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【新型コロナ世論調査】日本国民の危機感は欧州各国よりも高く、政府対応の評価は最低水準にとどまる

⭐感染への危機感は極めて高い

 新型コロナウイルスについて「危機感が足りない」「人出が十分に減っていない」ということが言われますが、果たして日本の危機感は低い水準にあるのでしょうか? 人出が減らないとしたらその理由はどこにあるのでしょうか?

 イギリスのYou Govが各国で実施している世論調査で、日本では新型コロナウイルスへの危機感が極めて高い水準にあることが明らかになっています。

感染を恐れるか

 「新型コロナウイルスへの感染を恐れるか」という質問に「非常に」または「いくぶん」と回答した割合(2つの選択肢の合計)を上の図に示しました。

 日本(青色太線)は3月中から60%台と高かったのですが、緊急事態宣言に前後して80%台まで伸びています。より多くの感染者や死者が判明している欧米各国と比べても、圧倒的に高いのです。


⭐マスク着用率も高い

公共の場でマスク

「公共の場所でマスクを着用するか」との質問では、直近では8割をこえています。これを上回るのはヨーロッパではイタリアしかありません。スペインが6割台、フランスが4割台で続きますが、多くの他の国は伸び悩んでいる状況にあります。

 日本は感染への危機感が高く、マスクの着用率も高いということが言えるのです。ではなぜ人出が十分に減らないのでしょうか? そういったことも世論調査から考えていけます。


⭐仕事が避けられない

仕事に行くのを避けているか

「仕事に行くのを避けているか(例えば家で仕事をするなどして)」という質問では、日本は3月末から4月上旬にかけて最低水準にありました。直近では増加して25%となっていますが、早くからグラフが立ち上がっている欧米各国と比べて非常に出遅れた感があると言わざるを得ません。


⭐混雑した場所の回避も出遅れてしまった

混在津下場所を回避するか

 「混雑した場所を回避するか」は緊急事態宣言に前後して伸び、直近は平均的な水準に上がっています。しかし3月末の時点は最下位と、出遅れた感が否めません。

 こうした調査からは、日本では感染への高い危機感がありながら、なお仕事などで外出せざるを得ない人が多いことが示唆されます。


⭐最低水準の政府対応評価

 休業要請の拡大や補償などを行い、具体的に人の流れを止めるのは、政府が迅速に対応すべき問題です。しかし日本政府は、これまでそれを十分にやってきたとはいいがたい状況です。

政府対応

 こうしたことを受けて、日本の政府対応の評価は、依然としてフランス・スペインの2国とともに最低水準となっています。

 より多くの感染者や死者が判明している欧米各国と比べて、なぜ日本の政府対応は評価されていないのか? 不思議に思われる方もいるかもしれませんが、この調査からは、日本では多くの人が新型コロナを心配していることと、早くから国内の感染者が確認されていながら政府の対応が遅れ、必要な措置を行ってこなかったことが浮かび上がってきます。


(注):いずれも、あくまで自国民が自国の状況や政府の対応をどのように評価したかという結果であることに注意してください。

政府対応の評価について日本の推移を見ると、3月下旬から4月上旬にかけて大きく下落し、その後やや上昇した後、横ばいにかわりました。これは日本で実施されている各社世論調査の内閣支持率と同様の傾向です。(イギリスのYouGovが調査した世論調査と、日本の新聞社やテレビ局が実施した世論調査の変化が整合しているというのは、双方の妥当性を暗示するものといえるでしょう)

「政府対応の評価」以外のグラフには、反映されていない国があります。政府対応のグラフは全て反映されていますが、他のグラフでは、グラフの混雑をなるべくおさえるため除外することにしました。

データの出典はこちらです:YouGov international COVID-19 tracker
Twitter : はる/みらい選挙プロジェクト@miraisyakai
Facebook : 三春充希(みらい選挙プロジェクト)
note: みらい選挙プロジェクト情勢分析ノート

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