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トリガーを理解する

Turmali

この前、怒りについて人に話すことがあった。

自分の怒りのパターンについて。

「舐められてるな~馬鹿にされていると感じると腹が立つ」

というようなことを言ったし、言ったあと

言ったと同時に心の中で気づくというような体験でもあった。

(言葉にして同時に気づくというようなことが、私にはよくある)

なぜだろう?とそのあとも考えていた。

余程わたしはプライドが高いのだろうか?とも思ったけれど

ああ、これかと思い当たることがあった。

それは満員電車の痴漢についての記憶だ。

例えば自分が会社勤めをしていた時にパワハラなどがあった時も、

心の中で行きつくのがこれだった。

「世の中にはなんて”痴漢”が多いんだろう!」と。

18の時、初めて都会に出た時のことを思い出して一番浮かぶのは

満員電車の痴漢だというのは、まあまあ不幸な話だなと思うけど

それくらい異常な多さで満員電車に痴漢は多かった。(今もかな)

そしてよく言われることだけど痴漢というのは

相手が綺麗だからとか、派手だから目についたとか、好みだからとか

露出の多い格好をしてるからという理由ではほとんどしない。

つまり相手が理由ではない。

まず自分の中にある種のストレスがあって、それをぶつけるはけ口を

求めているという状態があり、自分が優位に立てる相手を

無意識に探している。

それがコンビニの店員さんに向かう場合もあるし、

お年寄りや子供に向かう場合もある。

つまり、自分より弱そうだったり立場が弱い人だ。

痴漢の場合、相手は「大人しそうで、突然叫んだりしなさそうで

からだが自分より小さい人間」を「身動きできない満員電車」で

触る、ということによって簡単に言えばストレス発散をしている。

(ことは犯罪なので、そのハードルを平気でこえてしまっているわけだから

痴漢をする人の精神状態はカウンセリングとかセラピーが要る)

18の時、朝いちあのぎゅうぎゅうな場所に閉じ込められるということの

ストレスも結構なものだったけど

あのなかにランダムに痴漢が混ざっているのである。

この間まで、制服を無頓着に着ていて、

もちろんファッション雑誌なんかは読めたわけだけど

今みたいにネットで買えるわけでもないし、

自分がどういう様子をしているかという自意識にも乏しいわけで

つまり私は正真正銘田舎から出てきた無防備で大人しそうな

女子だったわけだ。

体の向きを何とか変えたり、とにかく手を動かしたりして

対抗するのだけど、ぞっとするのは地下に入った時

自分の後ろに映り込む無数の人間の顔の中の

「こいつか」と思う人間と目が合う時だった。

痴漢もそうだし、ちょっとしたことで舌打ちしてくる人とか。

だから私は会社勤めになってからはとにかく満員電車には乗らないように

通勤していた。(バスを使うとか)

そしてこれが、

都会にこなれてくると痴漢に合わなくなってくるのである。

つまりこっちが「文句を言ってやろう」という心構えになってくると

そういう雰囲気が出るのか、されなくなってくる。

ほんとにああいう人間は無意識レベルで狡猾に人を選んでいるのだ。

(運が良かっただけかもだけど)

電車に乗るということは、日常の必須だったから

毎日毎日うっすら溜まっていく嫌々乗る気持ちや傷つく気持ちが

トラウマレベルになったんだろうと思う。

(そしてこのきつい気持ちを人に話すと…言うのもうんざりするほど

理解がなかったのである。男も女も。)

会社などでも、同じことあの人もしていたけど

なぜいま私?というようなことがあった。

年齢男女関係なく精神的な”痴漢”が世の中にはうようよいる。

ストレスを自分より弱そうな人に向けて発散しようとする人間。

これが連鎖する。この連鎖の中に自分もいたのだ。

こいつには言っても大丈夫だろうと思われている、という

気持ちから生じる怒り。

それは、正当に自分を守るという意味では有効なんだけど

思い込みや間違って発動することもある。

簡単に言えば、明かにたまたまぶつかってしまったという人に対して

「てめーこら」と食ってかかるようなこと。

子供に対して「親を何だと思っているのか」と怒るような気持ち。


感情の発動の原因はいつでも自分の中にあるのだということ。

それを抑えつけようということではなく

その自分の中にあるトリガーを理解すること。

そこに降りて行って感じ切るということ。

それをあらゆる人が気づけるタイミングでできていれば

時間はかかっても

こんがらがった個々人も、このやばい世の中もほぐれていくだろうし

簡単なことではないけれど必要な社会制度や必要な対話も

自然に生まれるのだろうとは思ったりする。


#日記 #ひとりごと #怒り #感情 #人間関係

#満員電車 #痴漢  



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