大いにぼろぼろな誘拐犯、三たびあらわる
この夏休み、母子で私の実家に引っ越しする。
娘は、初めて転校も経験する。
私の体調不良で、タイミングが二学期になってしまった。
昨日、元夫に転居について連絡した。
娘が、早く伝えておいて欲しいそうだ。
だって、いつもこっちに文句言ってくるから…と。
嫌なことは早く終わらせてしまいたいそう。
電話じゃなくてLINEにするんだ、
なんて書いたの?、とも。
LINEを送る前に、娘からも言伝を頼まれた。
“後からグジグジ言われたくない”って書いて欲しい!
それが一番嫌だから
お母さんのいない場所でしつこくされるんだよね、
と。
相手は父子で会う際に移動中であれば、道路脇にハザードを付けて停車し、車中で娘に詰問してくるそうだ。
元妻である私の代わりに、娘に文句を言うとは。
恥の概念が違うのか。
そりゃ、会いたくないよ。
気持ち悪い。
返ってきた返事は案の定、長文、内容も想定内。
まとめると
だそう。
娘の心情を慮るとか、転校の心理的なケアについてなどは皆無。
常に主語は自分自分自分だ。
最後の指示には失笑した。
正気?
いや、正気じゃないのだろう。
だから家庭は破壊されたのだ。
娘と、このお化けとは、ようやく物理的にも距離ができる。
父に対して愛着はあるようだが、娘の会いたい時にだけ会えばいい。
目下、“誘拐犯”は大忙し。
そうそう、誘拐には幇助犯もいるのだ(相手の脳内では)。
娘は夏休み、
私がバテている間は友達一家Aと習い事へ、
友達B宅では宿題をし、遊びに連れ出して貰い、
先週は友達何人かと川上り、友達C宅でお泊まり会、
今週は友達一家Dと動物園に行ったりと、
休みを満喫中。
保育園、小学校、近所中に誘拐犯と喧伝された私を、たくさんの家庭が助けてくれて、ここまでやってきた。
相手は、そんな人達をも“誘拐幇助犯”呼ばわりしてきた。
脳内で仮想敵化したらしい。
そんな、呆れるばかりの荒唐無稽な被害妄想は置いておいても、
どの家庭も、皆共働きで受験生や小さい子がいたり、様々に事情もある中、時間を作ってくれた。
娘に、暖かな家庭を味あわせてくれた。
感謝しても、しきれない。
私は、せめて仕事で恩返しする。
タイトル元ネタはこちら。
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