見出し画像

わたしが思うZ軸の世界①シェアハウスで子育て

最近、答えがX軸にもY軸にもないとき、私なりのZ軸の世界を探すことにしている。いま東京と長野で二地域暮らしをしている。それぞれに、やりたいこと、関わりたいコミュニティ、在りたい自分があるからだ。

東京で会社員1年目のころ、パートナーと将来のことを考え、2人暮らしを始めることになった。生きることに焦りすぎ、落ち込んでいる私にパートナーがかけた「一緒に考えよう」という言葉が、「一緒に住もう」に聞こえたのである。

画像1

そんななか「家族」のかたちを、もう一度考えたいという話になり、2人の休日にmanmaの「家族留学」という制度を使って、京都に住む子連れ夫婦に会いに行った。

家族留学とは?
若者のための家庭版OBOG訪問です。「結婚して、子供も欲しいけれど、仕事でも活躍したい」「自分は専業主婦の母親のもとで育ったから、両立のイメージがつかない」「子育てってどういう感じなの?」そんな若者に向けて、manmaが提供している「家族留学」プレママ・プレパパ世代の若者が、子育て家庭に1日留学し、先輩ママさん&パパさんとの交流、育児体験を通して、生き方のロールモデルに出会い、ライフキャリアの選択や結婚、出産、子育てのリアルを学ぶ事業です。

「家族留学」を通した京都での出会いは、「夫婦」という言葉の概念をガラッと変えてくれた。
きっと夫婦の数だけ、解はあるのかもしれないけれど、彼らは「共に戦う同志」であり「チーム」だった。

例えば、何か腹が立ったことがあれば、相手に直接ではなく相手との間にある、テーブルに向かって、「えいや」っと言葉を投げてみる。

そこには「妻だから」「夫だから」「父だから」「母だから」という言葉はなく、一人の人として尊敬し、対話を通して問題を解決していく姿があった。 そうそう、これこそが探していた家族のかたち。そんな感覚だった。

在りたい姿のすり合わせも終わり、2人暮らしが始まった。だが、半年くらいたった頃、関係を2人だけで完結させることが、しんどくなってきた。

相手のことが嫌いになったわけではない。ただ、2人だけの閉じられた生活で完結してしまう「家」に居場所を感じられなくなってきたのだった。

ちょうどCiftが「拡張家族」という言葉を世の中に発信し始めた頃、私たちも2人暮らしをそろそろ卒業したいという話になっていた。そんな時、たまたま会社の同期に誘われて参加した朝の勉強会がきっかけで、素敵な出会いがあった。

主催者が住んでいるシェアハウスに空きが出るので、一緒に住まないか?とのお誘い。1歳(当時)の子連れの夫婦と、シングルの男性がすでに住んでいるという。そのシェアハウスは、マンションのワンフロアだった。間取りは、3LDK、お風呂、キッチン、トイレ全てが共有。いわゆる、「普通」の家庭様式だ。

そこに1世帯1部屋で住む。
しかも、子連れの夫婦とシングルの男性と一緒に。

不思議なくらいトントン拍子に話が進み、1週間お試しステイも経て、無事子ども1人、大人5人で住み始めることになった。今まで2人だけだった、閉じられた「家」が、一気に開かれた「家」になった。

それは、パートナーと私の関係性も同じだった。2人だと「もう嫌いだ!」なんて深刻な雰囲気になってしまうことも、みんなの前で話すと実は大したことないよなあ、なんて気がついて、笑い話になったりする。

一緒に住んでいる子連れの先輩夫婦は、クウォーターセッションと言って、3ヶ月に1度、泊まりで夫婦での対話を行なっていた。お互いを役割で縛り付けるのではなく、尊重するあり方には学ぶことばかりで、私たちのロールモデルとなった。

お姉ちゃんの子どもと同居する、そんな感覚で子育てや、夫婦に関わるそれは、きっと昔でいう「長屋」なのだと思う。

開かれた家には、開かれた人たちがたくさん集まってくる。5人の大人がいたら、5人分の価値のあるつながりがそこで生まれる、そんな大切な場所だった。

そんな大好きなシェアハウスを経て、パートナーと入籍することが決まり、仕事のご縁などから長野に2人で移住することになった。

画像2

大切な居場所を自ら手放す感覚に、胸がギュっとなったが、実は、毎月東京に帰ってきた際には、このシェアハウスに泊めてもらっている。

私たちの後には、シングルの女性が入り、今も彼らは大人4人子ども1人の生活を続けている。この年末も夫婦が帰省するからと、部屋を貸してくれており、他のメンバーと一緒にこの家で年越しをさせてもらう。

こうやって大胆に甘えさせてもらうことで、長野でも東京でも大好きな人たちと過ごす時間ができる。過ごす上で、金銭的な面でもたくさん気遣ってもらっているので、ここは早く甘えから脱したい。

長野か、東京か。その二択だと、どちらも続けられなかった。

でも、たくさんの人の協力によって、Xでも、YでもないZの「二地域」という選択肢を持つことができている。

その選択肢は、自分の生きやすさに繋がっている。

画像3



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?