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医療現場から生まれたビニールハウス型飛散防止シールドを医療施設へ無償で届けよう!

こんにちは。
みらいメドテックの長谷川です。「医工連携にもクラウドファンディングを必要とする場面があるのではないか」という視点で、医療従事者が考える医療現場の困りごとをものづくりの技術で解決するためのサポートをしています。

6月4日に新しいプロジェクトを始めましたので紹介をさせてください。

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臨床工学技士たちの挑戦

 医療現場には、医療機器の安全管理をする臨床工学技士がいます。彼ら臨床工学技士は、医療機器の臨床スペシャリストとも呼ばれ、医学と工学の双方の立場から、チーム医療に関わります。具体的には、人工呼吸器や人工心肺装置、ECMO(体外式膜型人工肺)という生命維持管理装置や、カテーテルなど血管内治療で使う装置の操作を担うほか、医療施設内の医療機器が安全に機能するように保守・点検管理をしています。 

 多くの医療スタッフとコミュニケーションを取りながら、医療安全や患者さんや医療従事者の安心につながる業務を担うのが臨床工学技士です。

 最近、SNSやメディアでも「臨床工学技士100人カイギ」という臨床工学技士の有志による、One CE 「コロナ対策プロジェクト」が取り上げられています。オンラインセミナーで医療従事者間の情報共有を促したり、現実的なコストで医療の質向上を目指したりと、その取り組みは実に精力的です。

 そんな彼らが挑戦するのが、クラウドファンディングです。医療現場から生まれた飛散防止シールドを医療施設へ無償で届けようというものです。中心メンバーは、株式会社iDevice代表取締役の木戸悠人さんと、Kiwi(CE医療機器安全管理支援)代表の大石杏衣さんで、2人とも臨床工学技士。

「飛散防止シールド」を国内で50の医療施設に無償で配布することが目標で、2020年6月4日〜6月30日で、寄付額合計80万円の協力を得られるよう広く呼びかけています。

飛散防止シールドが医療従事者を感染から守る!

 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言は解除されましたが、第2波、第3派の到来は引き続き懸念されます。医療機関においては、今後も、院内でのウイルス感染を防ぐ取り組みが求められ、「低コスト」「管理の負担軽減」を実現する防護具へのニーズはすでに高まっています。こうした中で生まれたのが、臨床工学技士が考えた飛散防止シールドです。

 自治医科大学附属さいたま医療センターの臨床工学技士、百瀬直樹さんが考案したので、私たちは「百瀬シールド」と呼ぶことにしました。

 医療現場の声を反映し、改良が重ねられる「百瀬シールド」は現在、10世代目のモデルです。なんと、その設計図は、一般公開もされています。ものづくり企業の株式会社大門(東京都)、津野田博社長と百瀬さんとが連携して完成した設計図。ものづくりの命とも言える設計図の公開に踏み切ったのは、「全国の医療機関が必要とするときにすぐに届けられるようにしたい」という百瀬さんの思いと、「医療従事者の安全を守ろうとする人を支えずしてどうする」という津野田さんの思いがあったからです。

 これをもとに、今回の「医療現場から生まれた飛散防止シールドを医療施設へ無償で届けるクラウドファンディングプロジェクト」を立ち上げた木戸さんも地元の大阪でものづくり企業に製作協力を呼びかけたところ、その日のうちに地元のものづくり企業から手があがり、必要としていた病院に届けることが出来たと言います。

 「医療現場からの評判は上々。使ってもらえれば、きっと、次の注文が決まるので、試作品の製作費を負担してくれたものづくり企業に恩返しができる」という思いで、まずは無償で50の医療機関に1台ずつの納入を目指します。木戸さんたちの「患者を救う医療従事者を守り、その道具を作るものづくり企業にも恩返しをしたい」という発想から、今回のクラウドファンディングプロジェクトが生まれたのです。

感染リスクがあるのはどんな時?

 感染リスクは、救命救急センターや集中治療室での気管挿管や人工呼吸器の管を抜く時など、飛沫飛散が生じる時に高まります。また、防護具も患者に処置を施している最中から使用後の洗浄・消毒の行程に至るまで、感染のリスクは潜みます。

「医療従事者の腕の動きや器具の操作に不自由が生じない」「低コスト」「管理も簡便」、そして、畑のビニールハウスのように、使わない時は折りたたんでしまいやすいという長所を持ち合わせて生まれた「百瀬シールド」

「Withコロナ」の時代に求められる医療現場のニューノーマルとして、感染患者の処置をする医療従事者が感染しない世界を作ることが目標です。

オンライン説明会で全員勢揃い、思いを語る

 みらいメドテックのホームページで、プロジェクトを公開した6月4日の夕方から、メディアと医療従事者、一般の方にご出席をいただき、オンライン説明会を実施しました。

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 その模様を、録画して6つのパートに分けました。ご関心あるところからご覧ください!
1.  クラウドファンディング実施の狙い
 (みらいメドテック 代表理事 柏野聡彦)
2. One CE 「コロナ対策プロジェクト」について
 (株式会社iDevice代表取締役の木戸悠人)
3. 飛散を防止「百瀬シールド」のご紹介
 (Kiwi(CE医療機器安全管理支援)代表の大石杏衣)
4. 「百瀬シールド」誕生秘話
 (自治医科大学附属さいたま医療センターの臨床工学技士、百瀬直樹)
5. 設計図を一般公開したものづくり企業の思い
 (株式会社大門 代表取締役 津野田博)
6. 工夫したクラウドファンディングの使い方など、Q&A

これからも、活動報告を行ってまいります。温かく見守っていてください!
よろしくお願いいたします。


医療現場の困りごとを解決するために、医療関係者が取り組む医工連携のサポートをしています。ご寄付は、そうした活動に役立てさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします!