トートタロットの物語（#Ⅳ The Emperor・皇帝）
私は一国の王。分かり易く言えば会社を纏める社長である。私がオレンジ色に染まっているのはバイタリティーに溢れているからだ。
右手のリーダーを表す牡羊の杖、左手の「自分の世界を手に入れた強力な統治者」の印として宝珠（マルタ十字と球の組み合わせ）で自分の地位を主張している。
社長の役割は「企業理念（ビジョン）」を掲げること。自分の世界（会社）を大きくしていくこと。そして全てに「責任」を負うことだ。
大きくなった会社は組織化をして安定させなければならない。会社と社員を守ることも私の大切な役目だ。従って必要があれば部下を守る為に戦うことも厭わない。その為に盾が描かれている。
私は常にチャレンジャーでありたいと思っていた。未開の業界や、未知の分野を開拓してこそ一人前の男だ。しかし安定と言うものは恐ろしいもので、一度手に入れた権力や地位を守ろうとして動けなくなる時もある。私の足を見れば分かる通り動く気配がない。今は少し保守的になっているかもしれない。
ただ一つ言えることは、私は誰からも命令をされないし、誰かによって動かされることもない。私は自分の支配者だ。私を動かせるのは私の意志だけだ。
九州男児とか昭和な男とか言われることもあるがそれが私だ。プライドの高さでは誰にも負けないが裏表もない単細胞な男だ。だから私を動かすにはおだてるのが一番だよ（笑）
衣装、盾、カードの絵の構図を見ると「＃Ⅲ」エンプレスと似てることが分かるだろう。私達は対になっている「夫婦」でもある。「＃Ⅲ」エンプレスが母であり妻であり家庭や子供を守る「女性的な性質」だとしたら、私は父であり夫であり会社や社員を守る「男性的な性質」を表している。
私たちはお互いに横顔しか見せていない。「＃Ⅲ」エンプレスのカードと「＃Ⅳ」エンペラーのカードを裏で合わせてごらん。女の顔をひっくり返せば男の顔、男の顔をひっくり返せば女の顔になる。優しそうな「＃Ⅲ」エンプレスにも私のような男性的な顔があり、「＃Ⅳ」エンペラーにも女性的な顔がある。
「＃Ⅲ」エンプレスも言っていた通り、女性が「＃Ⅳ」エンペラーを引いたとしても何ら驚くことはない。きっとその人は仕事が大好きで責任感がある人なのだろう。少し我が強いかもしれないが、きっと「出来る」人のはずだ。そんな人はパートナーにはリスペクトを求めるだろう。だから顔貌ではなく仕事や仕事への取り組み方で勝負するのが良いだろう。
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