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味噌汁を研究する〜出汁篇〜

僕には、大好きな味噌屋がいます。そして、尊敬する職人は非常に美味しい味噌を作るので、とっておきの味噌に惚れるような出会いをしてほしいー。

そんな願いを込めて、「流しの味噌汁屋」を運営しています。

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味噌は蔵によって魅力が異なるので、少しでも特徴を生かした味噌汁を提供できるよう心がけています。

その中で重要なのが、味のベースを決める出汁の存在。味噌の繊細な香りや甘み、酸味の違いを美味しく体験してもらうためには、当然ですが、一定のクオリティで出汁をひく必要があります。

余談ですが、辰巳芳子さんの好きな言葉。何度も読み返してしまう本ってありますよね。

文化のなかには手放してよいものと、頼らなければならないものがある。伝えなくてよいものと、伝えなければならないものがある。時代は略式へ変わっても、だしがなければ日本料理は、味にも形にも力にもならない。(「辰巳芳子スープの手ほどき」より)

アセット 3@2xのコピー

前置きが長くなりましたが、「味噌汁を研究する」というシリーズから、今回は出汁を学んでみました。

素材

素材は、シンプルに「昆布と鰹節」。近所のスーパーで手に入る一般的なものを使用しました。

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出汁のひき方

今回は修行のため、「簡単便利<理想追求」をポイントに、2種類の丁寧なひき方を試してみました。

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「和風らうんじ ナーダ / 荒木哲也氏」のひき方
→ 昆布を水に浸けた後、昆布30分やや弱火で煮込み、取り出す。厚削りの鰹節も同様に30分煮込む方法。
②「木乃婦 / 髙橋拓児氏」のひき方(雑誌参照)
→ 昆布を水から煮て、昆布を65℃で90分、最後に90℃になるまで沸かして昆布を取り出し、花かつおを30秒で煮だす方法。

結果

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「和風らうんじ ナーダ / 荒木哲也氏」のひき方
→昆布を水に浸けたり、厚削りの鰹節を時間をかけて煮出した影響か、旨味の土台がしっかりしている印象。ほのかな甘み、まるみのある風味が特徴的だった。どんな料理にも使えそう。煮込んでいる最中は昆布や鰹節の臭みを感じる瞬間もあったが、取り出したらきれいで雑味のない味に仕上がった。
②「木乃婦 / 髙橋拓児氏」のひき方(雑誌参照)
→昆布を90分間しっかりと煮て、最後に花かつおをサッと入れて仕上げる方法。①と比べると、繊細で上品な出汁の完成。旨味や甘みだけでなく、酸味の存在も少し感じた。朝ごはんなど、しっかり目の味ではなく、身体にスッと入ってきてほしいシーンや料理に向いていそうだと思いました。

※結果は参考元を再現したり、評価するものでは全くありません。個人の練習として試して感じたことを記したものです。あらかじめ、ご了承ください。

実食

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百姓庵の塩と、今回の出汁のみ。これだけで世界が成り立っていました。出汁を練習するときは、ぜひ一度お試しください。

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五味醤油のやまごみそと。これがとても美味しいのです。出汁がしっかり効いている分、味噌は2/3程で十分かもしれません。

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最上の荘園の玉子を使い、出汁巻たまごも。これまで家で作るだし巻き卵って、納得いく味になかなか出会えないのですが、出汁次第でここまで高められる事に感動しました。

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味噌汁に関しては、一生修行しても常に目指すところがあると思いますが、少しでも美味しい体験を届けられるよう、そして、味噌と出会うきっかけが作れるよう学んでいきたいと思います!



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