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「お出かけ服」なんて言わない

今年の夏は、引きこもりの夏だ。
夏だけじゃない、今年の春くらいからずっと引きこもっている。
私だけじゃなく、世界中の、かなり沢山の人が同じように引きこもっているはずだ。

フリーランスの私は、どうしても通勤しなければいけないような仕事は殆どない。
対面じゃないと成り立たない買物同行だけは予約を再開しているけど、みんな服を買うような気分にならないのか、昨年の同じ時期よりかなり以来は減っている。

その分オンラインの仕事が増えたけど、PCの画面上でのやりとりなので、どうしてもトップス以外の服がどんどん適当になる。
ZOOMの画面上だけ印象良くすれば成り立つので、どうしてもアスレジャーファッション(アスレチック+レジャー、つまり運動と余暇を兼ね備えたスタイル)に偏ってしまう…といえば聞こえはいいが、実態はボトムはフィットネス用のパンツばかりという日々が続いた。

アスレジャーファッションも大好きだし、仕事の合間にストレッチしたり、ちょっと昼寝しても何ら差し支えない服装はラクで良い。
今年はひたすらアスレジャー系かな…と思いながらクローゼットに掛かる夏服のあれこれを見ていた。

毎年夏になると好んで着ていた、コットンのマキシワンピ。
涼しくて大好きな、リネンのパンツ。
去年買ったネイビーのTシャツワンピは、白いワイドパンツに合わせるのが好きだったな…

そんなことを思っていたら、今年は出番がなさそうなお出かけ用の夏服たちが可哀想になってきた。
…いや違う。
それを着てお出かけができないことが悲しいと、唐突に思った。

ファッションを愛することは、季節を愛でることだ。
その季節ならではの色彩、デザイン、そこにトレンドを掛け合わせて、パズルのように「今」を楽しむ。

春には芽吹く葉や花のような淡い色を、
夏は見た目にも涼やかに、
秋は実りの果実のようなこっくりした深みを取り入れ、
冬は温もりと感じさせる素材感を。

それが、今年は出来ない。
少なくとも、春と初夏は出来なかった。
いつもとあまりにも違う状況に応じるのが精一杯で、それどころではなかったのだ。

でも、この状況はおそらく長期戦になる。
悲観ではなく、現実的に淡々と受け入れる心の準備がようやく出来てきたところで、夏服が目に入ったのだろう。

そうだ。
出かけなくてもいいから、大好きな夏服を着よう。
家族以外誰とも会わなくても、私が楽しくなるために。

お盆が終わったら、もう秋だ。
どんなに残暑が厳しくても、ファッションを愛する人はそう思うものだ。
なぜなら、その太陽は真夏よりも傾き、日は短くなり、日差しの色が変わる。
そうなると、真夏に映えるマリンカラーや彩度の高い色は何だか野暮に見える。

となると、真夏の服が楽しめるのは、一週間ほどしかない。
何ということだ…。

真夏の暑さは苦手だ。
体調も崩しやすくなるし、何より今年は人に会えない。
でも、だからといってファッションを楽しむことを諦める必要はない。
あと一週間、私は自分のために精一杯夏服を楽しもうじゃないか。

だから、お出かけ服なんて言い方はもうやめよう。
私は「いつ着るの?」「着る機会ないよね?」なんて言い訳で好きな服を着るのを諦めたりしない。
いつでも私は、私のために好きな服を着る。
服を通して季節の移ろいを愛でる、そんな人でありたいと思う。

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