜け、滲み、透けも問題なし。前述のノーブルノート より少し表面のざらつきを感じ、しっかりとした筆記感があります。

表紙がシンプルなので左右どちらからも使え汎用性高め。こちらも無地か方眼のものを使えば縦書きに対応します。たっぷり176ページ。

こちらも用紙や製本についてのページがありましたのでリンクしておきます。


詩などを書くに際し、ノート自体の持つ雰囲気やトーンはかなりモチベーションに関わると思うのですが、そういう意味でこのノートは非常にノイズが少なく美しい、手書き文字や文章を引き立てるノートだと思います。背表紙のむきだし寒冷紗がだいすきなんだおれは。


候補3【ツバメノート 立太罫】

グレーの表紙に黒い製本テープでおなじみツバメノート、お手頃ノートのイメージがあるかもしれませんが、とても高品質な国産のノートです。

フールス紙と呼ばれる筆記用の高級用紙を使用しており、万年筆のインクもよく吸ってくれとても書きやすいノートです。前述の2種と比較すると1枚1枚の紙がかなりしっかりした厚みに感じられ、なんとなく頼もしさあり。もちろん裏抜け、滲み、透けはありません。市販のノートでは珍しく縦罫のノートがあるので候補にあげてみましたが、ページ数が少なめなので今回の条件としてはいまいちかも。

かなり白めの用紙(一般的な大学ノート程度)なので、淡い色や繊細な色のインクを乗せるならこのくらいのノートの方が映えると思います。

あとノート自体に興味はなくてもツバメノートの公式HPあまりに「良い」から目を通してください。


候補4【トモエリバーFP A5ノート】

最後の候補は、トモエリバーという用紙を使用したノート。こちらはなんと368ページという圧巻のページ数。この用紙はほぼ日手帳などにも使用されている、非常に薄くて丈夫、そして書きやすい本文用紙となっており、そのためにこの大容量が可能となっています。さらっとしていて引っかかりが少なく、上品なクリーム色で飽きのこない美しさ。書き心地はもちろん、しっとりとした手触りがとても気持ちの良い紙です。

万年筆の筆記にも適しており、裏抜け、滲みはありません。ただ薄さのせいかインクの吸い込みが悪く、ちゃんと乾いたことを確認してからページをめくらないと前ページや手にインクがついてしまいます。

また、これだけ薄いのだから仕方ないにせよ、他のノートと比べるとやはり裏から見たときの透けは多少気になります。が、これだけページ数があるならもう裏に書く必要はないのでは?贅沢に表側のページだけ使っても十分足りるのでは?

また、こちらハードカバータイプなので1冊の本として保管するには最適な形かと思います。リンクは無地のものですが方眼、ドット罫もあるようなのでそこはお好みで。


今まで実際に私が使ってみて、条件に合いそうなノートを4つ紹介しました。どれが一番とは言い切れないので、好みに合うものを探してみてください。おそらく、私の知らないノートでもっと適したものが世の中にはまだまだあるとは思うのですが、今の私が言及できるのはここまでです。あしからず。ていうか良いノートあったらどんどん教えてくれ私に。

文具はなんでもそうなんだけど、一般的な評価による良し悪しより個人の好みの方が判断基準になるしそれで良いと思うので、上記のレビューは鵜呑みにせず店頭で触って自分はどんなのが好きかな〜〜〜ていろいろ試してみてください。そんで実際使い始めたら、使い勝手悪いところも含めて「愛」になるので……。

ともあれ、この自己満レビューがひとつの指標となれば幸いです。



窒息

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