特別の話

愛に溢れているものにもういちど触れると、アンコール、アンコールと手を叩くひとびとの顔や、声、聞いたことも見たこともないどんなひととも親しくなれるような気持ちになったり、そういえばと昔のこと、優しくしてもらったこと、いただいた言葉を思い出したりする

特別は、固有のものじゃないから、あちらが長いとかこちらが短いとかはかれないんです。あなたが誰かに想う「特別」に於いて、あなたも誰かの特別であるということを覚えておいてください。

言い回しは曖昧なのだけれど内容は鮮明に覚えている、わたしの特別は大きくて大きくて長くて長くて、だからそう言われたときはそんなことがあるのだろうかと疑った、けどとても嬉しかった。あのひとはまだ、この海のどこかにいらっしゃるのかしら。

巨大な愛を経験してしまうと、感覚が麻痺するのか、少しの愛にも敏感になるかわりにいつも疑わしくなってしまう、ちょっとしたことで長さをはかろうとしてしまう。わたしの目は見えすぎるし、そして見失いすぎる。見えてしまうと言わずにおれない、そしてすこし心を浮かせてあげられる、愛ってなんなのでしょう、わたしは愛されることに、めっぽう弱い。愛され方を知らない。正しさを正しいと断言出来ずにまた何かに打ちのめされてしまうの

無言の声を、美しさを知っている。
やっぱり恋人とお別れしようかしら
世界にたったひとりで戻ってくる
それが出来ればなんだっていい

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