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写真家が、「家」はじめます。

きっかけは、質問箱にもらった一通の手紙だった。
「何もをするにもやる気がおきません。」という書き出しの長い手紙。

私は、noteで返事を書いた。

それを読んでくれた彼女からDMをもらって、電話をするようになって、会って話をするようになった。

彼女にはたくさんの悩みがあったからだ。
体調のこと、心のこと、人間関係のこと、そして住まいのこと。

彼女は家出中だった。

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そこからの彼女と私は、結構忙しかった。
電話での作戦会議。
ラインでの状況報告。
内科と精神科の受診。
関係する人との話し合い。
住まい探し。


現在、彼女はとあるシェアハウスに住んでいる。

あれだけ彼女を困らせていた体調は驚くほど良くなり、人間関係も、距離を置くことで結果的に何とかなり、仲間とゲラゲラ笑いながら暮らしている。


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私は、10代の頃、家を出たくて出たくて、たまらなかった。
叱責と怒鳴り声と暴力にビクビクして、家は安心できる場所ではなかった。
でも、一人暮らしをするお金も、勇気もなかった。かといって、虐待で養護施設に保護されることもなく、大人と言われる年齢になった。

成人しても、やっぱり家を出たかった。
なかなか家賃は高いし、バイトをしてなんとかなっても、一人で住むのは寂しいのだ。

そんな時、期間限定で、友人と1部屋をシェアして住むことになった。
3人暮らし。

はじめは、「他人と一緒になんて住めるのかな。しかも同じ部屋でなんて。」と不安だったが、実際暮らしてみると、修学旅行や部活の合宿感がありつつも、一人の時間があるような感じだった。
楽しさと楽ちんさの両立がそこにあった。

何より、金銭的に助かった。
家賃も光熱費も食費も折半なので、経済的にも支えあうことができた。

そんな私は、いつからか、「いつか、家が安心できる場所でない子のために、家をつくりたい。」と思うようになった。

手紙をくれた彼女が安心して住めるシェアハウスで笑顔で過ごしている様子を見たときに、思った。

「家を作ろう。いつかじゃなくて、今からつくろう。」

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そう気付いてからは早かった。

この1ヶ月、物件を探し回り、起業のサポートをしてくれるHATSU鎌倉への参加、色々な人に出会い、話を聞いもらい相談にのってもらい、勉強し、本もめちゃくちゃ読んだ。

たくさんの、素晴らしいご縁に恵まれ、感謝してもしきれない。
つないでいただいたご縁から、家具や家電製品のほとんどをいただけることになった。本当に、本当にありがたい。このことについては、また別のnoteでご紹介させて頂こうと思う。




走り出しているうちに、「いい家を作るために」「いいサービスを作り」「利益を出さないと」にしなきゃと、思うようにもなった。

それは、家を長く続けて行きたいと思ったからだ。

赤字が続き、私が破産したら、続けられない。
そしたら住んでいる人たちが困る。
それは避けたい。

持続可能にするために、何とか利益を出さないと考えていた。

考えて考えて考えていたら、ふと、思った。
そもそも、いい家って何だろう?
いいサービスって何だろう?
利益って何だろう?

私の人生をかけての夢は、
「誰もが自分自身大切な存在であると感じ、自分の人生の舵をとっていける世界をつくること。」

「最良のサービスを提供」しようとしていることに、何だか違和感を感じた。私は、安心で安全な家を用意するけれど、支援でも、提供でもなく、中身(そこにいる意味や体験)の部分は、住んでくれる人と一緒に、作りたい。

利益を出すという面でビジネスプランの課題も大きいけれど、短期的に金銭面で利益が出なくても、何年かプラスゼロでも、赤字にさえならなければいいんじゃないだろうか?続けていけるのではないだろうか?と思いはじめた。

そんなとき、voicyの緒方さんの言葉が突き刺さった。


私がしようとしていることは、すぐに食べられるものが手に入る漁業型の事業ではない。どちらかと言えば農業型だ。
農業は、美味しい作物がとれるまで、開墾して、試行錯誤して、何年もかかっることもあるだろう。
まだ見たこともない作物の需要や利益がどのくらいあるのかも、正確にはわからないだろう。

私の中にあるのは、ただただ、「帰る家を必要としている人たちと、安心してのんびり暮らせる場所をつくりたい。」という気持ちだ。

私たちも農業のように時間をかけて、みんなで美味しいものを生み出していきたい。その過程を楽しみたい。もしも、そこで何かができた時には、みんなで一緒に喜びたい。
そう思った。

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安心して住める家がないあなたは、今は、とても大変だと思う。
何にもやる気が起きないかもしれない。
体調も悪いかもしれない。
そうするしかなくて、本当はしたくないこともしょうがなくしているかもしれない。

それなら雨宿り、して行きませんか?

ネットカフェに寝泊まりしたり、今日の居場所に困ったり、性産業で働いたり。
それを、あなたが望んで選んでしてるなら、私は応援したい。
でも、そうするしかなくて、仕方なくしているなら、一度、安心な場所でゆっくりしようよ。

私は、お家を代表で借りて、エアコンや家具などの準備をしておくから。
たまたま降ってきた、人生の困難という雨をしのげる雨宿りの場所を、用意しておくから。

どうやって雨宿りの時間を過ごすかは、住んでくれた人と一緒に考えて、選んで、決めていこう。そうやって家と仲間を作っていく過程が、楽しいと思うから。

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<お知らせ>
「アマヤドリ」というシェアハウスを作ります。
帰る場所やサポートを失った、おおむね18歳以上の女性のための家です。

未来への一歩を踏み出すまでの充電所。

自然豊かな三浦半島にあります。
最寄り駅からはバスで約10分、徒歩5分。
駐車場もあります。
近くに商店街があり、スーパーがあり、薬局があります。

リフォーム済みの一軒家で、2人部屋を1つと、1人部屋を2つ用意しています。合計4人が住めます。敷金礼金などの初期費用はいただきません。
賃料の他に光熱費共益費として1万円がかかります。

縁側があります。
一緒に日向ぼっこしながら、話をしましょう。

キッチンがあります。みんなで料理をしてご飯を食べましょう。料理が得意な人は私に教えてください。

広めのテラスがあります。晴れた日にポカポカ洗濯物を干すのもいいし、寒い中の花火もいいね。

あなたは、何がしたいですか?
今は思いつかないかもしれません。

あなたのやりたいことをあなたが思い出す手伝いをしたいから、アマヤドリをつくりました。エネルギーがたまってきたら、少しずつ一緒に、あなたの希望を見つけていきましょう。

お家の準備はこれからなので、家具を運んだり、お掃除をしたり、カーテンを選んだり、必要なものを考えたり、準備から一緒に参加してくれるのも大歓迎です!
準備は12月下旬からスタートします。
2月1日のプレオープン、4月のオープンを目指しています。

ちょっと気になったら、ホームページから気軽に連絡くださいね。1人でがんばらないで、一緒に歩かせてください。
連絡くれたら嬉しいです。

今日があなたにとって素敵な日になりますように。
いってらっしゃい。

いただいたサポートは、18歳からの女性のためのステップハウス「アマヤドリ」の運営資金にさせていただきます。