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連休明けに会社PCのパスワードなんなく解除できるの悲しい



四連休明け本日、在宅勤務だったが、むくむく起きて、茶を入れて、のそのそと会社のパソコンを開き、そして、すらすらとパスワードを入力できたことが、悲しかった。

パスワードを忘れてしまいたい。それくらい労働が遥か彼方になるくらい、休みが欲しい。そんな強烈な欲求。どうして四連休?どうして長期休みがせいぜい10日間とかなの?二千兆年ください、いえ現実的に言えば1ヶ月くらいのバカンスをいただけないのでしょうか、などと心で勝手に懇願した。



パスワードを入れるときなどに思い出すのが、星新一の『番号はどうぞ』というショートショート。たしかに財布を落としたかなんかで、身一文になってしまった主人公か、役所などで本人確認をするすべがなくなり、どこにいっても番号はどうぞ、番号はどうぞ言われて、途方に暮れるって話だったと思う。自分を証明する、ちっぽけな番号や記号の配列。それすらないと、自分は自分であると証明できないなんて、ここに確かに物理的に存在している自分など無意味になるのか、などと軽いショックを感じた幼い経験がある。

そして、数年前くらいに政府のマイナンバー制度が始まったとき、若干そわそわし、わくわくしていた。ついに『番号はどうぞ』の世界が始まると思ったからだ。このマイナンバーの番号が限定的で、唯一的であるがゆえに、逆説的に自己の証明が困難となりさえする、そんな星新一のショートショートの世界が、ついに、現実のものになるのだと!

だが、現実、マイナンバーはそこまで普及してないし、コロナ給付金のときは個人に紐付くこの番号があまりにも機能していなく、ちょっとだけがっかりした。というか、むしろ、よく考えると、本人確認は誰にでも彼にでも確認されちゃうような、つまりSNSなどの広まりもあって、ちょっとした情報で容易に個人を特定できるような、なんなら犯罪によって口座番号とか簡単に抜かれちゃうような、そういう世の中になって来ている気もする。

ときに、スマホに全情報が集まってるのは怖いですね。この前怪奇現象でスマホ電源急に落ちたとき、ぶっ壊れたかと思って、軽くパニックになったよ。スマホがないと人とつながれないし、思い出を残せないし、買い物をしてお金を払えないし、新幹線に乗れないし、できなくなる日常業務がありすぎて、こっちの事実のほうがショックだったかもしれない。

とりあえず、パスワードを忘れさせてください。いざ仕事をしようとして、PCを開き、はて、なんだったっけ?とキーボード叩く手が一瞬止まるような、そんな感覚を味わせてください。


#エッセイ #星新一 #番号はどうぞ #連休明け #仕事

夢に向かって頑張ります‼