行動をとる前に話し合う重要性
私は「行動取ろう型」の人間だ。
何か問題があると、まずは最初に「どうやったら問題解決できるだろう?」という質問が頭に浮かぶし、話し合いをしてニーズがわかった後には
行動を取りたいタイプだ。
今回のエピソードは、
解決策といえばアクション、というマインドセットを持ったそんな私に、必ずしもそうじゃないと言うことを、ルワンダ出身の友達に教わった話だ。
私が3年間通っていた高校、ISAKは全寮制である為、200人ほどの生徒が
ハリーポッターの食堂シーンのように、毎食を共にする。
(残念ながら、ホグワーツのような食堂ではなく、プラスチック製のテーブルが並べられているだけだが)
ISAKは特殊な高校で、83カ国以上から生徒が集まっているからこそ、ご飯中の話も政治やお互いの価値観の違いについて盛り上がることが多い。
そこで、夜ご飯は実際に7時までなのだが、余裕で8時まで長引くことも珍しくない。
ある夜、私はチリ出身の友達とディナー中に
「スペイン出身の先生によるスペイン語授業」についてヒートアップしたディスカッションをしていた。
私のスペイン語のクラスには生徒が15人ほど、
性格強めのスペイン出身の先生が教えていてくれた。
ぐんぐんスペイン語は伸びていたし、スペインの映画や文化についてのディスカッションなどもあって、私の科目の中では結構好きなクラスだった。
そんな中、同じ先生が教えている上級者クラスを受けていたチリ出身の彼がその先生の文句を言い始めた。話を聞いてみると彼は、スペイン人の先生が「スペイン文化のみ」を教えていることに不満を持っていた。
「せっかく僕達はUWCで、学校として多様性を祝うというミッションを掲げているのに、先生はスペイン語を喋る他の国を認識してないじゃないか」、と。特に、スペインの植民地支配の過去から、スペインの文化以外について話していないことに彼はとても怒っていた。
確かに、先生はチリやメキシコ、アルゼンチン、パラグアイやウルグアイなど、実際に多くの生徒が出身の、スペイン語を喋る
他のラテン系の国々の文化についてあまり触れることがなかった。
それにしても彼のトーンはあまりにも感情的だと私は思った。
ただ文句を言っているように聞こえてしまったのだ。
こんな言い方じゃ先生も理解しようと思わないし、
問題も解決されない。
ここで話すだけじゃなくて、実際にアクションをとって
先生に実際に話に行ってみたらどうなのか。
なんて感じでBack and forthに話し合っていたけど、歯切れの悪い感じに会話は終わってしまった。
帰りながらもずっと私はずっとブツブツ色々言っていたので、会話の一部始終を聞いていたルワンダ出身の友達のハウスで話の続きをしようということになった。
階段で横に並んで話し始めると、彼女はこう言った:
「行動をとる事が必ずしも解決策じゃないんじゃないかな」。
私は最初、そう言われた時に彼女が何を言ってるのかわからなかった。
「行動取ろう型」の私の頭には、
スペイン人の先生が他のラテン系文化について触れていないことに怒ってる=スペイン語の先生に話に行って、解決策を一緒に探す。
くらいに一直線だったのだ。
「でも彼があんな口調だったら問題は解決しなくない?」
「先生も言われないと、それが問題なんだってわかんなくない?」
階段に座ったまま、カフェテリアの時よりも更に熱した話し合いの中、
私にルワンダ出身の友達はこう言った、
「問題を解決しようとアクションを取る前に、まずは話を聞いてあげることが解決策なんじゃないかな?
私のルワンダにいる家族も周りの人も、マイノリティのことが多かった。
マイノリティは話をそもそも聞いてもらえないことが多い。
なのに、やっと意見を言おうとすると、問題解決の為に言い方を考えろと要求されたり。
私はそうじゃないと思う。
アクションを取る前に、聞く姿勢が問題解決の一歩じゃないの?」と。
…確かに。
チリ出身の友達とカフェテリアで話し合う時、私の頭の中はアクションを取ることにいっぱいで、彼の意見をあまり理解できていなかった。
そもそも、
「スペイン出身の先生が他のラテン系の文化について教えようとしない」
という問題の重みは、お互い全く違うバックグランドからきた彼と私の間で全然違う。その重みを理解しようとせず、私はアクションという結果だけに注目していたのだ、ということにルワンダの友達は私に気づかさせてくれた。
問題提示をする人は、必ずしもいつもアクションと言う解決策を待っているわけじゃない。まずは、自分の意見が尊重されている環境や話を聞いて、理解しようとしてくれる姿勢を求めていることだってある。
まずは相手に寄り添うことはアクションをとるくらい同じ、いやもしかしたらそれ以上に、大事な事なのかもしれない。
この熱いディスカッションから私は、アクションに至らなくても、聞くことも解決策であるということに気がつくことができた。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
ISAKの高校生活でトップに入るほど、人としての成長に刺激を与えてくれたエピソードなので、インタビューや面接で話したいんだけど、
わりかし伝えることが難しい話で全然伝わらないので(笑)、時間はかかったものの、書いてみました。
この記事に時間を費やしすぎて、逆にはしょってしまった部分もありましたが、伝わっていたら嬉しいです。
それでは、また次回!
See yaaaaa,
Misoきゅうり。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?