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コラージュとジャグリング

コラージュという絵画の技法が、ジャグリングを実験するということにおいてとても効果的なものじゃないかとよく考える。

コラージュについては私が説明するより美術手帳の解説が分かりやすいのでこちらを参照ください。

簡単に言うとまったく文脈の違うものを組み合わせることで、面白い発見ができるというもの。

特に本や雑誌の切れ端を組み合わせたような平面作品のことをいって、立体的なものを組み合わせたものはアッサンブラ―ジュといいます。

ジャグリングをみていてよく思うことは、ジャグリングは偶然性を避ける傾向にあるということです。

屋外でジャグリングをしていて、偶然風が吹いてドロップするのは避けたいし、注文したボールが歪んでいたらあまりハッピーではないはず。

だから私たちは風が吹かない体育館を借りて練習したり、機械で画一的に作られたジャグリングの道具を使います。

それはジャグリングをする上での自然であるともいえるし、道具を思いのままにコントロールするというところに、ジャグリングの真骨頂があるからです。

私たちの生活も同じように、人間が気持ちよく過ごせるように偶然性を人工的に排除しているものに囲まれています。

それでも私たちは、自分たちの意識だけではコントロールできないものや、人間の想像力を超えたものに魅力を感じるというもう1つの側面を持っています。

例えばファミレスのドリンクバーでウーロン茶とメロンソーダと梅昆布茶を混ぜてみたいと思う気持ち。

自然に侵食された廃墟をみたときの圧倒感。

絵画の世界でもそういった類の感動を再現するために、あえてすべてをコントロールできない状態に置いたり、風や、重力に任せて絵具を垂れ流してみたり、コラージュもそういったものにアプローチするための手段でもあります。

偶然性やコントロール不可能な状態はジャグリングと対極になるような響きを持っているけど、それを逆手にとれることって新しいジャグリングを生み出していくためのエッセンスなのかもしれない。

そのエクササイズとしてコラージュを効果的にジャグリングに取り入れられないかなあと考えています。

写真はパリでジャグラーのFlorance Huetと撮影をしているときに駆け寄ってきた犬。

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