うらめしや

ある人が、4、5年くらい前に、千葉のどこだかで、新築マンションを買ったという。10階だかそのへん。ところが部屋に引っ越した当日から白い着物の女の幽霊が「恨めしや」って出たという。新築だから事故物件な訳がない。

最初は引っ越し疲れかと思ったが、翌日も出たので、不動産屋に「幽霊が出る」と言ったら、対応が神で、翌日にホテルを用意してくれ、不動産屋の社員が泊まって確認したら「やっぱり出る」と。さらに翌日にはお坊さんも来てお経を上げて、そしたら出なくなったという。

さて、この幽霊。特に問題物件でもない元は畑だったマンションの10階だかの一室にだけ、なぜ出たのか。お経を上げてくれたお坊さんが、ニコニコしながら語ってくれた所によると「出る所を間違えた」という。

その幽霊は、江戸時代にその物件の近くで生まれ、江戸のお屋敷に奉公に出て手籠めにされて自害した女性だったという事なんですが(良くありがちw)死んで何だかよくわからないまま気がついたらこの部屋にいて、自分が死んだのはわかってるんだけど、とっさに出た言葉が生前に芝居で観た「恨めしや」だったそうで。

幽霊自体も、何だかよくわからなくて腑に落ちないけど、結局よくわからないまま上の方から何か呼ばれる声がするので成仏していった、という事ですが、何しろ不動産屋の対応が神だったということでした。

まぁ、幽霊も出たくて出た訳じゃない事もあるんだろうなとか、そういう時はやっぱり訳わからないんだ、とか、出たり消えたりするだけで、変に混乱したりする所は生きてる人間と変わらんなぁ、と思った次第。

何だかよくわからないまま、時も場所も全然違う所に突然出てきて一人で混乱する女幽霊とか、ちょっとかわいくて萌えるよねw
よくわかんないんだけど、が多い怪談は語りたくないんだけど、でも本人もよくわかってなかったっていうんだから、仕方ないよなぁ。

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