君の名前:20061024

呼ぼうとして呼べなかった
呼びたくて呼ばなかった
その名前を
今はあの娘が呼んでいる
私が呼ぶことのなかった
その名前を
分かりきってたことなのに
まのあたりにして思った
私は君に 何をしてあげられた?
君は少しでも幸せを感じてくれた?
君が私にくれた幸せは
私に君を見えなくさせた
そして離れていった
手を繋ぐこともなく
確かに芽生えたその感情を
私はなかったことにした
嫌悪という形に変えて…
いつしかそれは見えなくなった
忘れていた気持ちは
今になってときどき
違う形で私の外に顔を出す
今だから言える
私は確かに 君を好きになったよ
あの頃の君は 頼りないだけだったけど
私はそこが好きだったよ
あと優しいところ 穏やかな笑顔
忘れてたけど
思ったより 君のこと 好きだったみたい
あの頃の私は まだまだ幼かった
大事にしてあげられなくて ごめんね
あなたの名前も 好きだった
自分で書いてみて 改めて見たとき
素敵な名前だなって
本気で思ったんだよ
これまで以上に
君を愛しく思ったんだよ
君は知らないだろうけど
これからもきっと 知ることなんてないんだろうけど
何度もノートに書いては
それを眺めて 幸せだったんだよ
一度も呼ぶことなく終わっちゃったけど
でもそれでいいんだ
後悔なんてしてないよ
だって
今とは違う未来になってたかもしれないから
今の君の幸せも 今の私の幸せも
全く違うものになってたかもしれないから
私は今幸せだよ
君を好きだった頃よりもずーっと
だから
君の名前を一度も呼ばずにサヨナラして
本当によかった
君が幸せなら なおさら

きみはいま しあわせですか

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