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公園の主役は誰か?【もどかしさ → 提案 → 設置】


誰もが公園の主役になりえるけれど、主役の一人は間違えなくこども。
コロナ禍において各地の公園の遊具が使用禁止になったが、こどもが好きだった遊具には使用禁止のテープが巻かれ、まるで事件現場のようだった。

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そこに付随して貼られた看板は、公園が好きなこどもが読んでどう思うかということへの配慮が欠如しているように思えた。
中にはふりがなをふっていない看板もあり、コミュニケーションする気がないのかなとすら思えた。
個人的には遊具の使用禁止自体は違和感がないのだけど、こども不在の一方的なメッセージに大きな違和感があった。

とはいえ、管理者の方々もどたばたと対応に追われ行ったこと。短い時間で彼らなりに言葉を選んだ誠意を感じる文章もあった。
だけど、当事者(こども)が近くにいない人、あるいはメッセージを発信し慣れていない人にとっては難しいことでもある。
そんなことが全国で起きているようだった。

もどかしさを抱えながら、足元から何かできないかと考えて地域の友人三人に声をかけた。
外遊びの自主企画などを行う保育士で狭山市で一緒に道路に遊び空間を作ったRちゃん、ブランディングをしていて趣味で地域の風景を切り取りインスタにあげている Dちゃん、Yanasegawa Marketを一緒にやっていて地域のニーズをばっちり把握している K ちゃん。
声をかけたらみんな二つ返事でのっかってくれた。
とは言え、提案を作ったところでどう届けようかと考えていた時、日ごろから仲良くさせていただいている市議会議員さんに連絡をとった。彼もすぐに了承して下さった。

このメンバーに声をかけた当日、企画メンバーで夜のzoom会議。
話し合いは、こどもにどんなメッセージを届けるのか、どんな手法だと届くのか。
届けたいメッセージは以下のように収束していった。
・公園はあなたを想っているということ(表現が難しい)
・遊具の使用禁止は一時的であること(これけっこう大事。大人の当たり前がこどもに伝わっていないことは多い。特に時間軸。)
・他の遊びもあるよ、遊びは奪われていないよという提案
・誰かを批判してもしかたなくて、楽しくいこうということ

手法としてはパーくんというキャラクターに登場してもらい、パーくんが話しかける形で伝えることになった。公園に馴染みながらも目にとまる600mm x 900mmのターポリンを使用することにした。
提案を河野さん経由で市役所に届けると、びっくりするくらいスムーズに通してくださり、やりとりをしながら印刷、設置へ。

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スケジュールはこんな感じでした。
5月3日:企画メンバーに声かけ → 企画メンバーで夜のzoom会議
5月7日:市役所に提案 → 基本オッケー、コメントあり、近日中解除の可能性もあり様子待ち
5月13日:設置許可 → 弾幕発注
5月15日:弾幕到着 → 設置
6月1日:遊具の使用可に伴い撤去

ちなみにうちの娘5歳は自分で読んで「あっち(以前の看板)はおとなっぽくて、なんでこんなことかいてあるのだろうとおもったけど、パーくんはかわいかった。」とのこと。
全部じゃないかもしれないけど伝わっているし、それでいい。
社会や大人があなたたちの大切なものを大切に扱おうとしていることが少しでも伝わればいいなぁと。

このパーくんプロジェクトは小さな一歩だけど、こんな方法があるんだと市役所の職員の方に体感してもらうことが目的の一つにあった。
私たちとしても違和感を違和感のまま放置せずに自ら提案する、そして実現できたことは大切な一歩だった。

こんなことができたのは奇跡みたいな人の繋がりなのだけど、この奇跡みたいな人の繋がりは日本中にあるのだと思う。

私たちはまだまだまちに関わっていける。

(お仕事でいくつかの地域に関わらせていただくうちに「なにもないまち」なんて存在しないと思うようになった。)

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