子供と僕の、見る視点

11ヶ月の子供は、少しばかりのおめかしをしながら母親に連れられて帝国ホテルのランチに行った。
仕事をしているときに、帝国ホテルのランチ中の写真が送られてきた。
おしゃれな店内に写る彼は、家でいろいろなところに頭をぶつけ、時々転び、泣き出し、よく笑うよく知った彼よりも、なんだか少し大人に見えた。
0歳児に対し「大人に見える」だなんて、ちょっと表現がおかしいなと思った。
親は誰だって差はあれど自分の成し得なかったこと、見たかった景色を見て欲しいという感情があると思う。僕にはある。
でも、それと同時に別個の視点も意思も持った存在であるし、次第に私が見たことのない景色のコレクションを記憶に溜めていくのだろう。
僕は帝国ホテルに行ったことがなく、彼にはある。それでさえ一つの違いだ。
親の意思でどれだけコントロールするか、どれだけ子の意思を尊重し、助けていくのか。
その塩梅って難しいんだろうなと早くも感じる。

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