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農業初心者向け 直売所で販売するコツ!④ ~直売所に無い時期・無い農産物を作れ!~

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。引き続き”農業初心者向け 直売所で販売するコツ!”についてお話したいと思います。

●時期をずらして売り場を独占!
野菜には生育期間の長短や温度に対する感受性などの違いにより 早生種、中生種、晩生種などに品種が分かれています。また同じ品種の野菜でも種をまける期間が露地でも長いものがあります。それら品種の組み合わせ方や種まきの時期をずらし方を工夫することで早いタイミングでの販売や遅い時期の販売が可能となります。また栽培資材の利用も栽培時期の調整に役立ちます。春先のキュウリやスイカの露地栽培で定植した苗をビニールで覆う方法があります。霜よけと初期の育成を早める事が目的です。さらに栽培時期をずらしたいならビニールハウスを活用します。

露地栽培がほとんどの直売所なら出品量の少ない時期に売り場は独占できるかもしれません。ただ品種の組み合わせも資材の活用も時期をずらした栽培にはリスクもあります。例えば早生種のハクサイの栽培では暑い時期と重なり害虫が発生しやすく虫食いで売り物にならないことことも勧化られます。トウモロコシの晩生種の栽培(7月下旬~8月中下旬に播種、10月上旬頃に収穫)では生育時期が台風の季節と重なり倒伏して全く収穫ができないこともあり得ます。ビニールハウスの栽培にしても水やりやビニールの開閉を怠れば全滅ということもあり得ます。ただリスクがあっても出品量の少ない時期の販売によって得られる利益の大きさを優先し、時期をずらす栽培に積極的に取り組んでいく選択も“アリ”と思います。

●伝統野菜の栽培など消費者に刺さる農産物を!
栽培技術力もあがり、直売所への出荷に慣れてきたら、これまで作ったことのない野菜の栽培にチャレンジしてみるのもいいと思います。例えば京の伝統野菜なにわの伝統野菜など各地に伝わるブランド野菜の栽培です。こういった野菜も一部は大手の種苗会社から種を入手できます。消費者にとっては滅多に手に入らない遠隔地のブランド野菜を手軽に買える格好の機会になります。ただし自家増殖の制限などを定めた種苗法や名称の使用を禁じた地理的表示(GI) 保護制度など関係する法令の遵守は必要です。また収穫量を増やす狙いでこれまでとは異なる栽培方法を取り入れても良いかもしれません。例えばミニカボチャや小玉スイカを栽培棚を作って立体的に栽培する方法やきゅうりやトマトで主枝を二本仕立てにする栽培方法、さらにキャベツを徹底して密植し、直売所向けの小ぶりなものが取れるか挑戦してみるのもよいと思います。

●安全意識の高い消費者を獲得!
直売所では消費者の安全志向の高まりから「無農薬ですか」とわざわざ尋ねてくるお客様もいます。もちろん農薬を使っても使用方法を正しく守っているなら安全性に問題はありませんが、無農薬の農産物を求める人は一定数いますのでそういった方向けに無農薬栽培にも取り組んでもよいと思います。無農薬栽培で商品になる農産物を作るのはかなり難しいですが、野菜にはもともと農薬散布をあまり必要としないものや病気や害虫が発生してもそれほど致命的にならないのものがあります。例えば前者はじゃがいもやさつまいも、里芋ので、後者は露地で栽培するかぼちゃやオクラ、ゴーヤなどが該当します。まずはそれらを中心に無農薬栽培を始めます。また他の野菜にしても農薬を使わなくても済むように病気や害虫の発生しにくい栽培環境にして栽培する方法があります。特定の病気に抵抗性を持つ品種を栽培するのもアリです。またトマトやナス、スイカなど土壌を原因とする病気にかかりやすい野菜は接木苗を購入すると安心です。害虫については防虫ネットや寒冷紗などの栽培資材の利用に加え、害虫を寄せ付けにくくするコンパニオンプランツの混植やフェロモントラップの活用により害虫の絶対数を減らします。いくつか組み合わせて試してみましょう。農薬を使わないで栽培してもきちっと条件がそろわないと「無農薬」と表示して販売する事は JAS法で禁止されています。一方で「栽培期間中 農薬不使用」と表示して販売することは特別栽培農産物に係る表示ガイドラインで認められています。表示のルールについてはしっかりと内容を把握して間違いのないようにしてください。無農薬での栽培に慣れてくれば有機 JAS の認証の取得を目指してみましょう!


【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL t.ogawa19720117@gmail.com

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