20181206タイトル2

情勢をくつがえせ! 衆院選・野党共闘シミュレーション

ポイント

・共闘が有効な小選挙区と、そうでない小選挙区がある。
・共闘で優位に立てるところは東日本と都市部に多い。
・ここぞという小選挙区で候補者を統一することが大事。

48回衆院選の得票率をもとにして、野党共闘の試算を行いました。この共闘モデルでは全国の小選挙区の概観をつかむことを目的とし、立憲民主党・共産党・社民党・希望の党・非自民党系無所属の得票率を合計しています。また、日本維新の会は合計せず、第三極として取り扱っています。

与党(自民党と公明党)は全ての選挙区に候補者を立てているため、地図やグラフの作成にあたっては「与党候補と野党の最有力候補の得票率差」を用いることにしました。プラスの場合は与党がリードし、マイナスの場合は野党がリードしていると見てください。

なお、ここに載せた図表は議論や発表の際に断りなく使用して構いません。

⓪共闘の効果について

上の図は48回衆院選の選挙結果について、289ある小選挙区のそれぞれで「与党候補の得票率」から「野党の最有力候補の得票率」を引いた値を計算し、与党のリードが大きい順に並べ替えたものです。縦軸には得票率の差をとっており、1本1本の細い棒が各小選挙区を表します。

与党がリードする小選挙区は226、野党がリードする小選挙区は63でした。与党が20ポイント以上リードする小選挙区は112にのぼり、これほどの差がある場合だと普通は選挙戦で逆転することは不可能ですから、公示の時点で勝敗が決まっているところが多いといえます。


それに対してこの共闘モデル(立憲民主党・共産党・社民党・希望の党・非自民党系無所属の得票率を合計)のグラフでは、与党のリードは161に後退し、野党のリードは128に倍増しています。与党が20ポイント以上リードする小選挙区は51まで減っています。

また、全体として接戦の小選挙区が増えていることも重要です。共闘では直接的に議席配分の優劣が変化するだけでなく、同時に「選挙戦で動きうる小選挙区の数が変わる」ということです。

共闘モデルのグラフは与党が強いところから野党が強いところに至るまで、きれいな曲線をなしています。これが実際の選挙結果のグラフのように歪められるということが、野党の候補者が分裂した結果にほかなりません。


①全国

選挙結果と共闘モデルについて、小選挙区の情勢を地図上に表示しました。小選挙区ポリゴンの位置関係上、沖縄は個別に載せています(⑪沖縄を参照)

全国の地図からは、西日本と東日本での傾向の違いが読み取れます。東日本では共闘することで逆転する選挙区が多いですが、西日本ではあまり多くは見られません。また、共闘の効果は都市部の小選挙区で強く表れる結果でした。これは後に拡大図を示します。

共闘モデルでもなお与党が20ポイント以上リードするような小選挙区は、与党現職の不出馬や大幅な構図の変化がない限り、基本的に野党が共闘しても逆転は困難です。

「選挙結果」と「共闘モデル」の地図からは、統一候補を立てることが有効な小選挙区と、統一候補にこだわる必要がない小選挙区を読み取ってもらえればと思います。野党の票を合算しても与党に大差で届かない小選挙区は、統一候補を立てることに力を裂く必要が小さい上に、比例票獲得を見越してあえて各党が候補者を立てる道もありえるでしょう。

(なお、ここで用いた48回衆院選では「自民対共産」や「自民対社民」となっている小選挙区がいくらか見られます。こうしたところは構図を変えることによって情勢に変化を与えうる可能性がありますから、自分の地域の小選挙区をより詳細に検討してもらえればと思います)


②北海道



③東北


④関東

関東地方は共闘で一変します。特に東京が劇的に変わります。



⑤東京

共闘の効果が最も激しく現れるのが東京です。このような地域でこそ、統一候補を立てるために努力が必要です。


⑥中部

中部地方も逆転する選挙区が非常に多いです。



⑦近畿

維新を第三極として集計しているため、維新と自民が競っている大阪は共闘による変化が見られません。



⑧中国

中国・四国地方では、共闘モデルでも逆転がありませんでした。しかし差が縮まっている小選挙区には注目です。


⑨四国


⑩九州


⑪沖縄

沖縄はすでに野党の候補者が統一されているため、選挙結果と共闘モデルに違いがありませんでした(沖縄1区だけ維新の下地氏が立っていますが、維新は別集計のため影響していません)。

議論の際などに利用してください。ここではまだ全国を概観しただけなので、こうした全体像の中で、さらに細部を見ていく必要があります。

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note: みらい選挙プロジェクト情勢分析ノート

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社会を変革する手段としての正確な政治情勢分析を、誰からも独立して探求しています。著書に『武器としての世論調査――社会をとらえ、未来を変える』(ちくま新書)。自由にフォローしてください。Twitter: https://twitter.com/miraisyakai